ワイ「保育園でハロウィンのパーティーするみたいだけど、どう？」ムッスメ(3)「えっとね…」

風吹けば名無し

ムッスメ「正直に言って、不要な行事であり、廃止を検討すべきであると考えている。これは保育園の諸先輩方のお化けの扮装やジャック・オー・ランタンが怖いからではない。
そもそも80年代以前にはハロウィンは日本人には認知されておらず、突然広まったという印象を受ける。しかしながら、無宗教とも揶揄される日本人にハロウィンが抵抗なく受け入れられたことは得心がいく。実際には多くの日本人が無自覚に日本神道を信仰していると考えられるが、多神教ゆえ、他の宗教の祭事を柔軟に取り入れられた、という解釈も可能であろう。
しかしながら、ハロウィンを単なる仮装の披露の場、羽目を外す無礼講の場と勘違いしている輩の多いことは、同じ日本人として慙愧の念に耐えない。毎年のように渋谷などで繰り返される破廉恥な乱痴気騒ぎは正視に耐えない。
残念なことに、我が保育園の先生方もクリスマスと類似した行事と誤解している。古代ケルトに由来する行事であることを考えれば、キリスト教からは異教徒の祭事であり、クリスマスとは対極である。欧米でも特段祝われていない国が多いことを知らないとは、蒙昧と言わざるを得ない。正しい知識に基づき指導することこそ重要であり、幼少教育におけるハロウィン行事の実施を再考することも検討するべきではないか。もちろんこれは、私がお化けが怖いから言っているのではない。ここは誤解しないでいただきたい。
とはいえ、ハロウィンが死者の帰還、一年の始まりを意味することを考えれば、盆と正月が同時に来たようなものであり、熱狂することも理解できなくはない。しかしながら、ハロウィンを楽しむ大多数の者はその由来すら理解していない。これはバレンタインのチョコ菓子や節分の恵方巻といった企業広告に踊らされた結果であり、資本主義に対する衆愚の敗北である。ハロウィンに参加するということは、自身の愚蒙の容認であり、容認し難い。重ねていうが、お化けが怖いからという理由ではない。
また、30年前ではあるが、米国におけるハロウィンでの日本人留学生の射殺という痛ましい事件が起こっていることも忘れてはならない。この事件の教訓を銃社会の危うさとして留めるのではなく、ハロウィンという文化そのものへの懸念として認識する必要がある。
最後になるが、これは決して私がお化けを怖がっているということではないことをご理解いただきたい」
ワイ「はい…」