金村義明「阪神はロハス外してでもマルテを使え」

風吹けば名無し

ロハスは前半戦と比べ、明らかに状態が上向いている。２月のキャンプに参加できず、来日直後は投手寄りに体が突っ込む悪癖が出ていたが、ようやく解消されてきた。守備や走塁でも果敢に頭から飛び込むなど、全力プレーに好感が持てる。ただ、優勝を目指すなら首脳陣は断腸の思いでロハスを２軍に落とし、マルテを昇格させるべきだ。

　矢野監督もマルテを前半戦のＭＶＰと話していたように３番打者として欠かせない選手だ。選球眼に秀で、狙い球を絞ることも一級品。相手投手からすれば、最もマークすべき存在だ。４番の大山、５番の佐藤輝は早いカウントからどんどん仕掛けていくタイプ。打線のつながり、間をつくるマルテがいないと、攻撃力が半減してしまう。

　スアレス、アルカンタラとブルペンに外国人投手２人を置いている状況を踏まえても、助っ人野手を１軍に３人置いておくことは現実的ではない。ロハスは２軍で実戦を積ませ、マルテ、サンズにアクシデントが起こった時に待機させるのがベストだ。

　首位陥落は免れているが、２位・巨人とのつばぜり合いは続く。気になるのは引き分けの差。阪神が３に対し、巨人は１０。これは終盤の勝率に大きく関わってくる。ここ２試合のワンサイドゲームは優勝を争う上では論外。ビハインドの展開でも僅差で粘り、ドローに持ち込む采配が求められる。外国人の用兵も含め、矢野監督が非情な判断を下せるかどうかが、リーグ制覇へのカギを握る。