【悲報】台湾産輸入パイナップルに不良品が…日本の支援に冷や水？

風吹けば名無し

台湾産輸入パイナップルに不良品が…日本の支援に冷や水？
https://news.yahoo.co.jp/articles/6cb5bbdd71bd1dc79e8e0226c948e8de6a4a9650

中国からの全面禁輸を受け、台湾を助けようとブームになっていたパイナップル輸入にとんだ水が入った。

　日本などに輸出されたパイナップルから不良品が発見され、台湾農業委員会主任委員（農水大臣に相当）が国会に当たる行政院経済委員会で陳謝。輸出先には無償で代替品を送り、品質管理の改善を約束すると答弁したのだ。台湾の中央通信社が８日伝えた。

　問題があったのは日本、シンガポールなどに輸出された台湾産パイナップル166トン。芯の部分が痛みにより変色し、糖度が不足していたという。行政院農業委員会の陳吉仲（ちん・きっちゅう）主任委員は７日、「期待に沿えない状況」があったと謝罪した。

「あの痛み方、甘みのなさでは商品ではない。食しても健康に大きな被害は出ないだろうが、お客さま方がとても口にできる代物ではない」

　台湾の果実輸出商は、今回問題になった台湾産パイナップルの問題をこう解説する。

　同委によると、台湾が独自に改良を重ねたパイナップルの品種「金鑚」は、他国産品種よりも皮が薄く、輸送、陳列時の適温は13度前後。10度を下回ると凍傷になってしまう。しかし、新規参入した業者には、こうした品質管理の条件が伝わっていなかった可能性がある、という。

　農業委員会は今後、海外市場に出るまでの全ての過程や陳列状況などに目を配り、必要に応じて弁償することで品質と信用を守りたいとしている。

　台湾産パイナップルは最大の輸出先だった中国が収穫、出荷シーズン直前の３月１日、昨年輸入された同国産パイナップルから果樹を枯らせてしまう強力な害虫、カイガラムシが発見されたことを理由に全面禁輸となった。

　これに対して蔡英文・民進党政権は、今年の出荷シーズンを前に検疫体制は万全で、全面禁輸は台湾統一を目指す中国による政治的意図を持つバッシングだとして中国を非難。台湾島内での消費拡大と中国以外への輸出拡大を訴えた。

　全国紙の台北支局経験者は全面禁輸をめぐる台湾海峡両岸の主張にねじれがあることを指摘する。

「全面禁輸を台湾統一に向けた政治的圧力だと蔡英文政権は訴えた訳ですが、ここにも政治的意図を感じざるを得ません。まず、パイナップルは台湾海峡両岸の経済関係の中では極めて少額であること。また、中国が主張する害虫が発見された時期は昨年であり、民進党政権が万全の検疫体制と訴えているのは今年。つまり、時期が異なるのです」

■台湾産バナナからも基準値以上の農薬検出

　蔡英文政権の訴えに最も反応したのが日本だった。反共嫌中、中韓に対するヘイトが猖獗（しょうけつ）を極める日本では早速、東日本大震災時には世界で最も多額の義援金を贈ってくれた台湾を助けよう、恩返しをしよう――と、中国非難の書き込みがネット空間を埋め尽くし、今年収穫分の入荷の前から注文が殺到。３月１日から４月５日までに、日本に輸入された台湾産の輸入パイナップルは2906トンと昨年の３倍増となった。

　このパイナップル特需の最中の３月13日、パイナップルと並ぶ台湾の主力輸出農産物であるバナナから、日本の基準値以上の農薬が発見され、日本の輸入商が自主回収、破棄していたことが明らかになった。

「果実の輸入にはこうした問題がつきもので、度々頭を悩まされてきました。日本での検疫は全品検査ではなく抜き打ちです。検疫当局も当初は厳しいのですが、最初の何回かの船便に問題がなければ段々と緩くなっていきます。輸出商は当初だけ問題のないものを日本に送り、段々と問題のあるものを潜ませてくる。それで随分損失を出しましたよ」

　台湾産パイナップル、バナナを長年取り扱ってきた日本の果実輸入商はこう言い、今回の不良品発見は、こうした台湾果実輸出商の体質が引き起こしたものではないか、と指摘。台湾外交部ＯＢもこの輸入商の推測に賛同する。

「東京の代表処（大使館に相当）在勤中、検疫で問題が発生したので日本の農水省と談判してこいと、何回も無理難題を本国から押し付けられました。そんなことできる訳もありません。生鮮食料品の輸出入に検疫問題はつきものですが、当初の輸入分は問題のないものを送って通関させ、抜き打ちの対象にならなくなると問題のあるものを潜り込ませるというのは伝統的手法です。今も続いているということでしょうか。ただ、こうした手口は台湾だけに限ったことではありません」

　台湾を助けよう、と善意から始まった日本でのパイナップル輸入ブームは農薬バナナに続いて変色パイナップルで冷水を頭から浴びせられた。