原辰徳「捕手、一塁手、二塁手のOPSを上げないかん」

風吹けば名無し

１月のスタッフ会議。原監督は「捕手、一塁、二塁は空いてる。例えばＯＰＳという数字は、一塁手、二塁手、捕手の数字は決して褒められるものじゃない」と競争を促した。一塁のレギュラー候補には山下ら若手の名前も挙げ、サバイバルのゴングを鳴らした。

　ＯＰＳとは強打者の度合いを表した長打率と出塁率を足した数字で、打者の指標の一つ。７割以上が平均的とされ、今年のセ規定以上では８割以上が１１人、９割以上が８人だった。

　原監督が課題に挙げた３ポジション。昨年の主な巨人選手のＯＰＳは、捕手の小林が・５８０（長３００、出２８０）。一塁の大城は・７１８（長３８８、出３３０）、二塁の若林は・６８５（長３５０、出３３５）だった。この数字を上げることが、打線の強化にもつながる。「実力至上主義」のもと、キャンプから厳しい目で見極めてきた。

　激しい競争を勝ち抜き、今季は捕手に大城、一塁に中島、二塁に吉川尚が定着した。ＯＰＳは大城が・７５１（長４１２、出３３９）、中島が・７８８（長４１９、出３６９）、吉川尚が・７３４（長３９８、出３３６）と、いずれのポジションも昨季より向上。坂本、岡本、丸の中軸の前後で存在感を発揮し、そこに２番に松原が台頭して躍動し、打線に厚みが増した。

　攻撃陣だけでなく、鉄壁のリリーフ陣、菅野を中心とする先発陣、リーグ最少４３失策の守備力など、原巨人は進化した。首脳陣、選手のコンディション管理への高い意識も「圧勝」につながった。昨年、日本シリーズでソフトバンクに４連敗した悔しさを全員が胸に秘め、チーム力は確実にアップ。満を持して日本シリーズに挑む。

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