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御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」

1 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:42:45 ID:043J1/Oia.net
(学園都市 とある公園)

??「いやー、ここが学園都市か。やっと着いたぜ」

自動販売機(バチッ!、ジーガー…、ゴトン)

??「ってーと、とりあえずどこ行きゃいいのかね…お?なんか新年早々自販機にケリ入れてる人が…」

御坂「…」

??「あの人は確か…。おーい!!」

御坂「…?(誰よアイツ…見ない顔ね…)」

2 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:42:55 ID:043J1/Oia.net
??「いやいや、そこにいらっしゃるのは学園三位の能力者、(超電磁砲:レールガン)こと御坂美琴さんではないでしょうか?」

御坂「だったら何よ…サインならお断りよ」

??「いやいや、おれも運がいい。学園に来ていきなり会えるとはねえ…」

御坂「(何よ、ファンか何か?シカトするに限るわね…こういうのは)」

??「いやどうも、おれは詠矢…詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)ってもんだよろしくなー」

御坂「(はいはい無視無視。相手するとロクな事無いわ)」

3 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:02 ID:043J1/Oia.net
詠矢「あ、おいおい、どこ行くんだ!(って…会えたはいいがどうするかね…あ、そうだ!)…ちょいと御坂さん」

御坂「…」

詠矢「それ犯罪だろ?」

御坂「…」

詠矢「電流を操作して自動販売機を誤作動させ、金を払わずに商品を手に入れる。普通に窃盗だよな?」

御坂「…」

詠矢「いいのかねえ、学園第三位の能力者とあろう人が、小銭ケチって窃盗なんて」

御坂「…」

詠矢「あんたは強くて、その振る舞いを周囲が容認してるのかも知れないが、こう公然と…」

御坂「うっさいわねぇ!!どうせもいいでしょそんな事!」

4 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:09 ID:043J1/Oia.net
詠矢「いや、よくないっしょ。刑法的に」

御坂「だいたい、アンタに何の関係があるのよ!!」

詠矢「俺が関係してようがいまいが、それが犯罪であることは事実」

御坂「(ビキッ…)何よ、喧嘩売ってるワケ?(バチッ)」

詠矢「…まあ、そんな感じかな」

御坂「…いい度胸ねぇ…。じゃあ、お望み通り私の電撃で躍らせてあげるわ(バチッ)」

詠矢「ちょちょ!ちょっと待って!」

御坂「何よ!今更逃げれるとでも思ってんの!?」

5 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:16 ID:043J1/Oia.net
詠矢「いや、違う。ちょっと離れただけ。5メートルも有れば十分かな」

御坂「?何言ってんの?私の能力知らないの?」

詠矢「いや、知ってる知ってる。ちゃんと調べてきた。超強力な発電能力だよな?」

御坂「知ってるなら、無駄だってわからない?…もういいわ、死んでなさい!!(バチバチッ)」」

詠矢「大丈夫、空気は絶縁体だ。ここまでは届かない」

御坂「…?(あれ、おかしい、電撃が飛ばない)」

詠矢「ごく近い距離なら、空気中でも放電現象が起こる場合は有るけど、これぐらい離れてればまず大丈夫」

御坂「…!?(あれ、あれ、何度やっても飛ばない!!…電気はちゃんと起きてるのに!)」

詠矢「(お、効果アリ…かな?)」

6 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:19 ID:Iwglfa/s0.net
これきらい

7 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:23 ID:043J1/Oia.net
御坂「…アンタ…なんかやったわね…」

詠矢「多分…ね」

御坂「能力…者…」

詠矢「そうなるかな」

御坂「…なんか、アンタ嫌な雰囲気ね。その軽口、後悔させてあげるわ!!…!!(最大級の電撃を!)」

詠矢「お…電圧を上げてるのかな?それはいい判断だ。空気の絶縁限界を超える約300万V/mが有れば空気中でも電子雪崩が起こって雷を起こすことが出来る。但し!!」

御坂「さっきからゴチャゴチャうるさいわね!!でも…これでっ!!(バチッ!…バリバリ!)

詠矢「空気中に放電された電気は、一番近くにある電気抵抗の少ない物質に向かって流れる。この状況では、恐らく…」

自動販売機「(バチッ!!…ガガ…。プツン)」

御坂「えっ!?電撃が…」

8 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:29 ID:043J1/Oia.net
詠矢「窃盗に器物破損が追加…か」

御坂「なによ…これ…どういうこと!?アンタ何したのよ!!」

詠矢「いや…もういいんだ、十分使えることわかったし」

御坂「はあ?」

詠矢「ご協力ありがとうございました。そんじゃまた」

御坂「ちょっと、アンタみたいな得体のしれない奴、このまま逃がすとでも思ってんの?」

詠矢「あ、いやいや、ゴメンゴメン。怒らせたのは謝るからさ…」

御坂「うるさいっ!!電撃が飛ばないならこれよ!!(チャキ)」

詠矢「おっと、そのコインはレールガンですな!。えーっと、どうだっけかな(ポチポチ)」

御坂「…ナニ携帯なんか見てるのよ…」

9 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:35 ID:043J1/Oia.net
詠矢「いや、うろ覚えなもんで…。と、電気伝導体の二本のレールの間にこれまた伝道物質を配置し、回路を形成して荷電することよってローレンツ力を発生させて打ち出す…。てことは…レールはどこにあるんだ?」

御坂「はい?レール?」

詠矢「うん。安定した加速を行う為には、かなり長いレールが必要となる。コインは恐らく鉄をクロムメッキしたものだろうから弾丸としては使えるけど、砲身が無いのが問題だな」

御坂「…空気中の物質をプラズマ化して、加速レールとする…簡単な話よ」

詠矢「…え?空気をプラズマ化…いや、それなら伝導体にはなるけど飛散しちゃうし、空中に固定する方法がないと…」

御坂「関係ないわよ。今までだってそうやって来たし、何も問題ないわ」

詠矢「(ヤベ、居直った。もしかしてヤバイ?)。いや、だからですね…原理が…」

御坂「うるさいっ!!死っねえええええぇぇ!!(ビシュゥゥゥゥ…ン!!!)」

10 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:36 ID:8mSajKx30.net
ちゃんと

スレ立て代行です。それではどうぞ

から始めろ

11 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:48 ID:ZqGUSAZ20.net
アニメ化記念

12 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:43:57 ID:qJeHh2LJa.net
詠矢「どおうわっ!!ヤバイヤバイ、ヤバイってマジで!」

御坂「へえ…上手く避けたわね…(さすがに威力は落としたけど、ホントに上手く避けた…)」

詠矢「(撃ちやがった…。論証が弱かったか?。ってーと、別の切り口が必要だな…)」

御坂「…さあて、アンタの能力、詳しく聞かせてもらいましょうか?それとも…消し炭になりたい?(チャキ)」

詠矢「そういやあ、そろそろ昼時だけど…御坂サン、腹減ってないか?」

御坂「…あんたバカじゃないの?何の関係があるのよそんなこと!!」

詠矢「御坂サンが発電を行っているとして、電気を発生させてるのは体細胞だ。だとすれば、発電のために大量のエネルギーが必要になる。細胞活動のエネルギーは糖。血中の糖だ。空腹時は危険だぞ…」

御坂「…(あれ?なんか、体が…)」

13 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:06 ID:qJeHh2LJa.net
詠矢「急激な血糖値の低下は発作を引き起こす。具体的な症状としては、大量の冷や汗、動悸、振戦、譫妄!!」

御坂「(冷や汗が止まらない…、何で急に…た、立ってられない!)(ガクッ)」

詠矢「いや、いろいろゴメン。えーっと…さっき盗ってたジュース、あ、あったあった。『黒豆サイダー』?。ま、糖度高そうだからこれ飲めば多分回復するよ」

御坂「ちょ…っと…待ちなさ…」

詠矢「んじゃ、失礼しまっす」

14 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:14 ID:6sJKUqxta.net
これ最後までみたことない

15 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:16 ID:qSFtWlZ20.net
これ三期のキャラ?

16 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:16 ID:A49tH/X+p.net
大山悠輔定期

17 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:18 ID:qJeHh2LJa.net
白井「お姉さま!!お姉さま!!」

御坂「く…黒子…っ…」

白井「どうなさいましたの!?真っ青ですわよ!!」

御坂「ちょっと…それ…取って…」

白井「(缶ジュース?)は、はい、こちらですの?」

御坂「(プシッ)…(ゴクゴク)」

白井「…(ハラハラ)」

御坂「…ふう、ちょっと落ち着いた…」

白井「どうなされましたの?」

御坂「なんか変な奴に合って…、最初は追っ払ってやろうと思ったんだけど…」

白井「ま、まさか…お姉さまを退けたと?」

18 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:18 ID:LfqLp0Sba.net
完結してない定期

19 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:23 ID:TAr+TdGf0.net
長すぎ定期

20 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:26 ID:qJeHh2LJa.net
御坂「いや、そうじゃないんだけど…。なんかゴチャゴチャうるさい奴でさ、話聞いてるとなんか調子出なくって」

白井「少なくとも、お姉さまから逃げおおせたのは確かなようですわね。何かの能力者…ですの?」

御坂「そうみたい…。はぐらかして、詳しくは分からなかったけど…」

白井「それは見過ごせませんわね…。黒子がたまたま通りかかったからよかったものの…」

御坂「なんか、ヤな感じの奴だったわね。強さは感じないんだけど…なんていうか、掴みどころの無い感じ…」

白井「これは、ジャッジメントとして対応する必要がありますわね。お姉さま、相手の特徴は覚えていらして?」

御坂「うん、それは覚えてる…。黒縁メガネで、眉毛が太くて…」

白井「支部で詳しくお聞きします。移動しましょう」

21 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:33 ID:qJeHh2LJa.net
(ジャッジメント177支部)
初春「(ヨメヤ ソラキ)ですか…。在学者の名簿にはありませんね…(カタカタ)」

白井「しかし、自分から名前を名乗るとは大胆なお方ですわね」

御坂「聞いてもいないのに勝手に名乗ったのよね…。背格好からして、多分高校生ぐらいかなあ…」

初春「ダメです。中等部、高等部含めて検索しましたけどヒットしませんね」

白井「能力者なら、学園のバンクに登録があるはずですのに…まさか偽名?」

御坂「偽名なら、もっと普通の名前にするでしょうし…あ…そういえば」

白井「何か思い出されまして?」

22 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:39 ID:qJeHh2LJa.net
御坂「学園に来ていきなりアタシに会ったって言ってた…もしかして…」

白井「学園都市に初めて来たと…初春!転入者名簿ですわ!」

初春「はい!!(カタカタ)あ、ありました!(詠矢空希 高等部1年)2日前に転入届が受理されたばかりです。また正式に生徒名簿には登録されてなかったみたいですね」

御坂「やっぱり高校生か。えーっとなになに…レベル0、無能力者。ただし学園での正式な測定は未実施…」

白井「外部での簡易検査では、能力は検出されなかったようですわね…」

御坂「なーんか、ますますよくわかんないわね」

白井「なんにせよ、お姉さまに危害を加えたことは事実。捨て置けませんわ…居場所さえ分かれば…」

初春「…あの…」

白井「何ですの?」

23 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:46 ID:qJeHh2LJa.net
初春「転入者名簿に顔写真があります。これを監視カメラの記録と照合すれば…」

白井「足取りが分かりますわ!流石ですわね初春」

初春「はい!ありがとうございます!では早速(カタカタ)、第7学区の、170号カメラの記録と照合できますね…5分前のログです」

白井「そこなら、ここのすぐ近くですわね…。私なら一瞬ですわ」

御坂「じゃあ、アタシも一緒に行くわ。このままじゃ気が済まないし!…って…と…(グラッ)」

白井「いけません!お姉さまはまだ本調子ではありませんわ。ここは黒子が…その殿方をひっ捕らえて、お姉さまの前に引き出して差し上げますわ!」

初春「それに、これはジャッジメントとしてのお仕事でもありますから、御坂さんはどうか休んでて下さい」

御坂「…わかった、今回ばかりはおとなしくしといたほうがよさそうね…」

白井「どうかご自愛下さいませ。では初春、正確な位置をお願いしますわ!」

初春「はい!」

24 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:48 ID:ICBHn+V10.net
ちゃんと最後まで貼れよ

25 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:44:54 ID:qJeHh2LJa.net
(第7学区 路地裏)
店主「はーい、かけそばお待ちどう!」

詠矢「うーい、どうもー。(これからいろいろ物入りだろうし、節約しとかないとなあ)(ズルズル)」

詠矢「(しかしかけそば一杯じゃ腹膨れねえなあ、おにぎり食っちまうかなあ)(ズルズル)」

詠矢「(でもおにぎりまで買っちゃうと牛丼の方が安いんだよなあ)(ズルズル)」

詠矢「(腹減ってたから勢いで入っちまったけど、やっぱ牛丼屋探せばよかったかなあ)(ズルズル)」

詠矢「ごちそうーさまー」

店主「あい、まいどー」

詠矢「さて…転居申請だっけか。どこ行きゃいいのかな(ポチポチ)」

白井「ちょっと、そこのお方…」

26 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:10 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「あ、はい?俺のことっすか?」

白井「詠矢空希…ご本人に間違いございませんこと?」

詠矢「ええ、まあ…間違いございませんが…どちらさん?(お、結構かわいいじゃねえの。中学生ぐらいかね…)」

白井「ジャッジメントですの!!(ビシッ)」

詠矢「ジャッジメント…えーっと、確か、学園内の治安維持に努める学生で構成された組織…だったかな」

白井「お分かりなら話は早い…。ジャッジメントの権限にてあなたを拘束します!」

詠矢「でーっ!!て、なんですかいきなり容疑者ですか!(流石にいろいろマズかったかな、さっきのは…)」

白井「あなたにはいろいろとお伺いしたいことがあります。素直に同行して頂けませんか?」

詠矢「…」

白井「…お答えなさい!」

詠矢「…俺の容疑は?」

白井「は?」

27 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:24 ID:Om5NFiX6a.net
アニメ化記念

28 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:30 ID:kC0L1w/H0.net
最初に書いたやつよくこんなの思いつくもんだわほんとに

29 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:36 ID:5G9V8HbDa.net
連投規制厳しすぎんか?
前は1000レス以上普通に連投しても大丈夫だったんやが

30 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:53 ID:ResTIt2l0.net
久しぶりに見た

31 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:45:55 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「俺が拘束されるのは何の容疑だって聞いてるんだよ」

白井「…いえ、まだ罪状が確定したわけではありませんが…」

詠矢「容疑者じゃなけりゃ、任意同行にすらならねえだろう。不審者への職質レベルなら、従う必要はねえよな…」

白井「いえ、あなたにはお姉さまに危害を加えたという疑いがありますわ!」

詠矢「お姉さま?って…もしかして、えー…あの第三位の人かな」

白井「そうですわ。ご本人の証言から、先ほどお姉さまと関わったのはあなたであることは明白!」

詠矢「そりゃ関わったかもしれんが、俺はあの人には指一本触れてない。因果関係が成立するか?」

白井「何らかの能力を使われたと、ほのめかしていませんのこと?」

詠矢「どうだったかなあ…。それに、俺はレベル0、無能力者だぜ?」

32 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:07 ID:5G9V8HbDa.net
白井「あなた…いろいろと面度なお方ですわね」

詠矢「昔から理屈っぽい性格でねえ。友達いねえんだこれがまた…」

白井「聞いてせんわそんなこと…。いずれにせよ、素直に従わないのはやましいことがある証拠!」

詠矢「いやー、権力側の人間っていつもそう言うんだよねえ」

白井「(イラッ)、では、同行していただけないと?」

詠矢「とりあえず、今の段階では『やだね』だ」

白井「では、力ずくですわね。やはりあなたを野放しには出来ません!!」(シュン!!)

詠矢「(消えた…?)…!!(って、いきなり目の前に!)」

白井「はっ!!(ガシッ)せいっ!!」

33 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:19 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「(襟首と袖を!投げる気か…!!)よっと!(ババッ)」

白井「…!(引き手を切った!!体を裁いて釣り手も!!)…」

詠矢「あぶねえあぶねえ。テレポーターさんか…ちょっと離れさせてもらうぜ」

白井「やりますわね…、わたくしの捕縛術から簡単に逃れるとは…」

詠矢「一応心得はあるもんでね。さあ、どうする?いくら瞬間移動が出来ても、拘束するには俺を組み伏せる必要があるぜ?」

白井「他に方法はいくらでもありますわわ!いきますわ…」

詠矢「あーちょっと待ってくれ!!」

白井「…なんですの」

詠矢「テレポーターってさあ、瞬間的に位置を移動するわけだよな?」

白井「そうですわよ。それが何か?」

34 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:31 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「転移先の物体はどうなるわけ?分子の重複とか起こらないのかな?」

白井「問題ありませんわ。わたくしの転移は…!(そういえばお姉さまがおっしゃってましたわ『ゴチャゴチャうるさい奴』と。まさか能力と何か関係が…)」

詠矢「えーっと、どう問題ないのかな?」

白井「…答える必要はありませんわ。あなたのご質問には何か別の意図を感じます」

詠矢「(あ、気付かれたか…。ま、しょうがない)いやあ、単なる好奇心だけどね」

白井「ご質問なら後で支部でゆっくりと。但し、わたくしの質問に答えて頂くのが先ですけど…(シュン)」

詠矢「…(また消えた、今度はどっから来る!)・・・どあっ!(上かっ!!)」

白井「(よし、倒しましたわ!。後は針で拘束!)…ふっ!!」

35 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:43 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「(な!針!どっからあんなもん、投げる気か!)…!!(ゴロゴロ)」

白井「(キイン、タスタスタス)…!(針が地面に!転がって逃げた…)」

詠矢「…よいしょっと・・・。っとにあぶねえなあ…。手裏剣か。投げた…訳じゃなさそうだな」

白井「…」

詠矢「投げただけじゃ、金属の針がアスファルトに刺さるわけねえ。地面に向かって転移させた、ってとこか」

白井「あなた…何者ですの…」

詠矢「ただの理屈っぽい高校生ですよ」

白井「なら今のはどうやって避けたと…」

詠矢「いや、偶然あんたの手に針が見えたんでね。投げられるかと思ったんで転がって逃げた。そんだけさ」

白井「…たったそれだけのきっかけで…」

36 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:46 ID:dZqjUIdw0.net
なんか上映しとるやん

37 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:52 ID:CXpCvRTq0.net
これ白子といちゃつくんだっけ

38 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:53 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「だが、今のでわかった。テレポーターがどうやって転移先を指定しているか」

白井「…」

詠矢「指定先は『座標』だな。物を投げるのと同じ。『どの位置に向けて転移する』と指定して物体を送り込んでいる。俺が回避行動を取って針を避けられたのが証拠」

白井「それが…どうかしましたの?」

詠矢「座標なら、対抗する方法はある。要するに、狙いを定めさせなければいい(ザッ)常に動きまわってる対象には、当てにくいはず!(ダッ)」

白井「く…!(どういうことですの!針が当たらない…。この状態では細部を狙って拘束するのは無理ですわ!)…仕方ありません!多少の怪我は覚悟して頂きます!」

詠矢「しかも、銃弾や投擲と違って到達点までの軌道がない。つまり!!」

白井「(方向転換する瞬間なら、動きが止まはず。直接体に針を!)…そこっ!!(シュン)」

詠矢「相手に近づいても、流れ弾に当たる心配はねえ!一旦狙いをつけさせれば、距離を詰めた方が有利!!(ザッ)」

白井「(まさか!いきなりこっちに向かって!外したっ!!)…!」

詠矢「どっせい!!上段正拳!!」

白井「…!!(ダメ!演算が間に合わない!!)」

39 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:46:56 ID:/ipLBn1B0.net
ちゃんと全話やれ

40 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:01 ID:QTpPc1iY0.net
この定期なんなん

41 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:05 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「…」

白井「…」

詠矢「あー…」

白井「…え?…(寸止め?)」

詠矢「殴るつもりはなかったんだわ。忘れてた…」

白井「…(ガシッ)…(シュン)」

詠矢「のごあっっ!(なんだ、いきなり頭から落ちた!?)」

白井「…(キイン)…(タスタスタス)…ふう、拘束完了ですわ」

詠矢「ひでえなー、転移した対象の方向まで変えられるのか。受け身とれねえっての…」

白井「手こずらせてくれましたわね…」

詠矢「いやー、ゴメン。悪気はなかったんだけどねえ。『論証』に入るとつい熱くなっちまって」

白井「では、おとなしくご同行して頂けると?」

詠矢「はいはい、転がされて、一張羅の袖口を縫い付けられて抵抗する気力もございません。どこなりとお連れ下さい」

白井「最初からおとなしくそうおっしゃっていれば…。とりあえず、あなたの能力、手短にご説明いただけます?」

42 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:06 ID:ITD7IhHua.net
せめて3期分は追加しろ

43 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:16 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「すいません、せめて立って話したいんですがー」

白井「口まで拘束した覚えはございません。そのままでどうぞ」

詠矢「うわ地味にひでえ」

白井「で、なんですの?あなたの能力。お姉さまの言った通り、あなたの言葉を聞いてると調子が狂いましてよ?」

詠矢「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれました!。俺の能力はなあ!『論証を立てることによって、相手の能力を変質させる力』だ!」

白井「変質?まさそのような能力が…」

詠矢「いや、今日俺は確信に至った。この能力は間違いなく有る。そして、おれはこの力をこう名付けた。絶対反論(マ ジ レ ス)と!!!!」

白井「最低のネーミングセンスですわね…」

詠矢「あ、ダメかな?でも気に入ってるんで変えねえぞ」

白井「ご自由に…。ですが、もしその力が本当なら、かなり特殊な能力ですわね。まさか、パーソナルリアリティに干渉する力…?」

詠矢「はい?ぱーそなる・・・りありてぃ?

44 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:17 ID:IDy+Vih10.net
懐かしい定期

45 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:30 ID:5G9V8HbDa.net
白井「そういえば、学園に来られたばかりでしたわね。ご存知無いでしょう。ご心配無くとも、カリキュラムの中で習いますわ」

詠矢「はあ…ソウナンデスカ。楽しみにしときます…」

白井「では、連行致します。よろしいですの?(ガシッ)」

詠矢「えー、あ、そうか。転移するんですな。接触者と同時転移も可能とは便利ですなあ」

白井「わたくしはレベル4ですのよ。これくらいは朝飯前」

詠矢「あ、でもでもさあ!」

白井「なんですの…行きますわよ…」

詠矢「こうやって、移動するときに、おれだけ上空に転移させられるとさあ」

白井「え?・・・(シュン)」

詠矢「死ぬしかないよなあ…(シュン)」

46 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:38 ID:5G9V8HbDa.net
ジャッジメント177支部)
白井「(シュン)」

初春「あ、おかえりなさい!どうでしたか?」

御坂「結構時間かかったわねえ…、て、黒子1人なの?」

白井「へ?…1人?」

初春「あれ、もしかして取り逃がしちゃったとか…」

白井「あ………」

御坂「…?」

白井「あ…あわあわわわわわわわわ!置いてきてしまいましたわ!!」

初春「置いてきたって…どういうことですか?」

白井「た、確かに接触して転移しましたの!でもわたくしだけが戻ってきたということは!どこかに…」

御坂「まさか、黒子の能力が暴発したっていうの?…え、じゃあ、置いてきたってどこに?」

白井「え…、どこと申されましても…あ!上空ですわ!」

御坂・初春「上空!?」

47 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:41 ID:h4x7rbTga.net
原作読んでないんやっけ

48 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:46 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「あー、おれ落ちてるなあ…」

詠矢「うわこれどうしょうもなくね?…」

詠矢「…」

詠矢「……つまんねえ人生だったなー……」

おわり

49 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:47:55 ID:5G9V8HbDa.net
絶対反論(マジレス)こと詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)は落ちていた

これは、ニュース速報vipに投下された【御坂「……?(誰よアイツ……見ない顔ね……)」】というスレタイで投下されたSSの続きです。
前作はこちらに↓
http://sea-mew.jp/no...ss/1316605716-0.html
(注釈)
・禁書のSSです
・オリキャラメインです。勝手に設定した能力者が出ます。
・原作は読んでません。細かい設定はよくわかりません。
・アニメは全話見ました。
・キャラが崩壊してるかも知れませんがご容赦を

では、早速初めさせて頂きます。

50 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:06 ID:5G9V8HbDa.net
絶対反論(マジレス)こと詠矢空希(ヨメヤ ソラキ)は落ちていた。

それは比喩的表現ではなく、ただ真っ当な「落下」である。

地面まで数秒。その落差を計測する余裕などなかったが、それが殺意を持った高さであることは容易に想像できた。

「……つまんねえ人生だったなー……」

彼の命脈は既に尽きていた…かに見えた。

時間は数秒ほど遡る

51 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:13 ID:FRAkkFrF0.net
長すぎて全部貼られたの見たことないわ

52 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:15 ID:5G9V8HbDa.net
打止「おかいものっ!おかいものっ!とミサカはミサカはうれしさのあまりお出かけの目的を連呼してみたり!」

一方「ったく、っせーな…。食料の買出しに行くだけだろーが…」

打止「でも一緒にお出かけはそれだけで楽しいんだよ?なんてミサカはミサカは素直に同意を求めてみたり!」

一方「ケッ…ナニ言ってやがんだ…。いいから静かにしやがれ!」

ショッピングモールに向かう橋の上を歩く少女と、それを追う学園第一位能力者の青年。青白い首筋をもたげて、なんとなく空を見る。

一方「しっかし…腹立つぐれえいい天気だな…あ?」

青年の視界、つまりは上空に何かが写った。そしてそれはすぐに人の形をしていることに気づく。

だが、形より圧倒的に重要なことは、それが自然落下してくるということだ。前を小走りに進む少女の頭上に。狙い済ましたように。

一方「ちょ…なんだアレは!!…あぶねえっっ!!!」

青年は走る。だが杖が必要な足は付いていかず、上半身だけが先行する。半ば飛び掛るような状態で、なんとか少女の頭上に手をかざすことが出来た瞬間、落下物が彼の腕に触れた。

一方「っつ!!…!」

53 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:23 ID:5G9V8HbDa.net
彼の能力「ベクトル変換」が発動する。落下物は水平に弾き飛ばされ、橋の欄干を通り越し、水柱を上げながら水面に叩きつけられた。

打止「ひゃあっ!!とミサカはミサカは驚きを隠せないでいたり・・・」

一方「なンだ……?」

詠矢「(あれ、俺まだ意識あるな)」

詠矢「(なんかものすごい衝撃を感じたんだが)」

詠矢「(感じたってことは生きてるんだよな?)」

詠矢「(そうだ、確か水に落ちたんだ)」

詠矢「(えーっと、つまり今水中にいるわけで)」

詠矢「(…取り合えず浮上しないと死ぬ!)」

詠矢「ぶわっ!」

詠矢「あぶねえ、せっかく命拾いしたのにまた死ぬとこだった!」

54 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:34 ID:5G9V8HbDa.net
一方「なンだテメェは!!自殺ならヨソでヤレやァ!!!!」

詠矢「えー、なんと言うか。事故なんですよ」

一方「ンだぁ?…事故だと?」

詠矢「事情を説明すと簡単なようなややこしいような…」

詠矢「とにかく、助かったよ。あんたも何かの能力者なのかな?」

詠矢「確か俺は橋の上に落下するはずだった」

詠矢「だが気づいたら川に落ちてた」

詠矢「突風が吹いたとかそんなチャチなレベルじゃなく、俺の体は弾き飛ばされてる」

詠矢「なら、やっぱり何かの能力によって助けられたと考えるべきだよな」

詠矢「というわけで、ありがとう。助かったよ」

55 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:35 ID:I+6Pwoida.net
ってーときらい

56 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:37 ID:r1q78QNod.net
よろしくなー定期

57 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:41 ID:5G9V8HbDa.net
一方「……なンかゴチャゴチャ回りくどい奴だな」

打止「…(ジー)」

一方「どしたぁ?」

打止「…(オカイモノ)」

一方「アア、そうだったな…」

詠矢「あー、なんか用があるなら行ってくれ。後は自力でなんとかするから」

一方「言われ無くてもそうすらァ…。じゃあな飛び降り野郎…おら、行くぞガキ…(スタスタ)」

打止「…(ペコリ)…(スタスタ)」

58 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:50 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「行っちまったか…」

詠矢「ていうかあの顔どっかで見たことあるような…」

詠矢「…まあいいか、そのうち思い出すだろう」

詠矢「さあて、これからどうするかな」

詠矢「取り合えず位置検索か(ポチポチ)」

詠矢「あ…」

詠矢「完全水没、だよな…。携帯が…電源も入らねえ…」

詠矢「水没じゃ保障対象外だよなあ…。か…金が…」

詠矢「しょうがねえ、適当に地図見ながら歩くか」

詠矢「取り合えず置いてきた荷物を回収しねえとな」

詠矢「さっきのソバ屋どこかな」

詠矢「フロ屋も探さねえとな…(トボトボ)」

59 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:55 ID:lx/nYyr9a.net
ヨメヤソラキって名前虫唾が走るほど嫌い

60 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:57 ID:b2hMAcY0a.net
なんやこれ二期三期あるのか草

61 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:48:59 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「あ、そうだ、俺は連行される所だったんだよな」

詠矢「嫌疑がかけられてるんなら、ちゃんと出頭しとかないとな…」

詠矢「これ以上ジャッジメントと事を構えるつもりもないし」

詠矢「とはいえ、何処に行ったもんだか…」

詠矢「その辺の人に聞いてわかるかな?」

詠矢「…不審者扱いされるのがオチか」

詠矢「あのツインテールの娘、名前ぐらい聞いとけばよかったな」

詠矢「さあて、どうするかな…」

嘆いたって始まらない。取り合えず俺は歩きながら考えることにした。

都市の案内板を頼りに、どうにか元の場所に戻った俺は荷物を回収することに成功した。

フロでも入りたかったがあいにく銭湯は見つからず、ネットカフェのコインシャワーで体を流すと、
万が一にと持ってきた私服に着替える。
水に落ちたときの打ち身で体のあちこちが軋む。まったく落ち着ける状況ではなかったが、考える
時間だけは十分に確保出来た。

俺は思考に結論を出し、一番近くにある図書館へ向かった。

62 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:15 ID:IuP4ogPx0.net
長すぎて御坂が倒れるところでいつも読むの辞める

63 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:17 ID:YBhEB2dk0.net
別にネタにされるほど酷い内容ではないよな

64 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:19 ID:5G9V8HbDa.net
>>60
9期まであるぞ

65 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:33 ID:5G9V8HbDa.net
第七学区 図書館)
白井「探しましたわよ…詠矢さん」

詠矢「お、いいタイミングだねえ。ちょうど一冊読み終わったとこだ」

白井「まるで見つかるのを待ってたかのような口ぶりですわね」

詠矢「そう、その通り。自分で出頭しようと思ったんだけど…」

詠矢「何処に行ったらいいかも分からなくてね」

詠矢「今日最初に会ったときも」

詠矢「俺をピンポイントで見つけてたろ?」

詠矢「だから、そちらさんには何らかの位置検索の方法があると考えた」

66 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:39 ID:lx/nYyr9a.net
話口調が気持ち悪すぎる

67 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:48 ID:YaCcjiUw0.net
これって完結してるんだっけ

68 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:49:58 ID:5G9V8HbDa.net
白井「変な所には頭が回りますわね…」

白井「確かに、監視カメラの記録であなたの姿を追跡しましたわ」

詠矢「やっぱそうか。ならここで待ってて正解だったな」

詠矢「図書館の中なら監視体制はバッチリだろうし」

詠矢「ついでにいろいろと情報を仕入れられるしな」

白井「ま、ご無事で何より…」

白井「そのご様子ですと、特に危険な場所に転移したわけでもなさそうですわね」

詠矢「それがそうでもなくてさ。気づいたら空中だっんだよ」

詠矢「これがまた結構な高さでさ。マジで死ぬかと思ったぜ」

69 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:20 ID:5G9V8HbDa.net
>>67
してない
5年10期来るのを待ち続けてる

70 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:22 ID:iSw/1unZM.net
なにかに似てると思ったらリゼロの主人公思い出すんだ
気持ち悪さが似てる

71 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:25 ID:5G9V8HbDa.net
白井「え…?ではそこからどうやって…」

詠矢「いや、なんか能力者の人が偶然通りかかってさ」

詠矢「多分念動系か何かだと思うんだけど」

詠矢「弾き飛ばして川に落としてくれたんだわ」

白井「たまたま?能力者に助けられたと…?」

詠矢「たまたま。運が良かったってことになるのかな」

詠矢「まあ、どっちかっていうと悪運になるんだろけどね」

白井「そうでしたの…。でも、わたくしもその悪運に感謝しないといけませんわね」

白井「危うく殺人犯になるところでしたわ」

詠矢「まー、基本俺が余計なこと言ったからだからな…以後自重するよ」

白井「そうしていただけると助かります」

72 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:28 ID:b2hMAcY0a.net
>>64
ええ…

73 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:34 ID:5G9V8HbDa.net
(ジャッジメント177支部)
白井「こちらですわ…(ガチャ)」

詠矢「まいどどーも」

御坂「あ…!」

詠矢「あ……」

御坂「アンタ……さっきはよくもやってくれたわね!!(バチッ)」

詠矢「や、やめろって…!だから怒らせたのは謝るからさ…」

御坂「…謝ってすむ問題かしら?…(ビリバチッ)」

白井「お、お姉さま。支部で電撃はちょっと…」

初春「や、やめてください!パソコンが!!」

詠矢「……」

詠矢「……わかった…確かにそうだ。謝ってすむ問題じゃないかもな」

74 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:41 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「俺も腹は括った。御坂サンの気の済むようにしてくれ」

御坂「…え?」

詠矢「まあ、正直俺も、副作用まで誘発出来るとは思わなかった」

詠矢「だが、御坂サンを危険な状態にしたことは事実だ」

詠矢「だから、煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」

御坂「…アンタ、いきなり居直るなんてどうゆうつもりよ!」

白井「そんな勝手な言い分が通ると思ってらっしゃいますの!?」

詠矢「どうもこうもねえさ。俺はただ謝りたいだけだ」

詠矢「それでも許されねえってんなら」

詠矢「そっちの気の済むようにしてもらうのが一番いい」

詠矢「俺は一切の抵抗はしない。もちろん『論証』もだ」

御坂「…」

75 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:48 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「…さあ。いいぜ」

御坂「…」

初春「…(ハラハラ)」

白井「…あ、あの…まさか、お姉さま?」

御坂「…」

白井「お姉さま!!」

御坂「…(ガシッ)」

詠矢「(腕を…?)」

御坂「…!(バチッ!!)」

詠矢「ぎゃうぁ(ビクンッ)!!!…ッつつ…」

白井「…!」

初春「…!」

76 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:50:54 ID:5G9V8HbDa.net
御坂「フン…いいわ、このくらいで許してあげる」

詠矢「このくらいって十分痛いんですけど…(ビクビク)」

御坂「気絶しない程度に抑えといたわよ。アンタには聞きたいことがあるし」

詠矢「それは…ご配慮の程痛み入ります…(ビク)」

詠矢「まあ、これで済ましてもらえるなら安いもんだわな」

詠矢「でもなあ御坂サン」

御坂「……何よ」

詠矢「窃盗はよくねえよな?刑法的に」

御坂「…」

77 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:00 ID:5G9V8HbDa.net
詠矢「一応反省しといたほうがいいんじゃねの?」

白井「窃盗?…なんの話ですの?」

御坂「え?…あ…えっと…」

白井「お姉さま…まさかまた…」

詠矢「また…って…常習犯だったのか?」

御坂「…え…って……、た、たまたま小銭が無くて、ちょっと面倒になったから……つい…」

白井「……」

詠矢「……」

御坂「…悪かったわよ…、もう二度とやらない…」

78 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:00 ID:u6Jscuy1d.net
どっせい!

79 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:01 ID:k1WasWGt0.net
甲子園 グラウンド)
大山「いやー、ここが甲子園か。やっと着いたぜ」
打撃練習中(バチッ!、ジーガー…、ゴトン)
大山「ってーと、とりあえずどこ行きゃいいのかね…お?なんか新年早々ベンチにケリ入れてる人が…」
金本「…」
大山「あの人は確か…。おーい!!」
金本「…?(誰よアイツ…見ない顔ね…)」 2
風吹けば名無し 2019/10/09(水) 18:36:45 ID: 大山「いやいや、そこにいらっしゃるのは兄貴、(鉄人:アイアンマン)こと金本知憲さんではないでしょうか?」
金本「だったら何よ…サインならお断りよ」
大山「いやいや、おれも運がいい。球場に来ていきなり会えるとはねえ…」
金本「(何よ、ファンか何か?シカトするに限るわね…こういうのは)」
大山「いやどうも、おれは大山…大山悠輔(オオヤマ ユウスケ)ってもんだよろしくなー」
金本「(はいはい無視無視。相手するとロクな事無いわ)」

80 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:03 ID:YuNr5RmO0.net
ヨメヤソラキファンとかいるのか…

81 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:07 ID:5G9V8HbDa.net
白井「本当ですの?」

御坂「本当だってば…」

白井「そうおっしゃるなら大目に見ますけど…、常盤台のエースともあろうお方が…浅ましい真似は謹んで下さいまし!」

御坂「だから、やらないって言ってるじゃない!もう…」

詠矢「えーっと…、まあ、ジャッジメントの人が大目に見るってんだから、俺がこれ以上何も言うことはねえな」

詠矢「じゃあ、この話は終わりってことで…」

白井「そうですわね…では、本題に移りましょうか」

白井「改めて自己紹介ですわ。わたくしはジャッジメントの白井黒子と申します。詠矢さん、あなたにいくつかお聞きしたいことがあります」

詠矢「なんなりと…。答えられることは答えるぜ」

82 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:10 ID:DLDSeD7Ga.net
どっせい!正拳突き!

83 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:12 ID:h4x7rbTga.net
この能力滝壺と被ってるよね
どっちが先だ

84 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:22 ID:4vJFEHu1M.net
名前がくさすぎる

85 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:31 ID:o4bJbXgv0.net
空から落ちて終わりじゃなかったのかよ草

86 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:34 ID:h0TM6g2Ra.net
白井「では、まずあなたの能力について…」

詠矢「名前は絶対反論(マジレス)…。能力者に対して、論証を立てることによってその能力を変質させる…」

詠矢「さっき説明した通りだね」

白井「もう少し詳しくお願いします」

詠矢「っても…。俺にもよくわかってない部分も多いんだけどな」

詠矢「お二人さんと手合わせしたことで、かなり理解出来た」

御坂「…ていうと?」

詠矢「論証が完全じゃなくても、変質は発生する」

詠矢「ハッタリでも何でも構わない。相手が俺の言うことをある程度認めた時点で、能力が発動するみたいだな」

御坂「でも私の場合、電撃が撃てないって認めた訳じゃないわよ?」

詠矢「まあ、その辺は度合いの問題でさ」

詠矢「完全に認めなくても、対象の心の中『あれ、そうだっけ?』ってレベルのわずかな引っかかりでも作れれば」
詠矢「変質は一定の効果を生む」

白井「…確かに、わたくしもあなたの言葉を聞いてから転移の精度が落ちましたわ」

詠矢「どっかで俺の言葉が引っかかって、能力の精度が落ちたんだろう」

白井「…厄介な能力ですわね…。やはり、パーソナルリアリティに干渉する力…」

87 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:44 ID:h0TM6g2Ra.net
詠矢「いや、それはどうかな?」

詠矢「さっき図書館で一通りのことは調べたんだけど」

詠矢「能力者ってのは、パーソナルリアリティ…『自分だけの現実』を観測して」

詠矢「物理的には起こり得ない超常現象を引き起こす…だっけか?」

白井「そうですわ。学園の能力者は全て個別の現実を持っています」

白井「その現実は能力者によって千差万別…」

詠矢「俺はついさっきまでそんなことは知りもしなかった」

88 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:55 ID:h0TM6g2Ra.net
詠矢「そんな状態で、いきなり干渉する力を得るってのもねえ…」

詠矢「ただ言葉による暗示によって、能力を出させないようにしてるのかもしれないし」

詠矢「解釈としてはどうとでも取れるわな」

御坂「何よあんた。人の能力についてはどうのこうの文句付けるくせに」

御坂「自分の能力は全然適当じゃない」

詠矢「いいんだよ、俺は適当で」

詠矢「同じ能力を持った奴が表れない限り、俺の能力が『論証』される事は無いわけだからな」

白井「なんて自分勝手な…」

詠矢「パーソナルリアリティなんてそもそも自分勝手なもんだ」

詠矢「自分の思いだけで、物理法則だって簡単に捻じ曲げちまうんだからな」

御坂「そういっちゃえばそうだけどさ…なんか釈然としないわね…」

詠矢「ま、能力についてはこれぐらいだな。俺だって知らないことは話せない」

89 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:51:56 ID:YPAF5BRy0.net
久々やな7年前くらいやろ初出

90 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 13:52:00.94 ID:h0TM6g2Ra.net
詠矢「他に何か質問あるかい?」

白井「一通り能力に関しては理解できましたわ。ではお言葉に甘えて、もう一つ…」

詠矢「どうぞ」

白井「学園都市に来られた目的は?」

詠矢「まず第一に、自分の能力をちゃんと確かめる為」

詠矢「さっき説明した通り、俺の能力は能力者がいないと確かめようが無いんでね」

詠矢「んで次に、この能力で出来る事を探すため」

詠矢「以上二点です」

白井「意外と真っ当な理由ですわね…」

詠矢「そんなもんだよ。別に野心とか野望とかねえし…」

御坂「その割には、いきなり突っかかって来たわね…」

詠矢「いや、だからアレはゴメンって。『マジレス』を試すには、能力者と戦うしかなかったもんで…」

詠矢「その辺は白井サンも改めて謝るよ」

91 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 13:52:07.77 ID:CXpCvRTq0.net
>>83
原作読んでないから関係ないぞ

92 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 13:52:07.96 ID:h0TM6g2Ra.net
白井「その話はもうよろしいですわ。こちらも少し強引過ぎましたし…」

御坂「でもさあ、あんたどうやって自分の能力に気づいたの?」

御坂「能力者に会わないと解りようが無いじゃない」

詠矢「あ、それ説明してなかったな。なかなか鋭いね御坂サン」

詠矢「実は俺、能力者に会ったのは御坂さんが初めてじゃないんだ」

詠矢「俺の近所に、学園都市で能力開発してた奴がいてね」

白井「まあ、どちら様ですの?」

詠矢「白井サンも知らないような低レベル能力者らしいんだけどね」

詠矢「で、そいつが帰省で家に帰って来た時に、なんかつまんないことで言い合いになってさ」

詠矢「話の流れで、相手の能力を変質させちまったんだよ…」

93 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 13:52:20.81 ID:h0TM6g2Ra.net
御坂「それで自分の能力に気づいたわけね」

詠矢「そうなんだ。変質はすぐに収まったんだけど、もしかしたらって思ってね」

詠矢「で、ここに来た目的、につながる訳ですよ」

白井「一応、話の筋は通ってますわね」

詠矢「信じるか信じないかはそちらさんの自由だけどね。嘘は言ってねえよ」

詠矢「さて、尋問は以上かな?終わりなら…帰らせてもらっていいかい?」

白井「そうですわね…事情聴取はこれぐらいですわね…」

白井「初春、調書の方はよろしいですの?」

初春「はい、バッチリです…(カタカタ)」

詠矢「へえ、そっちの娘、初春サンっていうのか」

詠矢「俺は詠矢空希ってもんだ。よろしくなー」

初春「あ、はい…どもです…(ペコリ)」

94 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:32 ID:h0TM6g2Ra.net
白井「では、今日はこれでお引取り頂いて結構です。但し!」

白井「次に出頭をお願いすることがあったら、素直に従うように」

詠矢「へいへい」

詠矢「じゃ、部屋に荷物が届くころなんで」

詠矢「そろそろ帰らせてもらうわ。んじゃ…あっと、白井サン」

白井「なんですの?」

詠矢「俺にも一つだけ聞きたいことがあるんだけどさ、いいかな?」

95 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:36 ID:BSnn2d/fd.net
これ全部で8スレ分くらいあるよな

96 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:38 ID:65xbttb+0.net
なんやこれ…

97 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:38 ID:h0TM6g2Ra.net
白井「答えられることなら答えますわ」

詠矢「白井サンの能力。射程はどれくらいなんだい?」

白井「…お答えするのは少し躊躇しますわね」

詠矢「俺のことを信用出来ないのも無理は無いと思うが…」

詠矢「どうしても確認したいことがあってね。頼むよ」

白井「ま、よろしいですわ。わたくしの空間移動の射程は最大81.5m…」

詠矢「当然、直線距離だよな…。なるほど…81.5mか…」

白井「なんですの?」

詠矢「いや、まだアレだな…。話すにはまだ立証が足りないかな…」

白井「…」

98 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:45 ID:h0TM6g2Ra.net
詠矢「んじゃ、皆さんまたなー」

御坂「またって…もう会いたくないんだけど…」

詠矢「まあ、そう言いなさんな。縁があればまた会うさ」

詠矢「そんじゃまた」

佐天「(ガチャ)やっほー、こんにちわー。遊びに来たよー!」

詠矢「…」

御坂「…」

白井「…」

初春「…」

佐天「…」

佐天「(え…何この空気…)」

99 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:53 ID:h0TM6g2Ra.net
初春「…あ…佐天さん…こんにちわ…」

佐天「うん…こんちわ…初春」

詠矢「…んじゃ、入れ違いで失礼するわ」

佐天「えっと…あなた…は…?」

詠矢「容疑者だよ…(ニヤリ)」

佐天「…へ?」

詠矢「…」

佐天「…?(行っちゃった)」

佐天「初春、今の人は?」

初春「ちょっと、事情を聞いていた人…ですね。なんか特殊な能力者みたいで…」

佐天「へえ…能力者…なんだ」

初春「レベルは0みたいなんですけど」

佐天「…ふーん…」

100 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:56 ID:/sq7bgY0a.net
ぐう懐かしい

101 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:52:59 ID:u3OWD41A0.net
くうきよめや

102 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:04 ID:8mSajKx30.net
>>29
クッキー消せば連投できるようになる

103 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:07 ID:9eoerZUea.net
白井「……」

白井「本当レベル0なのかどうかは、本格的な検査を待つ必要がありますけど…」

御坂「どうしたの黒子?さっきからなんか考えてるけど・・・」

白井「あの方がわたくしに聞いたこと、少し気がかりですわね」

御坂「黒子の能力の射程の話?」

白井「ええ、なぜあの情報が必要だったのか…。何も裏が無ければよろしいのですが」

御坂「さあ…何考えてるわかんないヤツだし。確かに気にはなるわね」

白井「…本当に、何も無ければいいのですが…」

104 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:19 ID:9eoerZUea.net
(学生寮 自室)
詠矢「ふう、荷解きはこんなもんかな」

詠矢「やっぱ荷物は少なめにして正解だな」

詠矢「しかし学生寮って言うから、もっとみすぼらしい部屋を覚悟してたんだが」

詠矢「なかなかどうして、立派なモンじゃねえの」

詠矢「ベットもでかいしな…よっと(ゴロン)」

詠矢「(しかし、初日からいろいろあったなあ…)」

詠矢「(流石にちょっと疲れたかな…)」

詠矢「(考えることも増えたしな)」

詠矢「……」

105 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:30 ID:9eoerZUea.net
詠矢「(白井サンの転移の射程は81.5m…)」

詠矢「(俺が飛ばされた橋の上は、それよりはるかに離れた場所だった)」

詠矢「(このことが何を意味するのか…)」

詠矢「(俺が、絶対反論の定義を)」

詠矢「(能力の『変質』だとあえて言った理由)」

詠矢「(ある一点の可能性を考えて、だったが・・・)」

詠矢「(まだ立証する根拠が足りないな)」

詠矢「(だが、もしかすると、もしかするかも知れんねえ…)」

詠矢「(まあ、いいや。また今度考えよう)」

詠矢「(ねむ…)」

詠矢「……」

106 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:34 ID:Iwglfa/s0.net
>>79


107 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:41 ID:9eoerZUea.net
詠矢「……」

詠矢「ん…」

詠矢「あれ…?寝ちまったのか?」

詠矢「うわ、もうこんな時間じゃねえか…」

詠矢「今日中に携帯を変え行くつもりだったのに」

詠矢「まあ、いいか。明日にすれば…」

詠矢「しかし…腹減ったな…」

詠矢「時間も時間だし当然か」

詠矢「今からなんか作るのも面倒だな…」

詠矢「コンビニでも行くか…」

108 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:53:53 ID:9eoerZUea.net
店員「ありがとうございましたー」
詠矢「やっぱコンビニ来ると高く付くなあ」
詠矢「安いスーパー探して、ちゃんと自炊しねえとな」
詠矢「あー腹減った…先に唐翌揚げ食っちまうか(ムグ)」
詠矢「(モグモグ)…」
詠矢「(モグ)…あれ?」
詠矢「寮はどっちだっけか?」

詠矢「えーっと…」

詠矢「うわ…完全に迷っちまったな…」

詠矢「携帯無いといろいろ面倒だなー」

??「ハァ…ハァ…くそっ!!」

詠矢「…?なんか人の声が…?誰かいるのか?」

??「うわっ!…(ドサッ)」

詠矢「?(路地から人か…)。おい、アンタ大丈夫か!?」

109 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:13 ID:ICBHn+V10.net
これ最初のやつしか知らんわ続きあんのか

110 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:26 ID:DofeLIF76.net
何これ有名なの?

111 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:26 ID:9eoerZUea.net
なんでこんなすぐBBX規制されんねん死ねや
au回線で暴れとるガイジおるやろまきこむなや

112 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:33 ID:8mSajKx30.net
したらばのよめやそらき板って2012年に立ったスレばっかで草生える

113 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:37 ID:9eoerZUea.net
??「来るな!!巻き込まれるぞ!!」

詠矢「巻き込むって何の話だよ…ってなんだ、あちこち怪我してるし」

詠矢「これは…火傷か?…まあとりあえず病院行こう。肩貸すぜ…よいしょっと」

??「マズイ追いつかれたか!?。とにかく逃げないと!」

詠矢「へ?なんかヤバイの?…あれ…なんか…熱い?」

??「伏せろ!!」

詠矢「…!!!」

路地の奥から、空間を嘗め尽くすように赤い波が近づいてくる。それは猛烈な熱を伴った炎だ。

詠矢「…!お、おい。なんだありゃ!」

??「くそっ!!(キュイーン!!)」

詠矢「なっ!炎が…消えた!?」

114 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:51 ID:9eoerZUea.net
??「……」

詠矢「…こりゃあんたの言うとおり、逃げるのが正解かね」

詠矢「とりあえず…そうだな、あっちのビルの影にでも隠れよう」

詠矢「上手くいけばやり過ごせるかも知れねえ」

??「いや、あいつらの狙いは俺なんだ。通りすがりの人を巻き込むわけにはいかない」

詠矢「…面白いじゃねえの。そんな台詞、リアルで聞けるとは思わなかったぜ」

詠矢「というわけで、ちょいと関わらせてもらうぜ?」

??「え?って…あんた、何考えてんだって…おい!!」

詠矢「はいそうと決まったらとっとと走る!!」

115 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:54:54 ID:lbhA1ih10.net
いや、よくないっしょ。けいほうてきに

116 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:13 ID:9eoerZUea.net
>>109
ss速報の方でひっそり続けてたんやで

117 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:22 ID:xYDMkyyu0.net
>>105
セリフ分ける意味ある?

118 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:23 ID:9eoerZUea.net
詠矢「…ふう…少し落ち着いたか…」

詠矢「ここは路地からも死角になってる。そうそうは見つからないだろう」

??「…あんた…どうゆうつもりだ…」

詠矢「面白そうだから関わらせてくれって、さっき言わなかったか?」

??「面白くなんかねえよ!これは冗談で踏み込んでいい世界じゃない」

??「相手はこっちの命なんかなんとも思ってないんだ」

詠矢「生きるか死ぬかってんなら、アンタも同じだろ?それを解った上で、俺だけを逃がそうとした」

??「……」

詠矢「そんな人を、見捨てて逃げたくはねえな」

??「…あんた…」

詠矢「そういうこった。ま、数が多い方が生存確率も上がるぜ」

詠矢「とりあえず、情報を整理しようか」

119 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:37 ID:9eoerZUea.net
詠矢「まずは自己紹介からだな。俺は詠矢、詠矢空希ってもんだ…よろしくな」

??「…俺は上条…当麻…だ。よろしく」

詠矢「上条サンねえ…了解」

詠矢「で、順番に行こう。まずはさっきの炎だが…」

詠矢「火炎放射器って訳でも…なさそうだな…」

上条「ああ、そうだ。あれはそんなもんじゃない」

詠矢「じゃあ、やっぱ発火系の能力者かな?」

上条「いや、それも違うんだ。あれは『魔術』だ」

詠矢「…『魔術』!?…って要するに『魔法』のことなのか?」

120 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:47 ID:9eoerZUea.net
詠矢「そんなもん実在するのかよ」

上条「ああ、実在する。科学とはまったく概念の違う力だ」

詠矢「はー…またいきなりな話だな。流石の俺も思考が止まるわ…」

詠矢「まあいい。今そこに突っ込むのは時間の無駄だ。丸呑みにするとしよう」

上条「俺も魔術に関してはあんまり詳しい訳じゃ無いんだ。そうしてくれると助かる」

詠矢「お互い、話が早くていいな。それともう一つ、気になることがな…」

上条「言いたいことは大体わかる。やっぱ説明しといたほうがいいか…」

詠矢「じゃあ、あの消えた炎、やっぱりあんたの『力』なのか?」

上条「俺はレベル0の無能力者だ。ただ…」

上条「この右手には、あらゆる異能を打ち消す力が宿ってるんだ」

詠矢「打ち消すって…能力者の能力もか?」

上条「そうだ。『あらゆる異能』ってのは、魔術も能力も含んでる」

上条「この右手で触れさえすれば、全て打ち消すことが出来ちまうんだ」

121 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:57 ID:9eoerZUea.net
詠矢「はー、そりゃまた…。なんとも問答無用な能力だな」

詠矢「ま、おかげで命拾いしたわけなんだが…」

詠矢「(右手がどうやって異能の力を見分けてるのか)」

詠矢「(触れる、とは言っても、厳密な効果範囲は何処から何処までなのか)」

詠矢「(なんとも『論証』しがいのありそうな能力だねえ…)」

上条「じゃあ、俺も聞いていいか、えっと…」

詠矢「俺のことは詠矢でいい」

上条「そっか。じゃあ詠矢、お前こそ何者なんだ?」

上条「この状況で、まるで緊張感もねえ。それどころか楽しんでるように見える」

上条「まだわかってねえんじゃないのか?相手は本気なんだぞ…」

122 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:55:58 ID:5wlFuTDy0.net
言うてもラノベの登場人物の口調てこんなもんだよな

123 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:08 ID:9eoerZUea.net
詠矢「こんなことは初体験でね。まだ臨場感が足りないのは事実。だが、状況は理解してるつもりだ」

詠矢「それとな、俺にとって知識と経験はそのまま力になる」

詠矢「誰だって、成長を実感してるときは楽しいもんだろ?」

上条「…どういうことだ…全然わかんねえよ」

詠矢「そらそうか。俺の能力説明してねえもんな」

詠矢「俺も能力者だ。が、上条サンと同じレベル0。能力の名は絶対反論(マジレス)」

詠矢「能力に対して論証を…」

詠矢の言葉をさえぎるように、空中に次々と火の玉が浮かぶ。その数は、あっと言う間に目で追える限界を超えた。

上条「くそっ!もう見つかったか!」

詠矢「なんだ、これ…これが敵の攻撃か?」

上条「そうだ、コイツがヤバイんだ…逃げるぞ!!」

詠矢「いかにも襲ってきそうだしねえ…おうさ!」

124 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:15 ID:ggNWb01Za.net
これ草

94 風吹けば名無し 2020/01/15(水) 20:51:21.60 ID:kW4cE7nea
なんて言うんかな
ウシジマくんの債務者にいそうっていうんかな
「SSスレたてくん」みたいな生活送ってそう

125 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:18 ID:9eoerZUea.net
火の玉は躊躇無く彼らに襲い掛かり、次々と炸裂する。

詠矢「うおっ!!爆発とかシャレになってねえぞ!」

上条「だからヤベエつったろ!!」

詠矢「(今のところ逃げ回ってれば何とかなるが、この手数、いずれ追い詰められるな)」

詠矢「なあ上条サン、敵の数は何人かわかるか?」

上条「多分、四〜五人、そのうち一人がこの魔術を使ってる魔術師だ」

詠矢「よし、大した数じゃねえな。ならこっちから攻めに出よう」

上条「そりゃ俺だってそうしたいけど…。逃げるので精一杯だろ!!」

詠矢「確かにまあ…うおっ!!(ドドドドドッ)」

上条「詠矢!俺の後ろに!!」

詠矢「たのむ!!」

上条「こなくそっ!!(キュイーン)大丈夫か!」

詠矢「…いや、助かったぜ。ありがとさん」

詠矢「しかし…このままじゃジリ貧だ。どうしたもんか…」

上条「なんか手があるのか?詠矢」

126 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:27 ID:FRAkkFrF0.net
そういえばss速報VIPってまだ人おるんかな

127 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:32 ID:9eoerZUea.net
詠矢「…上条サン。敵の人数が解ってるってことは、一旦相手と接触したんだよな?」

上条「ああ、攻撃が始まってからしばらくして、何人かに囲まれたんだ」

上条「その中の一人が、炎の魔術を撃ってきて…」

詠矢「なるほど…つまり。奴らには接触する必要があったってことか…」

詠矢「さっきからのこの火球の攻撃、散発的過ぎると思ってたんだ」

上条「この攻撃は奴らの決め手にはならないってことか」

上条「実際、逃げ回ってればなんとかなるわけだからな」

詠矢「そう、その通り。これは敵を追い詰める手段に過ぎない」

詠矢「逆に言えば、こっちが消耗する前に、やっぱり打って出る必要があるな」

詠矢「…」

上条「なんだよ、急に黙って」

詠矢「…上条サン、酷いこと言っていいか?」

上条「なんだ…?」

詠矢「囮になってくれ」

上条「…はい?」

128 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:39 ID:9eoerZUea.net
(空き地)
路地を抜けた奥にある少し開けた場所。鉄骨が組み上がっただけの建設中のビルと、その資材が並べられている。
その中央に一人立つ青年、上条当麻である。

上条「…さあて」

上条「さあ、魔術師、もう弾切れか!?。俺はここにいるぞ!!」

??「……」

影からにじみ出るように現れる5体の人影。それは、ちょうど星形になるように上条の周囲を取り囲む。

魔術師「ついに観念したか。上条当麻」

上条「あきらめてなんかいねえよ。ちょっと追いかけっこに飽きただけだ!」

魔術師「逃げるのをやめたのなら同じこと…。生きて帰れると思うなよ」

上条「やっぱりそうか…」

魔術師「…ん?」

上条「俺を殺したいのなら、さっきの魔術でやればいい」

上条「わざわざ姿を見せたってのは、そうする理由があるからだ」

魔術師「ハッ、何を言うかと思えばその程度の事か。それがわかったとろで何になる」

129 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:50 ID:9eoerZUea.net
魔術師「どの道お前の命が尽きることには変わりはないわ!」

上条「どうかな…お前に俺が倒せるか?」

上条「その炎じゃじゃあステイルの足元にも及ばないぜ!」

魔術師「あのイギリスの魔術師か…。結構、私が劣るというのなら…逃げおおせてみることだな!」

魔術師「……」

魔術師が詠唱を始めると、周囲の兵らしき者が、懐から得物を取り出す。

兵A「…(シャキン)」

兵B「…(シャキン)」

兵C「…(シャキン)」

兵D「…(シャキン)」

上条「(なんだ、武器が変形して伸びた?3mぐらいないか?どうするつもりだ…)」

魔術師「死ねっ!!」

上条「うわっ!!」

130 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:56:59 ID:9eoerZUea.net
魔術師の両手から放たれる一条の炎。それは扇状に広がり、あっという間に上条を包み込む。

上条「…!!(キュイーン)…」

上条「(くそっ!。この炎!!。確かに威力はステイル程じゃないが…」

上条「(効果範囲が広すぎる…。右手じゃ消しきれねえ!!)」

兵A「…(ザッ)」

兵B「…(ザッ)」

兵C「…(ザッ)」

兵D「…(ザッ)」

上条「(距離を…詰めてきやがる…。ダメだ、身動き取れねえ!!)」

詠矢「(ザッザッザッザッ)うりゃあ!!中段蹴りぃ!!」

兵B「…なっ!!」

何処からとも無く走ってきた詠矢の蹴りが、振り返ろうとした兵の脇腹に見事に命中した。

131 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:09 ID:9eoerZUea.net
兵B「…ぐあっ!!…ゲフッ…(ガクッ)」

詠矢「よし、一人無力化…」

魔術師「なんだと!!伏兵か!」

上条「(…魔術が弱まった…集中が途切れたか?今なら抜けられる!)」

上条「…っ!!(ゴロゴロ)」

魔術師「しまっ…た!!」

詠矢「上条サン、大丈夫か!」

上条「ああ、おかげさんでなんとか…」

上条「あと、解ったぜ、奴らの狙いが…」

詠矢「狙い…ってーと?」

上条「魔術の攻撃は、俺を押さえ込むための手段でしかない」

上条「火球や炎で動きを封じて、あの長い武器で範囲外から攻撃するつもりだ」

詠矢「なるほど…魔術では上条サンを倒せないと初めから解ってたんだな…」

詠矢「あの武器…ハルバードってヤツかな…。しかしセコイ作戦だなあ」

魔術師「……」

132 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:17 ID:9eoerZUea.net
詠矢「そこまで解れば話は早い。要するにだ」

詠矢「周りのザコを倒せば、その作戦は成立しなくなる!」

詠矢「上条サン、あの偉そうなヤツは後回しだ。あと一人引き受けるから、残りは頼むぜ!(ザッ)」

上条「勝手にノルマ決めるなよ!まったく…(ザッ)」

上条「さあて…悪いが、しばらく眠っててもらうぜ」

兵D「…(ガシャン)」

上条「…(武器を放した…まさか!)」

兵D「…!(ヒュッ)」

上条「とっ…とととっ!!(ザザッ)」

兵D「なにっ!!避けた、だと!?」

上条「懐から短刀か…あっぶねえ。もうちょっと気づくのが遅かったらヤバかったな」

兵D「貴様、いったい…!」

上条「黙ってろ!(ドカッ)」

兵D「…!!(ゴロゴロゴロ)…(ガクッ)」

133 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:25 ID:9eoerZUea.net
詠矢「(うわ、吹っ飛んだよ。すげえパンチ力だな…)」

詠矢「さあて、こっちも負けてられねえな」

魔術師「やらせんぞ…」

魔術師「やらそんぞーーーーー!!!(ゴオッ)」

上条「うわっ!!!」

詠矢「また炎か!。上条サン!!」

上条「…!!!(キュイーン)…」

詠矢「(ダメだ、炎の効果範囲が広すぎて消しきれてねえ)」

詠矢「(あれが有る限り、まだ相手の有利は覆らない…)」

詠矢「(イチかバチか、やってみるか…)」

134 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:35 ID:9eoerZUea.net
詠矢「おい、そこの魔法使い!!」

魔術師「…私は魔術師だ!」

詠矢「この際どっちでもいい!」

詠矢「魔術だか何だか知らないが、炎を起こしてることには変わりないな」

詠矢「それだけ膨大な火を起こすには、それ相応の可燃物が必要だ」

詠矢「しかもこれだけの範囲に広がるということは」

詠矢「可燃物は気体か液体のはず」

詠矢「見たところ、あんたはボンベもタンクも持ってるようには見えない」

詠矢「そんな大量の可燃物、どっから調達してるだ?」

魔術師「…ハハッ…」

魔術師「ハーッハハハハ!!愚か者め!!」

詠矢「…なんだ?」

魔術師「これは魔術!可燃物など必要ないわ!!」

135 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:41 ID:ICBHn+V10.net
>>79


136 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:42 ID:9eoerZUea.net
魔術師「独自の原理によって生み出される力だ。科学側の前提など関係あるものか!!」

詠矢「な…なんだと!そんなインチキがあるか!」

詠矢「可燃物が必要ねえなんて…じゃあその炎は『燃焼』じゃ無いってのか!」

魔術師「同じ事を何度も言わせるな!。これは純粋な『魔術』の炎だ!」

詠矢「(くそっ!。やっぱりダメか。魔術を論証するには情報が少なすぎる)」

詠矢「(最初の計画通りザコを倒して…)」

魔術師「おっと…お前にも動かれては困るのでな…(スッ)」

詠矢「…!!炎と火球を同時に!」

詠矢「うわっ!!(ドカドカドカッ)」

上条「詠矢ー!!」

詠矢「(ぐっ…やべえ…逃げ回るのにも限界が…)」

詠矢「(諦めるな、諦めるなよ…何か手があるはずだ…)」

137 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:57:50 ID:9eoerZUea.net
魔術師「さあて、仕上げといこうか…」

魔術師「上条当麻…。貴様の首と右腕、貰い受ける」

兵A「…(ジャキン)」

兵C「…(ジャキン)」

詠矢「上条サン!!」

魔術師「…死して我がローマ正教の礎となれ!!」

詠矢「…」

詠矢「…あ?」

詠矢「…お前今なんて言った?」

魔術師「なんだと…?」

詠矢「ローマ正教っていやあ、十字教の一派だよな?」

詠矢「あんたら宗教関係者なのか?」

詠矢「っていうか、風体からして僧侶だよな?」

138 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:01 ID:9eoerZUea.net
魔術師「…?」

詠矢「僧侶がなんで炎なんか撃ってるんだよ」

詠矢「僧侶が使えるのは回復と補助、あと風系の攻撃呪文だけだろうが」

詠矢「世間の常識ひっくり返してんじゃねえよ…」

魔術師「お前は何を言ってるんだ」

詠矢「それに…神ってのは慈愛と許しの象徴だよな?特に一神教はそうだ」

詠矢「その神の使徒である聖職者が、人を傷つけることしか出来ない攻撃魔法を」

詠矢「平気で使ってるんじゃねえよ」

魔術師「な…なんだと…。これは、その教えを守るために」

魔術師「神が我々に与えて下さった力だ!!」

詠矢「じゃあ何か?おまえんとこの教義には」

詠矢「『目的のためには手段は選ぶな』とか」

詠矢「『邪魔なヤツは抹殺してかまわない』とか」

139 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:08 ID:9eoerZUea.net
詠矢「書いてあるってのか?」

詠矢「だとしたらその宗教ってのは」

詠矢「どんでもねえ邪教だなあ!!」

魔術師「な、何を言う!ローマ正教の教義は…!!?」

魔術師「(…なんだ、魔術が…安定しない!!。炎が…消え…る…!)

詠矢「…!?(ちょっとまて、今のはキレてぶちまけただけだぞ)」

詠矢「(これでも効果あるのかよ!?)」

上条「炎が…?弱く…」

詠矢「上条サン!なんだかよくわからんが今だ!」

上条「わかった!!…(ザッ)」

魔術師「あ…慌てるな。詠唱の再構築を…」

上条「遅え!!」

魔術師「…く…そっ…炎よ!(ゴオ)」

上条「この程度…かき消せる!(キュイーン)…弾けろっ!(ドカッ)」

魔術師「ぐふぁぁぁっ!!!(ゴロゴロゴロ)……(ガクッ)」

140 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:23 ID:u6Jscuy1a.net
上条「はあっ…はあっ…」

詠矢「…やったな…上条サン」

詠矢「さあて…残りはあんたらか?」

兵A「…(ガシャン)…(ササッ)」

兵C「…(ガシャン)…(ササッ)」

上条「逃げたか…」

詠矢「正直、助かるな…これ以上はキツイわ…」

上条「休んでるヒマねえぞ。結構な騒ぎになっちまった」

上条「すぐにアンチスキルが来る」

詠矢「なるほど…こっちも退散したほうがよさそうだな」

上条「詠矢、お前も寮生か?」

詠矢「ああ。そうだそうだ、ちょうど迷ってたところなんだわ」

上条「よし、じゃあとりあえず寮まで戻ろう。話はそれからだ」

詠矢「うい、賛成。案内してくんなー」

141 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:29 ID:u6Jscuy1a.net
(窓のないビル)
理事長「わざわざ君のほうから来るとは珍しい」

理事長「なんの用だね?」

土御門「ちょっと確かめたいことがあってな」

土御門「単刀直入に言おう。ヤツの能力…どう見る?」

理事長「新たに発見された原石のことかね?」

理事長「…君こそ、既に対象に接触したようだね」

土御門「ああ、ちょっと前になるがな」

土御門「まさかカミやんに先を越されてるとは思わなかったが…」

土御門「話によれば、魔術にも効果を発揮したらしいぜ?」

理事長「こちらでも情報は掴んでいるさ」

理事長「既に、レベル5である御坂美琴の能力を抑えた実績も有る」

土御門「へえ…あのレールガンをねえ…」

土御門「そこまで知ってて放置してるってのは…何か考えでもあるのか?」

142 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:36 ID:u6Jscuy1a.net
理事長「いや…わからんさ」

土御門「なに?」

理事長「私とて、全てを知っているわけではない。全てを予想できるわけでもない」

理事長「特に彼の能力は未知数で不確定だ。どんな可能性を持っているかもわからない」

理事長「今の段階で、下手に介入するわけにもいかないのでね…」

土御門「だからといって、このままってわけにもいかんだろ?」

理事長「それはわかっている」

理事長「今まで通り監視を続ける。必要とあればこちらからも動く」

土御門「開発部の方で不穏な動きも出ている」

土御門「手遅れにならなきゃいいがな…」

143 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:47 ID:u6Jscuy1a.net
(とある高校)
詠矢「さーて、やっと昼休みか…」
詠矢「いろいろあったけど、どうにか転校初日にまでこぎつけたなあ…」
詠矢「正直生きてるのが不思議なぐらいイベント連発だったけどな」
詠矢「ま、今日のところは最初の挨拶もつつがなく済ませたし、順調な方かな」

詠矢「とりあえずメシだな。やっぱり学食行くのが定番か」
詠矢「えーっと…どこだっけか」
詠矢「なんか俺、昨日からやたらと迷ってないか?」

詠矢「…あれ?あの見覚えのある髪形は…?」

上条「…お、っと…詠矢じゃねえか!」

詠矢「あ、上条サン。ちわす。でもなんでここに?」

上条「そりゃ、同じ寮に住んでるんだから、高校も同じだろう」

詠矢「…そういえばそうか…当たり前だよな」

詠矢「なんせこっちに来たばっかりでねえ…いろいろと勝手がわからなくて」

上条「来たばっかり?…って、お前もしかして転校生なのか?」

詠矢「そうだぜ?ああ、それも説明してなかったか」

詠矢「俺は学園の外から来た。ちょうど上条サンと会った日にね」

詠矢「んで、今日は登校初日ってわけさ」

144 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:58:57 ID:u6Jscuy1a.net
上条「そうなんか…どうりで見たこと無い顔だと思ってたんだよ」

詠矢「まあ、そういうわけで学校の方でもよろしくな。上条サン」
詠矢「で…、そちらのワイルドなお兄さんは?」

上条「へ?…ああ、そうか初対面だよな」
上条「コイツは土御門、俺のクラスのヤツでさ…」

土御門「始めましてだにゃー」
土御門「俺は土御門元春。カミやんのマブダチだぜい」

詠矢「おう、俺は詠矢…詠矢空希ってもんだ。よろしくなー」

土御門「カミやんから聞いたぜい。なんかすごい能力者らしいにゃ」

詠矢「すごいのかどうか俺にもまだわからないけどね…」

土御門「俺は絶対反論(マジレス)だっけか?。聞いたことのない能力だねえ」
土御門「しかも、学園に来たばかりってことは」
土御門「能力開発を受けて無い『原石』ときたもんだ」

詠矢「…」

土御門「自覚があるかどうかわからんが、あんたはすさまじいレアキャラなんだぜい?」

詠矢「情報としては知ってるが…自覚はねえかな…」

土御門「というわけで、そんなレアキャラの詠矢さん、改めてよろしくにゃ」

土御門「カミやんの新しい友達だっていうから、ぜひお近づきにと思ってねい」

145 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:07 ID:u6Jscuy1a.net
詠矢「…友達?…俺がか?」

上条「ああ、そうだよ。まさか違うとか言うつもりじゃねえだろうな?」

詠矢「んー、まあ、それは願っても無いが…」

詠矢「っていうより、大歓迎だな。こちらこそよろしくな、土御門サン(スッ)」

土御門「ああ、(ガシッ)。えーっと、上条がカミやんだから、詠矢はヨメやんでいいかにゃー?」

詠矢「ヨメやん?…ははっ、いいなそれ」

詠矢「なかなか面白いじゃねえの。好きに呼んでくんな」

土御門「じゃあヨメやんだぜい」

詠矢「……」

土御門「どしたね、ヨメやん?」

詠矢「土御門サン、なんか部活やってる?」

土御門「いや、なんもやってないぜい?」

詠矢「じゃあ、学校外で、子供のころからなんかやってるとか?」

土御門「それも無いにゃー…何でそんなこと聞くんだ?」

146 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:18 ID:u6Jscuy1a.net
詠矢「俺もガキの頃からそこそこたしなんでるでわかるんだが…」

詠矢「土御門サン、かなりいい体してるよなあ…」

詠矢「しかも、単純に鍛えただけじゃそんな体にはならない」

土御門「…」

詠矢「格闘技でもやってるんじゃないかなって思ったんだけどね…」

詠矢「変なこと聞いて悪かったな」

土御門「…いやいや、別にかまわんぜい」

上条「お前ら…その辺でいいか?」

上条「早くしないと昼休み終わっちまうぞ」

詠矢「ああ、そうだったな」

詠矢「んじゃ食堂行こうぜ、上条サン。案内よろしく」

上条「よっしゃ、任せとけ!。おい、行くぞ土御門」

土御門「…わかったぜい」

147 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:26 ID:u6Jscuy1a.net
とある高校 食堂)
詠矢「ふう、食った食った…」

上条「なんだよ詠矢、言うほど食ってなかったじゃないか」

詠矢「いやいや、まだ色々と物入りでねえ…」

詠矢「いきなり携帯も変える羽目になっちまったし」

詠矢「いろいろと節約しないとな」

上条「そりゃまあ、引っ越してきたばっかりで大変だろうけどさ」

上条「メシをガマンするのは辛くねえか?」

詠矢「これでも、金額と満足度を最大効率で考えて食ったつもりだぜ」

上条「…いちいち言い回しが解りにくいぞ、お前」

詠矢「それはそうとして、上条サン」

上条「ん、なんだ?」

148 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:33 ID:u6Jscuy1a.net
詠矢「放課後にでもさあ、学校とか町とか案内してくんねえかな?」

詠矢「昨日から迷ってばっかりでさ、いろいろ教えてくれると助かるんだけどなあ…」

上条「それが今日は無理なんだよ。放課後バイトでさ…」

詠矢「なに、バイトですと?」

詠矢「もし空きがあれば、ぜひ俺にも紹介して頂きたいんですが!!」

上条「な、なんだよいきなり。普通のコンビニだぞ?」

詠矢「先ほど申しましたとおり、こっちの財政状態は非常に逼迫しているのです」

詠矢「早いことバイト見つけないとヤバイんだよ」

詠矢「コンビニぐらいがちょうどいいと思ってたとこだし、上条サンと同じ職場だと安心だ」

詠矢「頼むぜ上条サン!」

149 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:43 ID:u6Jscuy1a.net
土御門「ほれほれ、『友達』の頼みだぜカミやん。なんとかしてやんなよ」

上条「あ…ああ、確か今募集してたと思うから…」

上条「店長に話してみるよ…」

詠矢「恩に着るぜ上条サン!じゃあ早速放課後に行くか」

上条「わかったわかった…じゃあ校門で待ち合わせな?」

詠矢「よし、決まりだ。じゃあ、また後でな」
詠矢「土御門サンもまたなー」

土御門「ああ、またにゃー」

詠矢「…(さてと)」
詠矢「(上条サンといると色々繋がってくるねえ)」
詠矢「(しかし…土御門って人、ありゃだだモンじゃねえな…)」
詠矢「(能力への知識、あの体つきと独特の雰囲気)」

詠矢「(修羅場くぐってるタイプって感じだね)」

詠矢「(…あの対応でよかったのかね)」

詠矢「(まあ、隙の無い奴だと思わせといたほうがいいだろうし)」

詠矢「(あんなもんかね…)」

詠矢「おっと予鈴だ…教室戻んねえと…」

150 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:54 ID:glT3L2bna.net
設定練られててそこそこ面白い定期

151 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 13:59:54 ID:u6Jscuy1a.net
(とあるコンビニ)
上条「ありがとうございましたー」

上条「ふう、一段楽したかな…」

詠矢「こっちも品出し終わったぜ」」

上条「おう、お疲れさん」

詠矢「いやあ、感謝するぜ上条サン。いいバイト紹介してくれて」

上条「そうか?普通のコンビニのだろ?」

詠矢「しらばっくれてんじゃねえよ…。ほら、店長がまた集めてくれてるぜ」

上条「ここの店長は廃棄品に甘いからな。少々持って帰っても大丈夫さ」

上条「時給は普通なんだけど、これが助かるんだよなあ」

詠矢「食費が抑えられるってのはありがたいやね」

上条「全部持ってくなよ。廃棄もそれなりに出さないと怒られるらしいから…」

152 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:09 ID:vLc9WMFAa.net
上条「んじゃ、俺は倉庫の片付け行ってくる。レジ頼むぜ」

詠矢「うい。頑張ってなー」

詠矢「…」

詠矢「こっちに来しばらく経ったけど…」

詠矢「なんだかんだで結構知り合いも結構出来たし」

詠矢「バイトも学校も順調だし言うこと無いねえ」

詠矢「青春を謳歌してるってヤツかな!!」

詠矢「…」

詠矢「なんだろうこの一抹の空しさは…」

詠矢「まあいいや、雑誌の整頓でもしとくか…」

153 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:17 ID:vLc9WMFAa.net
??「…」

詠矢「(お、お客さんだ)いらっしゃいませー」

御坂「え!」

詠矢「お、御坂サンじゃねえの。お久しぶりー」

御坂「なんでアンタがここにいるのよ!!」

詠矢「そりゃバイトしてるからに決まってるだろ」

詠矢「ほれ、バッチリ制服も着てるぜ」

御坂「…なんでたまたま寄ったコンビニで…」

御坂「よりにもよってアンタなんかに出会わないといけないのよ!」

御坂「なんの冗談よこれは!」

詠矢「ほら、また会うって言ってただろ?」

詠矢「なんかの縁なんだよ。こういうのもな…」

御坂「そんな縁、チェーンソーかなんかでブチ切ってやりたいわね…」

詠矢「まあまあ、そういうなよ。せっかくだからなんか買っていきな」

154 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:24 ID:vLc9WMFAa.net
御坂「いいわよ、もう。どうせ立ち読みに来ただけだし、ここじゃなくたって…」

上条「詠矢、片付け終わったぜ」

御坂「え…!!」

上条「げ…ビリビリ…」

御坂「あんたねえ、いい加減にその呼び方やめなさいよ!!」

上条「ええ、はいはい、そうでしたね。御坂様」

上条「で、常盤台のお嬢様がこんな場末のコンビニに何の御用ですか?」

御坂「そりゃお客に決まってるでしょ!もっと丁重に対応しなさいよ!」

詠矢「さっき立ち読みに来ただけだって…」

御坂「…(ジロッ)」

詠矢「…なんでもございませんお客様」

155 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:31 ID:vLc9WMFAa.net
詠矢「しかし、お二人が顔見知りだったとは…」

詠矢「上条サンの顔の広さには改めて驚愕だねえ」

上条「知り合いっつーかなんつうか…まあ、いろいろありまして…」

御坂「何よその嫌そうな顔は…」

上条「いえいえ、決してそのようなことは…」

上条「っていうか、詠矢こそ御坂と知り合いなのか?」

詠矢「ああ、まあね…。こっちも少々ありまして…」

御坂「…まあ…ちょっとね」

御坂「じゃなくて!話そらさないでよ!」

御坂「アタシと知り合いなのがそんなに嫌なわけ?」

上条「いえ、決してそのようなことは…」

156 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:42 ID:vLc9WMFAa.net
御坂「じゃあなんでそんな引きつりまくった顔なのよ!(バチッ)」

上条「いや、…そうでなくてですね…ここで電撃を打たれるとですね…店の商品が…」

詠矢「…」

詠矢「仲いいな…あんたら…」

上条「へっ?」

御坂「へっ?」

詠矢「もしかして付き合っちゃってるとか?」

御坂「…!!」

御坂「な…、何言ってんのよ!バッカじゃないの!?なんでアタシがこんなヤツと付き合わないといけないのよ!!」

上条「違うぞ詠矢、それは激しく違う…。ていうかこの状況をみてなぜその結論に達するんだ…」

詠矢「…うわー…」

詠矢「ダメだよそれ、御坂サン」

御坂「…?」

157 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:00:54 ID:vLc9WMFAa.net
詠矢「しゃべり始めのどもり、そしてその後の強すぎる否定。これはほぼ確定なのですよ御坂サン」

御坂「…アンタ何言ってんの?」

詠矢「そう、そしてこれ以上突っ込まないほうがいいのもまた道理」

詠矢「というわけでタワゴトだと思って聞き流してくんな」

御坂「…相変わらずわけわかんないヤツね…」

上条「詠矢が壮大な誤解をしてるようなのは気のせいでしょうか…」

詠矢「いや、もういいよ。この情報はいつか実を結ぶときが来るかもしれない」

詠矢「そのときまで俺の胸にしまっとくよ」

御坂「なんか、明らかにバカにされた気分ね…」

御坂「…フン…(スタスタ)」

158 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:01 ID:vLc9WMFAa.net
上条「帰るのか?買い物はいいのかよ」
御坂「コンビになんて何処でもあるでしょ。わざわざこんな気分の悪いとこで買いたくないわ!」

御坂「…」
詠矢「帰っちまったか…」

上条「どうにか商品は無事だったな…」
上条「ふう…」

詠矢「どした、ため息なんぞついて」

上条「なんでこう、俺の周りのヤツはこんなのばっかりなんだ…」
上条「おかげで、上条さんの毎日はお祭りサバイバルな状態なんすよ!」
上条「俺だって普通に学生生活をエンジョイとかしたいわけでね…」

詠矢「エンジョイってーと?」

上条「そりゃやっぱり恋とか勉学とかを普通にたしなんででだな…」

詠矢「…」
上条「んで、彼女でもつくってさあ、こう…」

詠矢「……いやいや」
詠矢「彼女なら結構な勢いで作れそうなんだが…」

上条「それがさあ…どうにも出会いが無くてなあ…」

詠矢「…上条サン、割と本気で殴っていいか?」

上条「…なんでせうかその物騒な申し出は」

159 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:02 ID:RAYjWFr90.net
出たわね。

160 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:07 ID:vLc9WMFAa.net
(とある街角 夕刻)
詠矢「今日も良く働いたなあ…」

詠矢「さーて、晩飯は確保してるけど、ちょうどいい時間だし」

詠矢「スーパー寄って見切り品でも漁るかねえ」

詠矢「…♪」

詠矢「…お」

詠矢「(女の子が…絡まれてるのか?)」

詠矢「(この最先端の詰まった学園都市で、昭和の風景だねえ)」

詠矢「(しかしまあ、ちと路地の奥とはいえ、こんな往来で…アホじゃねえか?)」

詠矢「(ま、イベントが発生してるんなら積極的に攻めますか)」

161 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:32 ID:mMPvHVsOa.net
不良A「君ぃ、なかなかかわいいねえ…」
不良B「綺麗な髪してるねえ…(サワ)」

??「…!!(髪触られたっ!!)」

不良C「俺たちとどっか遊びに行かない?」

??「いえ…あの…これから用事が…」

不良A「そんなこと言わないでさあ…」

??「あー、はははは…(マズイなあ…)」

??「…(見逃してくれそうに無いなあ…どうしよう)」

詠矢「はいそこの典型的なDQNさんたち!!」

不良A・B・C「あ?」

詠矢「なにしてんのかなあ?」

不良A「ナンダてめえわぁ!!」

佐天「あ…」

詠矢「…あれ?」

佐天「容疑者…さん?」

詠矢「あれま…あの時会った娘か…。こりゃ偶然」

162 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:43 ID:glT3L2bna.net
>>79
ほんとに草

163 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:44 ID:mMPvHVsOa.net
不良A「シカトしてんじゃねえ!!」

詠矢「あ、ゴメンゴメン…つーか俺の質問に答えるのが先だろ、なにやってかって聞いてんだよ」

不良B「なんかテメエに関係あるよかよ!」

詠矢「…あー、もういい。お前らには『質問』の意味から説明してやらないといけねえな、答える気が無いならこっちで判断させてもらう」
詠矢「見たところ、『強引なナンパ』だな」

詠矢「彼女のおびえた表情を見れば理解できる」

佐天「…」

詠矢「面倒なんでお前らの反論を聞く前に確証を取っておく」
詠矢「そこの人、今行われてる同行への誘いは、本人の意思を無視した脅迫や強要をを伴うものかな?」

佐天「…!は、はい!!(コクコク)」
詠矢「はい脅迫が成立です。犯罪だね」

不良C「…ナメてんじゃねえぞてめえ…」

詠矢「ナメてるよ、悪いけど。お前らは所詮その程度の存在だ」

不良C「痛い目見ないとわからねえらしいな…(チャキ)」

詠矢「ナイフ…ねえ…(ジロッ)。まったく…」

詠矢「お前らは単に暴力に禁忌が無いだけのゴロツキだ。それを強いと勘違いしている」
詠矢「そうゆうのは俺が一番嫌いなタイプだ」
詠矢「…手加減しねえから覚悟しとけ…」

164 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:54 ID:lx/nYyr9a.net
こういうラノベ口調に影響を受けてたやつ中学生の時はクラスに1人はいたよな

165 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:01:55 ID:mMPvHVsOa.net
不良C「余裕かましてんじゃねえ!!。そのナメたツラに風穴開けてやる!(ダッ)」

詠矢「武器に任せた突進…そんなもん」

不良C「なにっ!!」

詠矢はナイフをかわすと即座に腕を取り、相手の内側に体を滑り込ませる。

詠矢「一本…」

不良C「…!!」

詠矢「…背負いっと!!(ドサッツ)」

不良C「ぐはっ!」

詠矢「はい、追い討ち!(ドカッツ)」

起き上がる間を与えず、詠矢は踵で相手の鳩尾を思い切り踏み抜いた。

不良C「が、がはっ!がっ!!…!!」

詠矢「まあ、たいがいの人間はこれで悶絶してしばらく動けなくなる」

不良B「てっ、てめえ!!」

詠矢「なーにいまさら驚いてんだよ。勝算もなしにケンカ売るかよ…」

詠矢「被害者の人、今のうちに逃げな!!」

166 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:06 ID:mMPvHVsOa.net
佐天「え?…えっと…(ソロ)…!(ダッ)」

不良B「あっ!!この…」

不良A「…」

不良A「おめえ、俺を完全に怒らせたな…」

不良B「おい、逃げちまったぞ!」

不良A「女のことはもうどうでもいい!!」

不良A「上玉だったんで少々惜しいがな…」

不良A「とりあえず、コイツをぶちのさねえと気が済まねえ」

不良A「後悔させてやるよ!!!!!」

男の怒気が膨れ上がると、突然何の前触れも無く近くにあったブロック塀が粉砕された。

詠矢「…!?」

詠矢「能力者…か…」

167 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:16 ID:mMPvHVsOa.net
不良A「どうだ!謝ってももお遅いぜえ!!」

不良A「俺の能力はレベル3の念動豪腕(インビジムル・アーム)だ!」

詠矢「なるほど…ご大層な名前だが、様子するに念動力(サイコキネシス)の一種だな…」

詠矢「またご丁寧にレベルと名前まで公表とは…」

詠矢「おめでたいヤツだな。ま、バカな自己顕示欲のせいで色々助かるが」

不良A「ケッ、言ってろ!!」

不良A「俺の『腕』で、テメエの体グチャグチャに引き裂いてやるぜ!!」

突然、先ほど壊したブロックの一つが宙に持ち上がる。それは何かに投げられたように詠矢に向かって飛来する。

詠矢「(ガッ)っと!!あぶねえ…」

不良A「頭を掠っただけか…運のいい野郎だ…」

詠矢「(さて、どうしたもんか…単純な能力の論証は意外と難しい…)」

詠矢「(ただ、ヤツが言った名前にヒントがある)」
詠矢「(要するに、両腕とは別の見えない『腕』を想定し、それを使うことによって物体を動かす力)」

詠矢「(そんなところだろうな…)」
詠矢「(では、『論証』に移りますか…)」

168 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:19 ID:4vJFEHu1M.net
>>79
これの続きないんですか?

169 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:27 ID:mMPvHVsOa.net
詠矢「おいお前!!」

不良A「なんだ!」

詠矢「そんなガレキいくら投げても当たらんぜ」

詠矢「それはお前さんご自慢の『腕』で投げてるんだよな?」

詠矢「人間が何かを投げる場合、必ず予備動作が必要だ」

詠矢「振りかぶる、腕を引く。そうやって初めて前に物を飛ばすことが出来る」

詠矢「そんな派手に『腕』動かしてたら…」

詠矢「お前が飛ばす瓦礫の軌道は丸見えだぜ!!」

不良A「な、なんだとこの野郎!!(ブン)」

170 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:40 ID:mMPvHVsOa.net
詠矢「よっと…(ヒョイ)」

不良A「このっ!(ブン)このっ!!(ブン)、野郎ちょこまかと逃げやがって!!」

詠矢「だから当たらねえってんだろ…」
詠矢「それにお前…さっきは引き裂くとか言っときながら…」
詠矢「瓦礫投げてるだけじゃねえか」
詠矢「なぜその『腕』で俺を直接攻撃しない?」

不良A「…」

詠矢「お前の能力…思ったより射程が無いな…?」

不良A「…っ!!て…」

詠矢「図星か…」
詠矢「自分の能力に射程が無いのがわかってるなら」

詠矢「さっさと俺に近づいて首でも絞めれば勝負は既に付いていたかもな」
詠矢「悪いが、お前みたいな考えの無いバカに」
詠矢「俺の絶対反論(マジレス)は絶対に負けない!」

不良A「こ…こんのぉおおおお!!」
不良A「そんなもん、お前だって同じだろうがぁ!」
不良A「近づてこないと、俺は永遠に倒せないぜえ!!(ブン)」

詠矢「(それは確かに言う通りだな)」
詠矢「(ブロックを軽々と投げる腕力で殴られたら、流石にひとたまりも無いだろう)」
詠矢「(だが奴の能力の詳細が分かった以上、切り口はいくらでもある)」
詠矢「(…そろそろ仕上げと行きますか)」

171 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:50 ID:mMPvHVsOa.net
不良A「おるぁ!離れていても攻撃が届く分、おれの方が有利だなあ!!(ブン)…(ブン)」

詠矢「そいつはどうかな?さっきから一発も当たってねえみたいだが?(ヒョイ)」

詠矢「もう少し数を増やして、おれを追い詰めた方がよくねえか?」

詠矢「それとも、出せる腕の数にも限度があるのかな?」

不良A「はっ!なんでそんなことてめえに教えてやる必要がある!」

詠矢「教えてくれないのか…そいつは困ったな」

不良A「だぁが、お望みとあればあ!!」

不良A「ほらほら!増えるぜ!どんどん増えるぜ!(ブン)…(ブン)…(ブン)!!」

不良A「壁をブチ壊せば瓦礫はいくらでも作れる。弾切れ期待しても無駄だぜえ!!」

詠矢「ちょ…っと…増えすぎ…だろ…うおっ!!(ドカッ)」

172 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:02:57 ID:mMPvHVsOa.net
よけきれなかった瓦礫の一つが、詠矢の肩口に命中した。

詠矢「ぐっ…」

不良A「はあい、一発命中…。動きが止まったところで、トドメと行きましょうかあ!!」

男が再度念を込めると、今までとは比べ物にならない数の瓦礫が宙に浮かぶ。

不良A「どおだ…これがお前をミンチにするんだぜ…」

不良A「俺の全力攻撃、食らいやがれ!!」

詠矢「…」

詠矢「…言ったな?(ニヤリ)」

不良A「なに?」

173 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:02 ID:mMPvHVsOa.net
詠矢「お前今『全力』って言ったよな?」

詠矢「全力、ってのは最大限の力ってこと…つまり、上限が設定された言葉だ」

詠矢「つまり、今の状態がお前が出せる『腕』の上限ってことだ…」

不良A「…なに言ってやがる…だからどうした?時間稼ぎのつもりか!!」

詠矢「簡単なことだ。両腕に荷物を持ってる時は…(ザッ)」

詠矢「もう腕は使えないよな?」

不良A「なっ!!…(一瞬で、懐に!!)」

詠矢「今お前は両腕バンザイ状態だ・・・」

詠矢「守りに回す手は…どこにもない…」

不良A「て、てめっ!!(なんでだ!ヤツの動きを)」

詠矢「…ふうっ!!」

不良A「(止められない!!)」

詠矢「どっせい!ボディアッパー!!」

低い位置から捻りだすように放たれた詠矢の拳は、斜め下方向から相手の鳩尾に深々と突き刺さった。

不良A「ごっ…がっはぁあ!!!…ぁ」

174 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:08 ID:mMPvHVsOa.net
詠矢「勝負アリ…だが、コイツはオマケだ…」

崩れ落ちてくる男の顔面に、詠矢渾身の上段正拳が炸裂する。

詠矢「よいしょお!!(ゴキャッツ)」

不良A「がっ…!!!(ガクッ)…(ドシャッ)」

不良B「ウソだろ…あいつが…負けた?」

詠矢「まあ、こんなもんだろ…。それより、逃げねえのか?」

不良B「へっ?…な…!?(瓦礫が…!?)」

詠矢「『持ち主』が気を失えば手に持ったものは落ちてくる。当たり前だわな」

不良B「ちょ、ちょとま…うわ…ギャァァァァアア!!(ドカドカドカドカッ)」

詠矢「巻き込まれたか…ま、微塵も同情する余地はねえな」

詠矢「さあって…とっとと退散しないとマズイんだっけか」

詠矢「忘れずに晩飯を回収してと…」

佐天「…あ…あの、待って下さい!!」

175 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:14 ID:mMPvHVsOa.net
詠矢「あれ?さっきの娘じゃないか…逃げたんじゃなかったのか?」

佐天「そう思ったんですけど…、ほら、逃げちゃうと」

佐天「すぐにお礼言えないじゃないですか」

詠矢「…」

詠矢「そいつはまた見上げた心がけだが…」

詠矢「俺が負けたらどうするつもりだったんだい?礼も何も無いだろう」

佐天「そんときは…ほら…まあ…全力で逃げます!」

詠矢「うわ、それはそれで地味にひでえな…」

佐天「でも、大丈夫だと思ってました」

佐天「聞きましたよ?あの御坂さんや白井さんに…勝っちゃった…とか?」

詠矢「…まあ、そうなるのかねえ…負けなかっただけで勝ったつもりはねえけど」

佐天「そうなんですか?…あ、そうだ。お礼言ってなかった…」

佐天「助けて頂いてありがとうございます!!」

176 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:27 ID:LlVw/waOa.net
詠矢「あー、はいはい、どういたしまして」

佐天「あ…えと…」

詠矢「…」

佐天「…」

詠矢「……」

佐天「……」

詠矢「(あれ?言葉が出ねえな…こういう時どうするんだっけ?)」

詠矢「…えーっと…このパターンは…」

佐天「…?」

詠矢「じゃあ、さ…寮まで送ってこうか?ほら、一人だとマズイっしょ。いろいろ…」

佐天「…あ、はい。よろしくお願いします…」

177 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:31 ID:LlVw/waOa.net
とある街角)
佐天「…」

詠矢「…(さて)」

佐天「…」

詠矢「…(歩いてはいるが)」

佐天「…」

詠矢「…(話すことねえなあ)」

佐天「…」

詠矢「…(空気が重い)」

佐天「…」

詠矢「…(どうしたもんか)」

佐天「…あの」

詠矢「…はいっ!?(ビクッ)」

佐天「そこ左です…」

178 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:38 ID:LlVw/waOa.net
詠矢「あ、はいはい…」

詠矢「…」

佐天「…」

佐天「…えっと…」

詠矢「ん?次はどっちに曲がるのかな?」

佐天「じゃなくてですね…」

佐天「自己紹介、してなかったですね…」

詠矢「ああ、俺もそうか…」

詠矢「俺は詠矢、詠矢空希ってもんだ、よろしくなー」

佐天「佐天、涙子です…。よろしくです!」

詠矢「お、元気な声出たねえ」

佐天「あはは・・・、実はですねえ」

佐天「詠矢さんって怖い人なんじゃないかって思ってたんですよ」

詠矢「俺が?」

佐天「白井さんと御坂さんの話を聞く限りでは…そんな感じで」

179 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:44 ID:LlVw/waOa.net
詠矢「…どんな風に伝わってるのかすごく気になるんですが」

佐天「でも、意外と話しやすい人なんですねえ」

詠矢「ああ…そいつはどうも…ありがとう」

佐天「で…能力者…なんですよね?」

詠矢「そうだね…」

佐天「レベルは0だけど、すごい能力だって…」

詠矢「あのさあ?」

佐天「は、はいっ!」

詠矢「喉渇いてないかな?」

佐天「え…?」

詠矢「ちょいと軽く運動したんでね。ちょうど自販機もある。何がいい?」

佐天「い、いえいえ!私が買います!」

詠矢「いや、でもさすがに女の子に買わせるのもねえ…」

佐天「いーえ、せめてこれぐらいは奢らせて下さい!!」

詠矢「んー、じゃあお願いしちゃうかな…。あ、俺は普通のコーヒーでいいよ」

180 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:47 ID:Wn3LybvOa.net
誰も読んでない定期

181 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:49 ID:LlVw/waOa.net
佐天「はい!じゃあ(チャリン)…えっと(ゴトン)…これで…」

詠矢「うい、どうもー(プシッ)」

佐天「私も何か…(チャリン)…(ゴトン)」

詠矢「じゃあ、話の続きだね」

詠矢「俺は能力者ではあるが、正真正銘レベル0だよ」

詠矢「こないだ、正式な測定ってやつを受けたんだけど」

詠矢「やっぱり数値は検出されなかったよ」

佐天「でも、実際に効果はあるんですよね…」

詠矢「うん。効果は間違いなく有るね」

詠矢「ただ、効果と測定される数値との間にどんな関係が有るのかは」

詠矢「俺にはわからんしね…」

詠矢「レベルってのは目安みたいなもんだし、俺にとっちゃ結構どうでもいいんだよ」

佐天「…」

佐天「…私もね、レベル0なんですよ」

佐天「学園に来て…能力開発とか、自分なりに頑張ってるつもりなんですけど…」

182 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:56 ID:LlVw/waOa.net
佐天「全然数値が上がらなくて…」

詠矢「…」

詠矢「大変なんだねえ…」

詠矢「俺は、気が付いたら能力を持ってたからなあ…」

詠矢「なんの努力もしてないし…なんか悪いな。能天気で」

佐天「いえいえ、そんなつもりで言ったんじゃ…(アセ)」

佐天「ただ、私と同じレベル0で」

佐天「確かな力を持ってるって、どんな人なのかなあって…」

佐天「ちょっと興味があって…」

詠矢「…」

詠矢「…うーん…」

詠矢「ちょっと質問いいかな?」

183 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:03:56 ID:Jz8brieg0.net
けっこうおもしろいよな
他人(アフィ)に儲けを分捕られるのが気に入らん作者、荒らしまくるゴミのせいで廃れた

184 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:05 ID:LlVw/waOa.net
佐天「はい、なんですか?」

詠矢「能力開発ってやったこと無いんだけど…」

詠矢「具体的に何やるのかな?」

佐天「投薬とか、電気刺激とか…。あと普通に勉強もします」

佐天「能力に対して知識を深めることも必要らしくて…」

佐天「でもやっぱり、パーソナルリアリティの獲得には、イメージトレーニングが重要ですね」

詠矢「なるほどねえ…それは解るな」

詠矢「やっぱり能力って、感情や精神から強い影響を受けるみたいだしね」

詠矢「イメージは重要だわな」

佐天「そうなんですよ。私はあんまりその辺が得意じゃなくて…」

詠矢「んー…そうだなあ…」

佐天「…?」

詠矢「佐天サン。レベル0とはいえさ、能力の種類とか起こせる事象とかは解ってるのかな?」

佐天「はい、それは…」

佐天「実は私、前にある事件に関わって…」

185 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:15 ID:LlVw/waOa.net
佐天「一時的に能力が上がったことがあったんです」

詠矢「へえ…そんときに、有る程度確認できたってことか」

佐天「はい…。風を起こす能力なんですけど…、でも力の形を見たのはそれっきりなんですよね」

詠矢「へえ…風ねえ…」

詠矢「じゃあ、俺の天敵になるぞ」

佐天「へ?…そうなんですか?」

詠矢「ああ、俺の能力は、相手の耳に声が届かないと効果がないんだ」

詠矢「風を生む能力ってのは定義が難しいが、恐らく空気か気圧を操作する能力だろう」

詠矢「どっちにしろ、そんな能力者にとって音を遮断することなんて簡単だろうし」

詠矢「声が届かなきゃどうしようもない、俺としちゃお手上げになるね」

佐天「あー、確かにそうなりますねえ」

詠矢「『風』ってよりは『空気の操作』って考える方が効果が広がるな」

詠矢「空気の位置を動かして密度を下げれば気圧も操作出来る」

詠矢「気圧の低下による水の沸点の低下、気化熱による凍結とかコンボも可能だし」

詠矢「単純に顔の周りに真空を作って相手を窒息させたりも出来るな」

186 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:29 ID:u/wSwqtfa.net
詠矢「違う速さの風を作って、任意に揚力を生み出すとかどうだろうか」

佐天「ナルホド…少し考えれば出来ることは色々広がりますねえ」

詠矢「イメージさえ出来れば、意外とやれることは多いと思うんだよね」

詠矢「そうやって、得た能力で何しようとか考えると楽しいだろ?」

詠矢「無邪気にそういうこと考えるのも、トレーニングになったりするんじゃねえのかなあ」

佐天「うーん…そうですねえ…風が操れたら…」

佐天「空とか飛んでみたいですね…気持いいだろうなあ」

詠矢「いいねえいいねえ。そんな感じ」

佐天「あと、風って言えばやっぱり初春の…あ…」

詠矢「…なんだ?」

佐天「いえ、ナンデモアリマセン…

187 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:33 ID:u/wSwqtfa.net
佐天「ああ、でも、実際に風を操るって、どんなふうにやるんでしょうね?」

佐天「具体的なイメージが湧かなくて…」

詠矢「どうなんだろうねえ…」

詠矢「自然の風は気圧差から生まれるものだけど…、イメージしにくいわな」

詠矢「そしたらさあ…こう、空気をつかんでぶん回す感じでどうよ?」

佐天「つかんで…回す…ですか…むむ…」

佐天「目を閉じた方が集中しやすいですよね…ん…」

佐天「(つかんで…回す…、引っ張ったり投げたりもアリかな…)」

佐天「…」

詠矢「…(さあて…、どうかな)」

詠矢「…ん…?(何の音だ?)」

詠矢「…(風音?)」

突如、不自然な風が吹く。それは少女を中心に渦を巻き、集束し、やがて霧散していく。

佐天「…?(ヒュゴゴゴ)…(ヒュ-)」

詠矢「…(消えた…か。だが、今のは確かに!)」

188 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:40 ID:u/wSwqtfa.net
佐天「…あれ…なんか風が…?」

佐天「え!?、まさかそんな急に…?」

佐天「気のせい、ですよね…やっぱり…はは・・・」

詠矢「来たぜ、佐天サン…」

佐天「何がですか?」

詠矢「君のおかげでようやく立証が出来た。ありがとう」

佐天「・・・?あの、話が見えないんですけど…」

詠矢「俺も、自分能力を模索してる最中なのさ。その答えの一つが今出たんだ」

佐天「…は、はあ…出来ればもう少しわかりやすくお願いします…」

詠矢「絶対反論(マジレス)には別の使い方があるんだ…つまり…」

白井「お取り込み中失礼します」

詠矢「…あ…?」

詠矢「…こいつは白井さん、お久しぶり…」

白井「お久しぶりですわね…」

佐天「あ、白井さんじゃないですか。どうしたんですか?」

189 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:45 ID:u/wSwqtfa.net
白井「先ほど、事件がありまして…その対応ですわ」

白井「状況からして、ただの能力者同士の喧嘩だったのですが…」

詠矢「あ…もしかして…」

白井「倒れていた男に供述を取ってみると」

白井「能力の制御がどうのとか、ゴチャゴチャうるさい奴がいたとか…証言が取れまして」

白井「まさかと思って周囲を捜索していたのですが…」

詠矢「…大当たりだねえ…」

白井「そのようですわね」

白井「まさか、佐天さんまで関わっていようとは、思いもよりませんでしたが…」

佐天「あの、もしかして詠矢さんが疑われてるんですか?」

佐天「だったら違います!詠矢さんは私を…助けてくれたんです!」

白井「それはわかっていますわ佐天さん」

白井「あの不良共は、このあたりでは有名な札付きでしたし」

白井「佐天さんがからまれていたことも」

190 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:51 ID:u/wSwqtfa.net
白井「先に手を出したのが向こうであることも、目撃者の証言からも明白です」

詠矢「そこまではっきりしてるんなら、俺に何の用だい?」

詠矢「もしかして用があるのは佐天サンの方とか?」

白井「いいえ、ご用件は詠矢さんにです」

191 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:04:57 ID:u/wSwqtfa.net
白井「容疑が無いとはいえ、加害側からは証言を取っておく必要があります」

白井「それとは別に、詠矢さんに確かめたいことがありますので…」

白井「支部まで出頭願えますこと?」

詠矢「俺に…ねえ…。どうするかねえ…」

白井「悩む必要はございませんわ」

白井「わたくしが申し渡した約束、もうお忘れですか?」

詠矢「…ああ…次に出頭を…だな」

白井「思い出していただければそれで結構ですわ」

白井「では、まいりましょうか?」

詠矢「うい、素直に了解だ。んじゃ、ここでお別れだ佐天サン」

詠矢「送っていけなくてゴメンな?」

佐天「いえ、そんなことは…」

詠矢「じゃ、縁があればまたな…」

佐天「はい…えっと、いろいろとありがとうございます!」

詠矢「うーい。こっちこそありがとう」

192 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:03 ID:u/wSwqtfa.net
詠矢「んじゃ行きますか。白井サン」

白井「では参りましょう…今回も『徒歩』ですわよ?」

(ジャッジメント177支部)
白井「では、調書はこれぐらいでいいでしょう」

詠矢「結構簡単に済んだねえ…」

白井「ええ、状況は既に把握しておりますので」

白井「では、ここからが本題です」

白井「初春、これ以後の記録は必要ありません。手を止めて下さい」

初春「あ、そうなんですか?じゃあ…わかりました」

詠矢「なんだい、またあらたまって…」

白井「あなた相手に、回りくどい話は無駄でしょう」

白井「詠矢さん、わたくしに隠してることはございませんか?」

詠矢「…質問の意味がよくわからんが…?」

白井「では、わかるように、わたくしが気づいた事をお教えしましょう」

詠矢「…気づいた?」

白井「転移の暴発の後、川に落ちたとおっしゃいましたね?」

193 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:09 ID:u/wSwqtfa.net
白井「最初にお会いした路地裏から、わたくしの能力の射程、81.5m…」

白井「その範囲を、地図上で調べてみましたの」

白井「…もうお分かりですか?」

詠矢「ああ…何が言いたいかはわかった…」

詠矢「範囲内には、川なんか無かったってことか」

白井「ええ、その通りですわ」

白井「あなたは、わたくしの能力の限界を超えて転移したことになります」

白井「限界値というものは、能力開発の過程で、綿密な計測のものとで確定します」

白井「いくら暴発したとはいえ、何かの間違いや勢いで超えてしまうものではありません」

白井「ですので…必然的に、原因はあなたの能力ということになります」

194 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:12 ID:KQfAoBMu0.net
こういうの昔は流行ってたな

195 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:20 ID:u/wSwqtfa.net
詠矢「…さすが白井サン…鋭いね…。全部正解だよ」

白井「わたくしの転移限界を知ろうと拘ったのも、そのせいですね」

詠矢「ああ…そいつも正解だな…」

詠矢「能力を実感してから、ずっと考えていたことなんだけどね」

詠矢「俺は能力の定義を『抑制』とは言わず、あえて『変質』と言った…」

詠矢「自分で自分の可能性を潰しちまわないようにな」

白井「ではやはり、絶対反論(マジレス)は、能力の増幅も可能だと…」

詠矢「間違いなく可能だな…。具体的なやり方もなんとなくわかった」

詠矢「否定して思い込ませれば抑制出来るんだから」

詠矢「新しい可能性を指摘し、それを肯定して思い込ませれば増幅が可能だろう」

白井「…また、とてつもなく厄介な能力になりましたわね」

詠矢「そうかい?能力の増幅なんて、使い勝手いいしさ」

詠矢「能力開発に苦労してる人もいるみたいだし、すげえ需要あると思うんだけどねえ」

白井「詠矢さん、あなたはこの学園都市の実情をご存知無さ過ぎます」

白井「絶対能力進化(レベル6シフト)…というのをご存知ですか?」

196 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:34 ID:ENv/mR9ga.net
詠矢「レベル6?…能力のレベルって5までじゃなかったか?」

白井「その存在しないレベル6を作り出すための実験…」

白井「この学園都市の最終目的の一つでもあります」

詠矢「なんか、聞いただけでヤバそうな話だな…」

白井「いまだに、この実験に絡んで暗躍している者がいるという話です」

白井「実際に、私が関わった事件もあります」

詠矢「そういう連中からしてみれば、俺の能力は…魅力的だろうな」

白井「恐らく…そう映るでしょうね」

白井「そのことを解っていただいた上で、あなたにお願いがありますの」

詠矢「忠告ならわかるが…お願いかい?」

白井「ええ…、もしあなたに実験を望む者たちから接触があっても、一切関わらないで頂きたいのです」

詠矢「…なぜ白井サンがそんなことを願うんだい?」

詠矢「理由を聞かせてくれる助かるね」

白井「レベル6シフト実験…それで、とても悲しい思いをした人がいますの」

白井「そのかたに、もう一度同じ思いをして欲しくない…」

197 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:38 ID:ENv/mR9ga.net
詠矢「まあ俺も、ハナから面倒ごとは願い下げだし」

詠矢「白井サンに頼まれるまでもなく、そんな話が来てもこっちからお断りだね」

白井「ならよろしいのですが…ご理解頂いて感謝します」

詠矢「いやなに、別に俺は何もしてない」

詠矢「色々と教えてもらってこっちが礼を言いたいぐらいさ」

詠矢「…さて、話は終わりかな?」

白井「ええ、お話したいことは以上ですわ」

白井「お帰り頂いて結構です」

詠矢「うい…。じゃああっさり帰るぜ」

詠矢「またなー」

198 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:44 ID:ENv/mR9ga.net
初春「…ほんとにあっさり帰っちゃいましたね」

初春「じゃあ、私も帰ります」

白井「お疲れさま…。あら初春、パソコンの電源が入ったままですわよ?」

初春「あ、いいんですよ。実験に参加中なんで…」

白井「実験?」

初春「ええ、ネットワーク上の余剰演算力の活用実験だそうで…」

初春「ネットワーク上に存在するパソコンやゲーム機の余った処理能力を利用して」

初春「どこまで高い演算能力が確保出来るかって実験です」

白井「…ちょっと胡散臭いですわね…。チェーンメールの類ではありませんの?」

初春「いえ、私も最初はそう思ったんですけど…」

初春「学園の開発部から正式な通達みたいで…」

初春「ツリーダイヤグラムには遠く及ばないみたいですけど」

初春「また天気予報が当たるようになればいいなって…」

白井「そうでしたの…なら仕方ありませんわね…」

199 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:50 ID:ENv/mR9ga.net
初春「じゃあ、お先に失礼します」

初春「あ、ちょっと気になったんですけど、あの詠矢って人…」

初春「あれで、ホントに理解してくれたんでしょうか?」

白井「恐らくは大丈夫かと…、考えのない人物では無いと思いますので…」

白井「それに…」

初春「…?」

白井「あの方は、わたくしを傷つけようとはしなかった。やろうと思えば出来たにも関わらず…」

白井「その点では、最低限の信頼を置いてもよろしいかと思います」

初春「…へえ…」

白井「なんですの?」

初春「いえいえ、なんでも…」

200 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:05:57 ID:ENv/mR9ga.net
(とあるコンビニ)
詠矢「ありがとうございましたー」

詠矢「ふう、そろそろ上がりかな?」

詠矢「最後に揚げ物でも用意しとくか…よっと」

詠矢「…(お、誰か来た)…いらっしゃいませー」

佐天「こんにちわー!!」

詠矢「お、佐天サンじゃねえの。しばらくぶり…」

佐天「しばらくって、一週間も経ってないですよお」

佐天「ここでバイトしてるって聞いて、ちょっと寄ってみました!」

詠矢「おうおう、そうかい。まあなんか買っていってくんな」

佐天「いえいえ買い物じゃなくてですね、ちょっとお伝えしたいことが」

詠矢「ん?なんだい?」

佐天「こないだ、また能力の検査をやったんですけど…」

佐天「レベルは相変わらず0のままなんですけど…数値はかなり上がったんですよ!」

詠矢「…へえ…そうなんだ…そいつはよかった…」

佐天「…あれ?あんまり喜んでくれないんですね…」

201 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:02 ID:Jd5VTzYB0.net
これすき

202 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:03 ID:ENv/mR9ga.net
佐天「きっと、詠矢さんのアドバイスのおかげだと思うんですけど…」

詠矢「なあ佐天サン、ちょっとお願いなんだけどさ?」

佐天「…なんですか?」

詠矢「こないだ、俺が能力についてどうこう言った事さ、誰にも言わないで欲しいんだよ」

佐天「えっ?…どうしてですか?」

詠矢「なんかさ…同じ様に能力が上がるんじゃないかって人が来るとさ」

詠矢「面倒だろ?いろいろと…」

佐天「…面倒…なんですか…」

詠矢「こないだのも単なる偶然だと思うし…変に期待されても迷惑だから」

佐天「…詠矢さん…そんな言い方って…」

詠矢「…ま、とりあえずそういうことでお願いしとくよ」

佐天「……はい」

上条「うわっと!…わりい、遅れた!」

詠矢「おお、上条サン待ちくたびれたぜ。早いこと準備してくれ」

203 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:09 ID:ENv/mR9ga.net
佐天「…」

上条「アレ…なんでせうかこの空気は?」

詠矢「つーわけで佐天サン、俺今日は上がりだから…またどっかでな」

佐天「あっ…あの!!」

詠矢「んじゃ、奥で着替えるか…」

佐天「…」

上条「…???」

佐天「…帰ります」

上条「……」

上条「…俺も着替えるか…」

(とある街角 夕刻)
詠矢「さあってと…いつもの通り見切り品漁りコースか…」

詠矢「…」

詠矢「(しかし、さっきは驚いたな。いきなり佐天サンが来るとは)」

詠矢「(まあ、ああ言っておけば、俺のことを誰かに話したりもしないだろ)」

204 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:15 ID:ENv/mR9ga.net
詠矢「(もうちょっと言葉を選べばよかったかもしれんが…)」

詠矢「(色々とヤバイみたいだし、なるべく話が広がらないようにしとかないとね)」

詠矢「(…いろいろと心は痛むけど…まあしょうがない)」

詠矢「(放置すると、彼女自身を巻き込む可能性も出てくるしな)」

詠矢「…ふう…」

詠矢「…なんか飯作るのも面倒だな…」

詠矢「どっかで牛丼でも食って…」

詠矢「…!?(シュン)」


詠矢「うおっ!!(ドガシャッ)」

詠矢「いてて…?なんだ…ここは?」

詠矢「カウンター…テーブル…椅子…。喫茶店かどっかか」

詠矢「この時間に照明も付いてねえ…定休日か潰れた店舗ってとこだな…」

詠矢「いや、問題はそんなことじゃない」

詠矢「なんでいきなりこんな所にいるかって事だ…」

205 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:30 ID:xEyV8wwCa.net
??「あーら、いらっしゃい」

??「っても、店員でもなんでもないんだけど」

詠矢「…こいつは…ずいぶんと刺激的なお姉さんだねえ…」

??「それは誉めてもらってるのかしら?」

??「面倒だろうから、名前は名乗っておくわ」

??「私は結標ってもんさ。アンタを連れて来いってお達しでね」

詠矢「…ついに来たか…。まあ、来て欲しくは無かったけどな」

結標「悪いけど一緒に来てもらうよ」

詠矢「答えは一つ。既に決まっている」

詠矢「とりあえず、今の段階では『やだね』だ」

206 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:39 ID:xEyV8wwCa.net
(とある施設)
冥土帰し「やあアクセラレーター。わざわざすまないね」

一方「ったく…なンだってんだ急に呼び出しなんてよ…」

冥土帰し「開発部からちょっと実験の依頼でね」

一方「実験ン?」

冥土帰し「ああ、君にとっても悪い話ではないようだ」

冥土帰し「悪いが、頼まれてやってくれないかね」

一方「そいつは、実験の中身を聞いてからだ」

一方「俺は俺の判断で決める」

冥土帰し「まあ、君ならそう言うだろうね…」

研究者「では、説明は私からしましょう」

一方「なンだテメエは?」

研究者「私は開発部の者です」

研究者「今回の実験は開発部が主導しておりまして」

研究者「私はその責任者となります」

207 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:46 ID:xEyV8wwCa.net
一方「へえ…そうか…。で、その責任者様が俺に何の用だ?」

研究者「あなたに、新たな演算環境をご用意しました」

一方「演算環境、だと?」

研究者「ええ、ネットワーク上の余剰処理能力を利用した」

研究者「擬似的な並列演算装置の実験ですよ」

研究者「この学園都市には、膨大な数のパソコンや処理装置が存在します」

研究者「それらをネットワーク上でつなぎ合わせれば」

研究者「ミサカネットワークにも引けを取らない演算能力を得ることができます」

一方「おいおい、引けを取らないってことは」

一方「大して変わらねえって事じゃねえか…」

一方「そいつを使うことで、俺に何のメリットがあるってンだ?」

研究者「この都市には、ネットワークの死角がほぼ存在しません」

研究所「地下であろうと移動中であろうと、安定した演算環境が確保できます」

研究者「そしてもう一つ、これを…」

208 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:06:53 ID:xEyV8wwCa.net
一方「ンだ?その懐かしのデザインのヘッドフォンは…」

一方「お偉い研究者さんってのは、アンティーク趣味でもあんのか?」

研究者「いえ、これは端末です。あなたのチョーカーに付いているものと、ほぼ同じ機能を持ちます」

研究者「思考波とのやり取りを必要としないため、高い汎用性を持つ装置です」

研究者「バッテリーも、既存のリチウム電池を使うことが出来ました。交換も容易です」

一方「なるほどねえ…。それなりに魅力的な謳い文句だが…」

一方「世の中、美味い話ってのはなかなかねえもんだ…。テメエらをどうやって信用しろってんだ?」

研究者「そうですね、確かに信用は置けないかもしれません」

研究者「ただ、これも我々なりに考えた結果です」

研究者「あなたとミサカネットワークを切り離すことが出来れば」

研究者「彼女たちに害が及ぶ可能性が下がるはずです」

研究者「あなたとしても、より行動に自由が生まれるのではないでしょうか?」

一方「…」

一方「…この実験が上手くいけば…、あのクソガキのお守りもお役ゴメンってワケか?」

一方「面白いじゃねえか…。試してみるのも悪くねえ」

209 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:02 ID:xEyV8wwCa.net
一方「おい、さっさとそいつをよこせ…」

研究者「どうぞ…。ヘッドフォンのように頭に被って頂ければ結構です」

研究者「装着した後、ケーブルをそこの端子につなぎなおして下さい」

一方「ここか?」

研究者「ええ、それでいいです」

一方「最後に確認しとくが…」

研究者「なんでしょう?」

一方「下手な真似したら…、テメエら全員、天国にも地獄にも行けねえように」

一方「塵一つ残さず消し潰してやるからな…覚えとけよ」

研究者「…もちろん…わかっていますよ…」

研究者「では、回線を開きます」

職員A「…(カタカタ)」

職員B「…(カタカタ)」

一方「…ん…がっ!!(キィン)」

210 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:08 ID:xEyV8wwCa.net
冥土帰し「どうした…アクセラレーター」

研究者「学園第一位の能力者も、意外と甘いようで…」

冥土帰し「なんだって?」

研究者「今、彼の演算は我々の手にある」

研究者「そこから、思考に介入することは容易なのですよ」

冥土帰し「まさか…そのためにこの実験を!?」

冥土帰し「おい、アクセラレター!アクセラレター!!」

一方「…」

研究者「申し訳ありません。彼の信頼を得るために、あなたの名を利用させて頂きました」

研究者「お引取り願いたいところなのですが…」

職員C「…(ジャキ)」

職員D「…(ジャキ)」

冥土帰し「…銃か…またずいぶんと準備がいいものだね」

研究者「口外されてもいささか困るもので。しばらく我々と行動をともにして頂きます」

211 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:17 ID:xEyV8wwCa.net
冥土帰し「…これは、学園都市への明確な反逆行為だ…」

冥土帰し「こうまでして、君たちが望むものとは何かね?」

研究者「ご説明の必要も無いかと思いますが…?」

研究者「神の道へ至る扉の鍵が、集まりつつあるのですよ」

研究者「それがいかに不確定であったとしても…」

研究者「可能性は一つずつ潰していく…それが科学者というものでしょう?」

212 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:29 ID:SnReSw9Ba.net
これこんな長かったの

213 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:38 ID:eAR5rmmQa.net
(とある喫茶店)
結標「『やだね』って…要するに拒否するわけね?」

詠矢「ああ、理由も告げずにただ来いって」

詠矢「そんなもん素直についていくと思うか?」

結標「知らないわよ、理由なんて…」

結標「悪いけど、私だって細かい事情は聞かされてないのよ」

詠矢「話にならんな…。もっかい戻ってだな、その指示したって奴に…」

結標「…(シュン)」

詠矢「(ドスッ)ぐあっ!!…(な、なんだこれ…フォークが肩に…)」

結標「こっちだってガキの使いじゃ無いのよねえ」

結標「面倒なんで、大人しく付いてきてくれない?」

詠矢「(…これ抜かねえと)んっ…んぎぎぎぎっ!!(ザスッ)…痛ってーな」

詠矢「転移能力者…か。いきなり仕掛けるとは容赦ねえなあ…」

詠矢「しかし…いーのかね?」

結標「なによ…」

214 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:40 ID:Iwglfa/s0.net
こんなになげーのかよw

215 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:42 ID:YPAF5BRy0.net
この幻想をぶち殺す!

216 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:49 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「どんな人間でも考えてからそれを実行するまでブランクがある」

詠矢「それがどんなに短い時間でも、その瞬間に俺の体の位置が移動する可能性はあるわな?」

詠矢「肩口を狙ったなら心臓や肺、頚動脈も近い。脳もそう遠くないな…」

詠矢「転移能力者が座標を指定して物体を送り込んでるのは知ってるぜ」

詠矢「何かの間違いで俺が死ねば、アンタの仕事は果たせなくなる」

詠矢「いや、それよりも…」

結標「…?」

詠矢「アンタに人殺しになる覚悟があるのかい?」

結標「…!!(しまった、コイツの話はを聞いては…!!)」

結標「…貴方の話は聞かないわ!!(シュン)」

詠矢「…(今だ!)…(ザッツ)…」

詠矢は後ろに飛びのく。直後、足があった位置に転移してきたフォークが、そのまま床に落下する。

結標「なっ…!! どうして…!?」

詠矢「肩にあててビビらした後は、足を狙って動きを止める…」

詠矢「狙う場所は一番面積の広い大腿部…読めるぜ?」

217 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:57 ID:h+OdKjD6a.net
本編よりは面白い定期

218 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:07:59 ID:eAR5rmmQa.net
結標「やるじゃないの…じゃあコイツはどう?!(シュン)」

結標が懐中電灯を一振りすると、周囲の椅子やテーブルが次々と詠矢の上空に送り込まれる。

詠矢「うおっ!!(ドカッ)…っと(ドカッ)…!!(ドカドカッ)」

詠矢「…くっ…(何とか避けれたか…)」

詠矢「(さて、どっかに隠れて視界から…)うおっ!!(キイン)…(タスタスタス)」

結標「避けきれたと思った?甘いわねえ!!(シュン)」

詠矢「そりゃ…ここじゃフォークは、売るほどあるもんなあ…」

詠矢「っと!!…とり合えず、視界から…消えないとねえ!!」

足元を狙い、床に刺さるフォークを避けつつ、詠矢はカウンターの裏へと体を滑り込ませた。

219 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:09 ID:eAR5rmmQa.net
結標「…ちっ!」

詠矢「(視界外への転移は、さっきの論証でやりにくくなっているはず)」

詠矢「(正確な位置を確認出来ない状況では、俺を殺してしまう可能性が格段に上がるからな)」

詠矢「(ここに隠れてればしばらくは安全だが…、さてこっからどうするか…)」

結標「出てきなさい!どれだけ逃げても隠れても、私の座標転移(ムーブポイント)からは逃れられないわ!」

詠矢「なるほど…。接触を必要としない転移か…厄介だな…」

詠矢「だが、自由すぎる能力ってのも逆に難しい…」

詠矢「形のはっきりしてるものは、転移の指定もやりやすいだろうが…」

詠矢「気体や液体、もしくは飛散した粉末なんかはどうかな?」

結標「…聞かないって言ってるでしょう!!(シュン)」

先ほどと同じように、椅子やテーブルをカウンター裏の上空に転移させる。

詠矢「…がっ!(ドカドカッ)…(ドシャ)」

220 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:20 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「…」

結標「…(仕留めた?)…」

結標「…ねえ…」

結標「返事しなさいよ…潰れちゃった?…」

結標「大人しくするなら、助けてあげなくもないわよ?」

詠矢「…」

結標「…」

詠矢「…運動し、飛散していく物質の全てを指定し、転移させることは難しい。いや出来ないだろうな…」

結標「…なっ!!」

詠矢「つまりは、こういうことだ!!(バッ)」

221 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:30 ID:eAR5rmmQa.net
カウンターを乗り越え、詠矢は姿を現す。その手には…。

結標「(消火器!!)」

詠矢「うりゃ!!(バシュゥゥゥウ)」

結標「ひっ!…(シュン)」

詠矢「ムリだって。全部消しきれるわけねえだろ!!(バシュゥゥゥウ)」

結標「…っ!きゃあぁぁぁあ!!(バシュゥゥ)」

詠矢「(よしっ!ここで集中が途切れる、一気に距離を詰めて!)…どっせい!(上段回し蹴り!)」

結標「んっ!!」

詠矢「(ズルッ)あっ…!!(軸足が!)…(くそっ!浅い!)」

結標「がっ!!…痛ったい…わね!!(シュン)」

詠矢「(消えた!!)…(どこだ!)」

結標「…(シュン)」

詠矢「…(後ろか!!)」

結標「…ふっ!!(ブン)」

222 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:33 ID:Iwglfa/s0.net
このスレで一番読まれてるの>>79説

223 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:39 ID:eAR5rmmQa.net
突然、背後に現れた結標は、手に持った懐中電灯で詠矢の頭部を一閃する。

詠矢「…がふっ!!(ゴッ)…」

結標「…女の…顔…蹴り飛ばすなんて…いい根性してるわね…ウッ(ゴホッ)」

詠矢「そりゃ、お互いさまでしょうが…」

詠矢「しかし、自己転移って手があったんだな…。すっかり忘れてたぜ」

詠矢「…ん?それじゃあ…なんで消火器を向けられたときに逃げなかったんだ?」

結標「…(ゴホゴホッ)」

詠矢「自己転移は使えない、もしくは使いたくない理由でもあるのかな?」

詠矢「そういやあ…ずいぶんと具合悪そうだな…」

結標「っさいわねぇぇええ!!」

224 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:08:53 ID:eAR5rmmQa.net
結標「あんた本気でムカツクわ!!!ぶっ壊してあげるわよ!!(シュンシュン)」

詠矢「よ、あぶねえっての!!(ドカドカッツ)…(キイン)…(タスタスタス)」

詠矢「(無茶苦茶しやがるなあ)…(だが雑な攻撃は逃げ回ってればなんとか…)よっと」

結標「(また…カウンターの裏に)…もおいいわ、上にはあんたの死体を持って行くことにする…」

結標「…!(ブン)」

詠矢「うおっ!!」

一呼吸置いた後、結標大きく腕を振るうと、大量の机と椅子が上空に現れる。

それらは轟音とともに落下し、カウンターとその周囲を完全にを押しつぶした。

結標「…どう?今度こそ本当に潰れた?」

結標「…」

結標「…ああ、無理もないわね。死んじゃったら返事できないもの…」

結標「そうね、死体は確認しておかないと…(シュン)」

山となっている机や椅子を転移で排除すると、結標は押しつぶされたカウンターの裏を覗き込む。

225 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:08 ID:eAR5rmmQa.net
結標「…(居ない?)…どこへ…?…あっ!」

彼女の目に写ったのは、カウンターの奥にづづく厨房、さらにその先にある外側に開け放たれた勝手口だった。

結標「まさか…逃げた…!?って…どこへ…?」

結標「まだそう遠くへは行ってないはず…追えば十分…」

逃走経路を確認しようと、彼女は勝手口まで進む…が、直後。

詠矢「うりゃ!!(ドカッ)」

裏に隠れていた詠矢は、絶妙のタイミングと渾身の力を持って扉を蹴り飛ばした。

結標「がっ!!(バンッ)」

全く予期していない攻撃に、結標の左半身は扉に強く打ちつけられた。

結標「…っつ…くぁ!!」

詠矢「よっ…と」

結標「…な…(組み付かれた!)…(首を…!)」

詠矢「逃げようったって無駄だぜ。今絞めてるのは頸動脈」

詠矢「脳貧血の進行する状態で、演算なんぞ出来るわけねえよなあ!!」

結標「……!!」

226 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:12 ID:SsfsQJUA0.net
何章か知らんけどクッソ長いやつすき

227 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:19 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「悪いな…。そのまま逃げようかと思ったんだが」

詠矢「転移能力者相手に、足で逃げ切れる自信が無かったもんでね…」

詠矢「しばらくオヤスミしといてくれ」

詠矢「(寝かせて…気道確保…)っと…」

詠矢「んじゃ…な。『またな』無しだ」

(とある路地、夜半)
詠矢「まったく…ひでえ目に合ったなあ…」

詠矢「病院行きたいんだが…、この傷、どう説明すりゃいいんだ?」

詠矢「間違いなく事件性が疑われるよなあ…」

詠矢「このナリじゃ、人目に付くとマズイ…。どっかでしばらく休んでジャッジメントに駆け込みかな…」

詠矢「白井サン…アドレス聞いときゃよかったなあ…」

??「…(スッ)」

??「…(スッ)」

詠矢「…?(何だ?囲まれてないか?)」

詠矢「(なんか道の前後を塞がれたんだが)」

228 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:27 ID:MdjZCVi5M.net
こういうの流行ってたのって何年くらい前だっけ

229 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:45 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「(ヤバイ雰囲気しかしねえな)」

詠矢「えーっと、もしかして俺になんか用ですかね?」

職員A「唐突で申し訳ありません。我々は学園都市技術開発部のものです」

職員B「少しご協力をお願いしたいのです」

詠矢「えー…って、まさかの連チャンのお誘いですか?」

詠矢「カンベンしてくださいって…」

職員A「いかがでしょう?ご同行願えますか?」

詠矢「…少なくとも、理由ぐらいは教えてもらえるんですかね?」

職員B「ある実験に参加していただきたいのですよ」

詠矢「あーもう…予備情報どおりの話で泣けてくるねえ…」

詠矢「悪いけど、ちょいと約束がありまして…。丁重にお断りさせて頂きます」

職員A「そうですか…。ですが、こちらとしてもそれで引き下がるわけにもいきませんので…(ジャキ)」

職員B「…(ジャキ)」

詠矢「…(銃!?)…(おいおい、シャレになってねえぞ…)」

職員A「どうですか?お気持ちは変わりませんか?」

230 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:09:56 ID:nIYxUlNza.net
これ途中から別人が書いてるんやっけ

231 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:10:03 ID:eAR5rmmQa.net
>>226
3と8章やな

232 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:10:23 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「…(って、選択する余地ねえだろ、この状況は)」

職員B「我々としては、貴方の『能力』がどうしても必要なのですよ」

詠矢「……」

詠矢「俺の能力を知ってて銃口を向けるとはいい度胸だな…」

職員A「?」

職員B「?」

詠矢「俺の能力は絶賛進化中なんだよ。さっきの戦闘でまた一段と強くなった…」

詠矢「いまや絶対反論(マジレス)は、能力者意外にも高い効果を発揮する…」

詠矢「俺の一言で、誰にでも強い暗示を与えるんだ…。あんたら、その立ち位置じゃあ…」

詠矢「俺が逃げたら同士討ちだぜ?」

職員A「なっ…!」

職員B「なに?」

詠矢「なーんてね…」

詠矢「(と、ひるんだスキに逃げる!!)」

233 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:10:57 ID:eAR5rmmQa.net
>>230
別人が書いたパラレル扱いのやつもあるけどこれら本編は全部同一人物やで

234 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:03 ID:4vJFEHu1M.net
詳しいやつちょいちょいいて草

235 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:09 ID:eAR5rmmQa.net
職員A「しまっ…た!!」

職員B「くそっ、追え!逃がすな!!(ダッ)」

詠矢「(とり合えずまいた、かな?)」

詠矢「(しかしなんなんだあいつらは、街中で銃なんぞ持ち出して)」

詠矢「(まだ諦めたとは思えないな…)」

詠矢「(コイツは逃げ切れないかもな)」

詠矢「(よし)…(今のうちに)…(ポチポチ)…(うっしゃ)」

職員C「いたぞ、こっちだ!」

詠矢「(おいおい、新手かよ…俺一人にどんだけ用意してんだよ!)」

詠矢「くそっ!(ダッ)」

職員A「…(ザッ)」

職員B「…(ザッ)」

詠矢「(マズい…追い込まれてるな…。数で来られるとどうしょうも…)」

詠矢「(いや、諦めるな…どっかに活路が…)」

??「…(キュイーン)」

236 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:23 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「うわっ!!(何だ?地面が急に…隆起した!)」

詠矢「(ドサッ)…(ゴロゴロゴロ)…っつ…何だ急に…」

研究者「てこずらせてくれるね」

研究者「絶対反論(マジレス)の詠矢空希君…」

詠矢「…流石に…ここまでか…な?」

研究者「先に言っておくが、私は能力を持たない一介の研究者だ」

研究者「論証しようとしても無駄だよ」

研究者「それにだね…」

職員A「…(ジャキ)」

職員B「…(ジャキ)」

職員C「…(ジャキ)」

詠矢「(これは、手でも上げといたほうがよさそうだな)…(スッ)」

研究者「いくら君でも、炸薬によって弾丸が発射される原理を否定することは出来まい」

詠矢「…おっしゃる通りで…。なんの物理法則にも抵触してねえもんな…」

詠矢「で…実験の、お手伝いでしたっけか?」

237 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:36 ID:eAR5rmmQa.net
研究者「ああ、彼の論証をお願いしたい」

詠矢「…彼?」

研究者「そうだ、学園第一位の能力者…。神への道にもっとも近い人物だ」

研究者「さあ、こちらへ…」

一方「…」

詠矢「ま…まさか」

詠矢「あんたは…あの時の!!」

238 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:46 ID:eAR5rmmQa.net
(操車場跡地)
詠矢「(さて、まずは状況を理解しよう)」

詠矢「(俺は小物臭い研究者風の男に拉致された)」

詠矢「(目的はレベル6シフト実験で間違いないだろう)」

詠矢「(肩の傷は応急処置を受けた。腹減ったといったらカロリーメイトくれたな)」

詠矢「(だが全快とは言いがたい。全力で活動することは無理だろう)」

詠矢「(で、今現在の場所ですよ)」

詠矢「(見るところだだっ広い、古戦場ですかって雰囲気の廃墟だね)」

詠矢「(構造物や残骸を見るに、鉄道関係の施設跡かな…)」

詠矢「(そこに、命の恩人さんと二人っきりってワケだ)」

研究者『では、ルールを説明しよう』

詠矢「うわっ!どっから音出てるんだ?」

研究者『君の正面に対峙しているのは、学園第一位の能力者、一方通行(アクセラレータ)だ』

研究者『彼の頭部に装着している端末に、マイクとスピーカーが搭載されている』

研究者『彼に向かって話せば、我々と通常に会話することが出来る』

239 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:11:59 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「(端末?…ああ、なんかいかにも『悪の組織の洗脳装置』って感じだね)」

詠矢「ナルホド…要するに普通に話しかけろってことですな…」

詠矢「でも、なんて呼べばいいのかね?面識はあるんだけどロクに話したことなくてな」

詠矢「アクセラレターだから、略してアクセラサンとか?」

詠矢「…なんかマツダの車みてえだな」

詠矢「まあいいや、適当に第一位サンとでも呼んどこう」

研究者『…説明の続きいいかね?』

詠矢「…根本的に納得いってませんが…、お聞きしましょうか…」

研究者『我々の最終目的はレベル6を創造することにある』

研究者『君の力で、アクセラレータの能力を増幅し』

研究者『その高みに彼を導いて欲しい』

詠矢「…おいおい、俺の能力知ってるのか?」

詠矢「適当にツッコミを入れて、他人の能力を変質させるだけだぞ?」

240 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:10 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「そんな大それた事、出来るわけねえだろ?」

研究者『我々は、学園の能力者に関して全て把握している』

研究者『君の能力にも早くから注目し、調査させてもらっている』

研究者『実際に、君に関わって数値が上昇した人物からの証言も取れている』

詠矢「なっ…、どっからその話を!!」

研究者『数値計測を担当した係員からだ。あまり明確な情報ではなかったが…』

研究者『我々が君の能力に対して立てた推論を裏付けるには、十分な証拠だったよ』

詠矢「(そうか…、佐天サン、俺と合う前に話しちまってたか…)」

詠矢「(てーことは…、ヤバイないろいろと)」

詠矢「…」

研究者『沈黙の肯定…と言ったところかな?』

詠矢「よく調べてますねえ…。まあ、実例が有る分、否定は出来ないっすね」

詠矢「だが、実例が有るってだけで、なんの裏付けもない能力です」

詠矢「そんなもんに、研究者サンの人生賭けてもいいんですかね?」

241 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:20 ID:r/eDmy1GM.net
お前ら読んでんとレスして落とさんようにしーや

242 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:20 ID:eAR5rmmQa.net
研究者『構わんさ…。我々とて既に後には引けない』

研究者『たかが私の存在一つ、賭けてもいい実験だと思っている』

詠矢「…狂信者ですねえ…」

研究者『科学、というものにはね、魂を売る価値はあるのだよ』

詠矢「(…ダメだ、説得は聞きそうにねえな)」

詠矢「じゃあ…ついでに聞きますが、俺に拒否する権利は無いっすかね?」

研究者『拒否するのは構わないが、気持ちが変わるまで痛い思いをすることになる』

詠矢「そいつはカンベンだな…」

研究者『なら素直に従ってくれたまえ』

研究者『あまり強情を張るようだと…我々としては』

研究者『君に動いてもらえるよう、他に手を考えなければならない』

研究者『聡明な君なら、これ以上は説明しなくともわかるだろう?』

詠矢「…なるほどね」

詠矢「わかりました…やりゃあいいんでしょ?」

詠矢「どうなるかわかりませんけど、やるだけやってみますよ」

243 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:25 ID:XD8OMmDPa.net
毎秒立てろ

244 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:31 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「ただ、最初にしっかり抗わせてもらいますよ」

詠矢「思いつく限りやってみないと、後で論証に実が入りませんので…」

研究者『好きにしたまえ…』

研究者『ただ、逃げるのは不可能だぞ』

研究者『この封鎖地区は隔壁で取り囲まれている。普通の人間が乗り越えら得る高さではない』

研究者『範囲内には、監視カメラが数箇所配置してある』

研究者『君は常に監視下であることを忘れないでもらいたい』

詠矢「へいへい…よく理解できました…」

詠矢「んじゃ…早速!!(ダッ)」

突然、弾かれたように走り出すと、詠矢は一気に相手との距離を詰める。

245 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:42 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「(恐らく、この端末が元凶…コイツを取れば!!)」

一方「…(スッ)…(キィン)」

詠矢「…うわっ!!(ブワッ)…!!!(ゴロゴロゴロ)…くっそ…(思いっきり吹っ飛ばされた)」

詠矢「なんの…もっかい!!…(ダッ)」

一方「…(キィン)」

詠矢「がはっ!!(なんだ、いきなり腹に衝撃が!!)…ぐがあっ!!(ゴボッ)」

研究者『空気のベクトルを操作して衝撃波を作り出した』

研究者『見事に命中したようだね』

詠矢「…な、なんだよ…静止してるものも操作出来るのか…」

詠矢「そんなもんベクトル変換って呼ぶんですかね?」

研究者『運動量も含めてベクトルなのだよ…』

詠矢「(何だよそれ…。そんなモン単なる念動じゃねえか)」

詠矢「(いや、ベクトルって言葉使ってるってことは)」

詠矢「(下手すると電磁波や光も含まれる…。念動よりはるかに範囲が広い)」

詠矢「要するに、全てのエネルギーを方向や量も含めて操作出来る能力って…ことか…(ゴホッ)」

246 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:12:52 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢「流石第一位…壮大な能力だねえ…」

研究者『理解は出来たかね?なら、実験に移ってもらおうかな』

研究者『彼の能力は、今のところ接触が条件となっている』

研究者『その制限を外す方向で論証してみてくれ』

詠矢「…さあて」

詠矢「(第一位サンは明らかに自由意志を奪われた状態だ)」

詠矢「(つまり、この実験はそもそも望んでないってことだ)」

詠矢「(命の恩人に、仇を返すわけにもいかねえんだが…、今の状態では打つ手がねえ)」

詠矢「(どうする?ここは考えどこだぞ…)」

詠矢「…」

詠矢「…うし…やってやろうじゃねえか!」

研究者『ようやくやる気になってくれたかね』

詠矢「俺の能力でどこまでのことが出来るのか…その上限を試すまたとない機会だからな…」

詠矢「神の道ってのを、開いてみるとしますか!」

詠矢「ただし、論証の手順はこっちで決めさせてもらうぜ?」

247 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:03 ID:eAR5rmmQa.net
研究者『ああ、それは構わないよ』

研究者『今のアクセラレータは、他人の言葉を受け入れやすい状態になっている』

研究者『どのような論理でも、君の能力は最大限に発揮されるだろう』

研究者『さあ、共に、神が生まれる瞬間に立ち会おうじゃないか…』

詠矢「了解…じゃあ早速いきますか」

詠矢「…さあて、第一位サン」

詠矢「あんたの能力は接触が前提らしいが」

詠矢「既にそんな制限は無いも同然じゃねえか?」

詠矢「さっき、俺を捕まえるとき、地面を隆起させてたよな?」

詠矢「そんとき、地面に直接手を触れているようには見えなかった」

詠矢「しっかり靴を履いて地面に立っていたわけだ。だが、それが接触って言えるのか?」

一方「…」

詠矢「その状態ってのは、単にあんたが『接触した』と自覚していたに過ぎない」

詠矢「そうなると、前提なんて限りなく曖昧なもんだ」

詠矢「第一位さんが認識する限り、その範囲は無限に広がっていく」

248 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:14 ID:eAR5rmmQa.net
一方「…(ピク)」

詠矢「おお…反応あるねえ…」

詠矢「第一位サンもなんかノって来たんじゃねえの?」

詠矢「俺もだんだん楽しくなってきたなあ…」

詠矢「んじゃ続けるぜ?」

詠矢「そもそも、大気や地面を動かせるってんなら」

詠矢「そいつら全ては、連続してるといっても過言じゃない」

詠矢「大気が途切れているのは一部の密閉された空間だけだ」

詠矢「地面は、完全に水の上にある浮島意外、全て地表として繋がっている」

詠矢「水だって同じさぁ。水道の蛇口だって、浄水場から河川、さらに海まで繋がっているぜぇ!」

詠矢「この地上すべて!、すなわちこの世界すべて!、あんたの影響が及ばない場所は殆どねえ!!」

一方「…(ゴゴゴゴゴゴ)」

詠矢「全てのエネルギーを統べる能力。まさに神の力と呼べるんじゃねえかなぁ!!」

249 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:14 ID:hdywPqSw0.net
いや、よくないっしょ。刑法的に
はもっと流行ってよかった

250 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:23 ID:eAR5rmmQa.net
(とある施設)
職員A「…被験者の数値、上昇を続けています」

研究者「よし、いいぞいいぞ…このまま順調に行けば…」

冥土帰し「愚かな…、こんなことをしていったい何になるというのだね?」

研究者「わかりませんよ。わからないからこそやるんです」

研究者「レベル6は、全くの未知の領域です。その向こう側を見るための実験なのですよ!」

冥土帰し「(駄目だ…彼らはただレベル6を創造することだけに取り付かれている…)」

冥土帰し「(アクセラレータ、すまない。これは私の不手際だ…)」

冥土帰し「(彼らの真意を見抜くことが出来なかった…)」

冥土帰し「(今はただ…あの詠矢という人物に賭けるしかないのか…)」

職員B「実験場の大気と地面から強い振動が検知されています」

研究者「そうか…。アクセラレタータの力が、周囲の環境に影響を与え始めた証拠だ…」

研究者「引き続き計測を続けろ!」

職員B「はい!」

詠矢『じゃあさあ?』

251 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:31 ID:eAR5rmmQa.net
職員が作業に取り掛かろうとした直後、モニター越しに詠矢の声が響く。

詠矢『次の段階に行くかい?』

詠矢『第一位サンの能力が、実際にどれくらいの範囲に影響を与えられるか…試してみねえ?』

研究者「…?」

詠矢『とりあえず、そうだなあ…。この地面の下の大陸プレートでも、盛大に引っぺがしてもらいましょうか…』

研究者「…なんだと?」

詠矢『震度も計測できないような壮絶な地震が起こるなあ…、流石に日本も滅亡かな?』

研究者「…回線を開け…」

研究者「おい、いったいどうゆうつもりだ!」

研究者「そのまま安定して能力の上昇を導くんだ。余計なことは言うな!」

詠矢『…神が行う、最も壮大で厳粛な行為ってのは、何だと思います?』

研究者「…?」

詠矢『破壊と…創造ですよ…』

研究者「…なに?」

詠矢『だからあ…神の力を得た証拠に、世界を滅ぼしてもらおうってことですよ!』

252 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:37 ID:eAR5rmmQa.net
詠矢『今の第一位サンなら、地震も、津波も、台風も思いのままだ』

詠矢『あ、面倒だったら自転を急停止させてもいいかな』

詠矢『世界中が、一斉に同じ方向に吹っ飛ぶなあ…』

詠矢『どうせ地球自体に干渉できるだろうから、重力とか止めてみるとかね』

詠矢『どうなるか想像もつかないけどねぇ…へへっ』

研究者「な…なんだと!気でも狂ったか!」

詠矢『そりゃまあ…お蔭さんでねぇ…。こんなバカ壮大な論証…正気じゃやってられませんよぉ!!』

研究者「そんなことをすれば、お前も無事では済まないぞ!」

詠矢『あ?なんですか?いまさらビビリましたかぁ?』

詠矢『研究者さんが魂売ってるって言うもんで…俺も命ぐらい賭けてみようかと思いましてねぇ』

詠矢『まあ…実際に賭けるのは全人類の命になっちゃいますけどねえ…』

職員A「被験者の数値、さらに増大しています!」

職員B「振動も更に増大!。地面に亀裂と剥離が発生しています!」

研究者「…?(ゴゴゴゴゴ)…ここまで…振動が…」

253 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:43 ID:eAR5rmmQa.net
研究者「まさか…本気で…」

詠矢『さあ、第一位サン、イメージを広げるんだ!全てを認識するんだ!』

詠矢『もはや世界のすべてはあんたのものだ!!』

詠矢『いいねえ!最高に楽しいねえ!!』

研究者「(おかしい…調査によれば彼はもっと思慮深い人間のはずだ…)」

研究者「(こんな、全てを滅ぼすような行動をとるはずが無い…。まるで何かに酔っているようだ)」

研究者「(まさか…自分の能力に呑まれて…?)」

詠矢『大地と大気が震えてるねえ…』

詠矢『絶対反論(マジレス)と一方通行(アクセラレータ)が共振し合ってるのかねぇ!』

研究者「…(ゴゴゴゴゴゴ)…!」

職員A「…数値は今だ上昇を続けています!…あの…」

研究者「なんだ?」

職員A「このままでは…下手をすると…」

研究者「判断は私がする…黙っていろ…」

254 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:49 ID:eAR5rmmQa.net
職員A「はい…」

研究者「…!(ゴゴゴゴゴゴゴ)…(ガガガガガガガ)」

職員A「…!」

職員B「…!」

研究者「…」

研究者「……くっ!」

研究者「…外部からの音波を遮断するよう、被験者に指示しろ」

研究者「それで、絶対反論(マジレス)の効果を防げる」

職員A「しかし、それでは我々の指示が被験者に…」

研究者「端末のスピーカーから直接伝えられる。遮断するのはあくまで外部の声だ」

職員A「わかりました!(カタカタ)」

研究者「その後、彼を徹底的に痛めつけて黙らせろ。殺しても構わん」

冥土帰し「殺す…?なぜそこまでする必要がある!!」

研究者「うるさい!さっきの論証を見ていただろう!」

研究者「今もうちに始末しておかないと…我々の身が危ういのだよ!!」

255 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:13:56 ID:Y2c1bW2Hp.net
絶対反論(マジレス)

256 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:11 ID:XAEPiZhMa.net
(操車場跡)
詠矢「さあ、頑張ってくれよ、第一位サン!!」

一方「…」

詠矢「(なんだ…反応が薄いな…)…あれ?(周囲の振動が止んだ?)」

一方「…(ガッ)…(キュイン)」

アクセラレータが地面を踏みつけると、その体は一気に加速し、詠矢に向かって突進する。

詠矢「なっ!!(ドカッ)」

大雑把に放たれたアクセラレータの拳が、詠矢の胴体に命中する。

詠矢「…!!ぐおっ!!(ゴロゴロゴロ)…(ドシャッ)」

詠矢「くっ…!!あぁ(いってえ…んでもって速ええ…)」

詠矢「よいしょっと…。ひでえな、第一位サン。いきなり殴ることねえだろ!」

一方「…」

詠矢「(聞いてない…、いや効いてないって言うべきか?)」

詠矢「(音を遮断したな…)」

詠矢「(あのオッサン、小心者ぽかったからなあ)」

257 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:18 ID:XAEPiZhMa.net
詠矢「(派手にビビらせてやればどっかで引くと思ったんだが)」

詠矢「(意外と早く折れたな)」

詠矢「(その上、俺を攻撃してきたってことは)」

詠矢「(実験は半ば諦めたって感じかね)」

詠矢「(さあて、もうひと頑張りだ)」

詠矢「こっからは…俺の全力を持って…逃げる!!(ダッ)」

詠矢「つーか俺ここんとこ逃げてばっかりだなあ!(ダダッ)」

一方「…(スッ)」

アクセラレータが静かに地面に手を置く。すると無数の岩塊が切り出され、それはそのまま詠矢に向かって飛翔する。

詠矢「うおぉおっ!(ドカドカドカッ)」

詠矢「なあんか、避けるのだけは得意になっちまってねえ!!」

詠矢「この程度ならなんとか…よっと!(ドカドカッ)」

一方「…(キュイン)」

詠矢「うおっ!!(一瞬で、目の前に!)」

258 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:25 ID:XAEPiZhMa.net
再び無造作に振るわれた拳が、詠矢の頭部に命中する。

詠矢「がっ!!(ドカッ)…い…ぎ…(ガクッ)」

詠矢「(あの細い腕で、なんて威力だ…)」

詠矢「(しかもあんな適当なパンチが…反応も出来ないスピードで…)」

詠矢「…そうだよな…、ベクトル変換なら、身体能力も何もかも思いのままだな」

詠矢「能力ってのは…、人が普通に積み上げる努力を、軽く追い越しちまうんだなあ…」

詠矢「なんか…心が折れそうになるねえ」

詠矢「ま、俺は諦めねえ…けどな!(ダッ)」

一方「…(スッ)…(キュイーン)」

詠矢「意外とワンパターンだな!ギリギリだが…避けれるぜえ!(ドカドカドカッ)」

一方「…」

詠矢「いよっと!(ドカッ)…まだまだっ!!(ドカドカッ)

一方「…」

一方「……(キュイーン)」

詠矢「なっ!!地面が!!(ズサッ)…(ゴロゴロ)…っきしょ…」

259 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:33 ID:XAEPiZhMa.net
一方「…(シュン)」

転倒した詠矢の傍に、アクセラレータがその能力で一気に距離を詰める。

詠矢「しまっ…!!がはあっ!!(ゴッ)…(バキッ)」

勢いに任せた相手の拳が、詠矢の腹部に突き刺さる。

詠矢「(うおっ!!どっか折れたっ!!)」

骨折の場所を確かめる暇も無く、アクセラレータの攻撃が次々に繰り出される。

詠矢「がっ!」

詠矢「いぎっ!」

詠矢「…っ!!!」

ほぼ全身をくまなく殴打され、最後に止めとばかりに、振りかぶった拳が詠矢の顔面に命中する。

メガネが吹き飛び、破片が皮膚を切り裂く。

詠矢「…が…あっ…(ドサッ)」

詠矢「(あー…ヤベえ…痛み感じなくなってきた…)」

詠矢「(えっと…全身打撲、骨折は恐らく肋骨…、ついでに顔面から出血…)」

260 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:39 ID:XAEPiZhMa.net
詠矢「(視界は…なんとか確保…眼球は無事、かな?)」

詠矢「よっ…と(ゴロン)。仰向けになるのが精一杯か…」

詠矢「…流石に死ぬのかね?」

一方「…」

詠矢「どうせ聞こえてねえんだろうけど…」

詠矢「俺は命乞いをするつもりはねし、あんたらの言うことを聞くつもりもない」

詠矢「可能性は消えてないから…な…」

一方「…」

詠矢「…?」

詠矢「お…」

詠矢「ハッ…ハハッ…」

詠矢「来たぜ…可能性が!!」

261 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:46 ID:XAEPiZhMa.net
(とある施設)
研究者「…なんだ…何を笑っている」

モニター越しに写る詠矢の顔には、不適な笑みが浮かんでいた。

研究者「なぜこの状況で笑える…?」

職員B「……あ…?」

職員B「…3番カメラに…人影が…」

研究者「何?…なんだと?」

研究者「ここには誰も入って来れないはずだぞ!」

職員B「で、ですか確かに写っています!」

研究者「どこだ…ええい、拡大しろ!!」

職員B「はい!」

研究者「…あれは…まさか…まさか!!」

研究者「上条…当麻!!」

262 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:53 ID:XAEPiZhMa.net
(操車場跡)
上条が、空間から突如現れた。すぐ隣には白井黒子がいる。
詠矢の正確な居場所が分からなかったせいか、二人が現れたのは少し離れた場所だった。

上条「詠矢!!大丈夫か!!」

白井「詠矢さん!ご無事ですか!?」

詠矢「タイミングバッチリだな…お二人サン」

詠矢「いい感じでピンチだ…」

一方「…」

上条「なっ…アクセラレータ!お前何やって…!!」

一方「…(スッ)…(キュイーン)」

上条「うおっ!!(風が!!)」

白井「くっ…!(ヒュゴゴゴゴ)」

詠矢「第一位サンは操られてるんだ…、頭に被ってる装置を外して…くれ」

詠矢「上条サン、あんたなら『触れる』はずだ…」

263 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:53 ID:o4bJbXgv0.net
>>231
今何章なんや

264 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:14:59 ID:XAEPiZhMa.net
上条「わかった!!っても…風が…(キュイーン)…(くそっ、近づけねえ!!)」

白井「…接近できれば、よろしいのですね?」

上条「…ん?どうするんだ?」

白井「あなたを傍まで飛ばします。あとは何とかしてくださいまし!」

上条「お、おう!って…ちょっとま…」

白井「…(ガシッ)…(シュン)」

上条「(シュン)おわっ…ととと…(ザッ)」

一方「…!」

アクセラレータは拳を振り上げる。それは明らかに上条の頭部を狙っていた。

上条「こんのぉ!!、目ぇさませ!!(ガッ)」

一瞬の隙を見逃さず、カウンター気味に伸ばされた上条の右手が、アクセラレータの頭に届く。

一方「…!!」

上条「こいつだな?…こんなもんっ!!(キュイーン)…(ガシッ)!!」

上条の右手が、頭部の端末を引き剥がし、同時に接続されていたケーブルを引き抜いた。

265 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:18 ID:gZpnwS3Fa.net
>>263
2章

266 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:23 ID:gZpnwS3Fa.net
一方「…が、あぁぁああっ!!」

一方「…(ガクッ)…(ドサッ)」

詠矢「…よし…これでたぶん…大丈夫だ…」

上条「詠矢!これでいいのか?」

詠矢「ああ、流石上条サン…よくやってくれた…」

上条「っていうかお前、ひでえ怪我じゃねえか!」

詠矢「ああ…まあ、そうなんだよなあ…もうあんまり感じねえんだが…」

上条「おい、それってマズイんじゃねえのか?しっかりしろ!」

詠矢「あー、骨折してるんで動かさないでくれ…。救急車呼んでくれると助かるんだけど…」

上条「ああ、わかった!」

白井「(シュン)…詠矢さん…。また随分な有様ですわね…」

詠矢「まー、なんとか…生きているよ…」

研究者『(ジーッ)…(ガガッ)…なぜだ!!』

投げ捨てられた端末から、研究者の声が響く。

267 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:33 ID:gZpnwS3Fa.net
研究者『なぜだ、なぜここにいる!。幻想殺し(イマジンブレイカー)の上条当麻!!』

白井「わたくしがお連れしました…」

研究者『お前は…ジャッジメントの白井黒子だな?』

研究者『確かに、お前の能力ならここに入ってくることも容易だが…』

詠矢「へー、お二人さんとも結構有名…なんだねえ…」

研究者『そんなことはどうでもいい!!なぜこの場所に来たかと聞いてるんだ!』

詠矢「いやいや、別に難しいことじゃねえさ…」

詠矢「俺が呼んだんだよ、助けてくれってな…」

研究者『なに?いったいいつの間に…』

詠矢「あんたらに捕まる前さ。上条サンにメール打っといたんだよ」

詠矢「『なんかヤバイ事に巻き込まれてる。助けてくれ』」

詠矢「『ジャッジメントの白井黒子って人が協力してくれるはずだ』ってね」

詠矢「御坂サン絡みで、もしかすると知り合いなんじゃねえかと思ってな…まあバクチだったけどさ…」

研究者『…たったそれだけの情報で…ここまでたどり着いたというのか?』

268 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:39 ID:gZpnwS3Fa.net
白井「ジャッジメントの捜査能力を舐めないで頂きたいですわ…」

白井「既にこういう事態は想定済みでしたし」

白井「こちらには別ルートの情報もありましてね…(ピピピピピ)あら…お姉さまですわ」

御坂『ああ、黒子?近くまで来てるんだけど…そっちはどう?』

白井「ええ、予想通り、実験場はここでしたわ…」

御坂『そう、じゃあ私もそっちに行くわ…』

白井「では、今からお迎えに…」

御坂『いーわよ…、入り口ぐらい自分で…作るから!』

御坂「(キイン)…(ビシュゥゥゥン)…!!!」

御坂の放ったレールガンは、操車場跡地を取り囲む隔壁を易々と貫通し、人がゆうに通れる穴を穿った。

詠矢「お?…まさか御坂サン?派手な登場だねえ…」

研究者『御坂美琴まで!!…なぜだ!!』

詠矢「そういえばそうだな…。何で御坂サンが?」

御坂「別にアンタを助けに来たわけじゃないわよ…」

269 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:46 ID:gZpnwS3Fa.net
御坂「いきなりアイツから、黒子の連絡先を教えてくれって言われたときは…」

御坂「何のことかと思ったけど…ね…」

打止「アクセラレータ!!とミサカはミサカは急いで駆け寄ってみたり!(タタッ)」

御坂「この子が私のところに来たから…すぐに理解できたわ…」

御坂「アクセラレータが居なくなったって…。ネットワークにも繋がっていないってね…」

研究者『…』

上条「…詠矢からの連絡」

御坂「この子からの捜索願い…」

白井「そしてネットワーク上の余剰演算実験とレベル6シフト…」

白井「これらの情報をつなぎ合わせれば、この場所を特定するのは難しくはありませんでしたわ…」

研究者『き…貴様ら!』

詠矢「…なんだか一部…わからんとこもあるが…、どっちにしろ…俺の悪運も相当なもんだな…」

詠矢「あの短時間で、これだけのメンバーが集まるんだからなあ…」

上条「それは違うぜ」

270 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:52 ID:vHuZpRMD0.net
>>228
8~9年前

271 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:52 ID:gZpnwS3Fa.net
上条「お前が最後まで諦めずに手を打ったから…。俺に助けを求めてくれたから…」

上条「俺たちはここに辿り着くことが出来たんだ。運なんて簡単なもんじゃねえよ!」

詠矢「…」

詠矢「…ははっ…そうかもな…お褒め頂いて光栄だねぇ…」

白井「…さて」

白井「既に決着は着きました。どこのどなたか存じ上げませんが…」

白井「素直に投降することをお勧めしますわ」

白井「既にアンチスキルにも通報してあります」

白井「あなた方の居場所を突き止めるのも、時間の問題でしょう」

研究者『…』

御坂「そうねえ…」

御坂「一番ヤバイ奴が、復活したみたいだし…」

一方「ん…あ…」

打止「あ、まだ起きちゃダメだってミサカはミサカ心配してみたり!」

272 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:15:57 ID:gZpnwS3Fa.net
一方「…(ザッ)」

おぼつかない足取りで進むと、アクセレータはさっきまで自分の頭にあった端末を拾い上げる。

一方「テメェら…約束…覚えてンだろうなあ…。あぁ!?」

研究者『…!』

研究者『い、いいのか…こっちには人質が…』

一方「…あ?…なんだ?あの医者のことか?」

一方「面白いねえ…爆笑もんだぜ…」

一方「この俺に、人質なんて…通用すると思ってンのか?」

研究者『…なっ!!』

一方「お約束通り…全員残らずブチ殺しにいってやっから…首洗って待ってろやぁあ!!!」

一方「…!!(キイン)」

アクセラレータは怒りのままに地面を踏みつけると、その体は宙を舞い、何処かへと飛び去っていく。

上条「おい!お前殺すって…ダメだろそんなの!!(ダッ)」

上条「あっ…白井!後のことは頼む!(ダダッ)」

273 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:03 ID:gZpnwS3Fa.net
打止「まってよー、アクセラレータ!、とミサカはミサカは届かない思いを叫んでみたり!(タタッ)」

御坂「…あら…みんなまとめて行っちゃったわね…」

御坂「じゃ、私も帰ろうかな…」

白井「あら、お姉さまもですの?」

御坂「まあね…。あの子の依頼は果たせたわけだし、私がここに居る理由はもう無いもの…」

御坂「じゃあ黒子、先に寮に帰るけど…」

御坂「あんたはそこのケガ人の世話があるから、遅くなるでしょう?」

御坂「寮監には私から説明しとくわ」

白井「…お気遣い感謝しますわ。お姉さま…」

御坂「じゃ…ね」

詠矢「…」

白井「…」

詠矢「…」

白井「……」

274 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:11 ID:sPRluT+qa.net
白井「詠矢さん?大丈夫ですの?」

詠矢「ん…ああ…まあ…なんとか…」

詠矢「あ…そうだ白井サン…」

白井「何ですの?」

詠矢「約束守れなくて…ゴメンな?」

白井「…え?」

詠矢「流石に、全く関わるな…ってのは無理だったが…」

詠矢「レベル6…実験は…何とか…阻止したぜ…」

白井「…詠矢さん…あなたまさか…」

白井「そのために…こんな…!」

詠矢「まあ…約束…だし…ねえ」

詠矢「…」

詠矢「…あ…」

白井「…?」

詠矢「…ねむ……」

275 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:17 ID:sPRluT+qa.net
詠矢「…」

詠矢「…(ガクッ)」

白井「詠矢さん?」

白井「…詠矢さん!?」

白井「詠矢さん!!詠矢さん!!」

(とある病院)
詠矢「…ん」

詠矢「…ん?」

詠矢「…(見上げれば…見知らぬ天井…)」

詠矢「あ…っと…どこだ?。まあ…病院か…。定番通りベットの上…だね」

冥土帰し「やあ、目が覚めたかね?」

詠矢「あ、ども…。えっと…」

黄泉帰り「僕は医者だよ。君の治療を担当させてもらった」

詠矢「そうなんですか…そいつはありがとうございます…」

詠矢「お、あれ…?痛みとかないですね…。骨折なんてすぐ直るわけないのに…」

276 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:23 ID:sPRluT+qa.net
冥土帰し「僕の全力を持って治療させてもらったよ。体のほうはもう問題ないはずだ」

冥土帰し「頭を強く打ってるから、念のためしばらく入院してもらうがね…」

詠矢「はー、流石学園都市のお医者さんだ…すごいっすねえ…」

黄泉帰り「いや、君もなかなかのものだよ」

詠矢「俺が…っすか?」

冥土帰し「僕はね、あの研究者に軟禁されていたんだ」

冥土帰し「モニター越しに、君の事は見ていよ」

詠矢「あー、そうなんですか…ちょっと恥ずかしいっですね」

冥土帰し「論証…というのか…かなり特殊な能力のようだが…また無茶をしたものだね」

詠矢「まあ、無茶でもないんですけどね。あの論証じゃあ、大事には至らないだろうと思ってましたので…」

冥土帰し「ほう、何か確信があったのかね?」

詠矢「そりゃまあ、俺だって死にたくないですから…」

詠矢「論証の前提が『認識できる』って事にしといたんで」

詠矢「そんな広い範囲に影響は出ないと思ってました」

277 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:29 ID:sPRluT+qa.net
詠矢「一個人が認識できる範囲なんてたかが知れてますから。全世界を巻き込むようなことは恐らく出来ないだろうって」

冥土帰し「…なるほど…、論旨の中に、既に限定条件が含まれていたわけだ」

詠矢「そういうことです。まあ、相手を引かせるのが目的でしたから」

詠矢「世界をー、とか、人類がー、とか、派手に吹きましたけどねえ…」

冥土帰し「…すべて計算ずくだったということかね…」

冥土帰し「やはりなかなかのものだよ…君は」

冥土帰し「…そうだ、君の渡すものがあってね…受け取ってくれたまえ…」

詠矢「え?って…メガネと…スマホ?」

冥土帰し「あのジャッジメントの女の子が回収してくれていたみたいだね」

詠矢「ありがとうございます!いやー、これは最後にメール打った後、その辺に投げ捨てたんで…」

詠矢「まさか戻ってくるとは思いませんでした…って…あれ?これ新品じゃないですか?」

冥土帰し「ああ、こちらで用意して、データを移し変えておいたよ」

278 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:36 ID:sPRluT+qa.net
冥土帰し「今回の件は僕の不手際があってね…出来る限りのことはさせてもらうよ」

詠矢「えーっと、まあ…よく解りませけど遠慮なく…ありがとうございます」

冥土帰し「気にすることはないよ…おっと(プルルルル)内線だ…」

冥土帰し「(ガチャ)はい、僕だ…何かね?…ほう…」

冥土帰し「詠矢君、君に面会のようだ…通してもいいかね?」

詠矢「え、俺にですか?…はい…いいですよ」

冥土帰し「わかった…では、案内してくるよ…」

詠矢「(面会って…誰だろ?…もしかして…)」

土御門「やあヨメやん、大変だったにゃあ」

詠矢「…」

詠矢「…ここはコケていいとこですか?」

土御門「…?」

詠矢「だってこの展開だったら、来るのは女の子でしょうが!!」

土御門「…ヨメやん、現実はそう甘くないんだぜい」

土御門「で、どうだい体の方は?」

279 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:42 ID:sPRluT+qa.net
詠矢「信じられない速度で回復したよ。そちらのお医者さんのおかげでね」

土御門「なら良かった…。実は、ヨメやんに話があってな」

土御門「来てもらいたいとこがあるんだが…」

詠矢「…なんだよ…またあらたまって…。体の方は大丈夫そうなんだけど…(チラッ)」

冥土帰し「しばらく安静にしておいた方が、といいたいところだが…」

冥土帰し「短時間出歩く分には問題ないよ」

詠矢「あ、許可が出ちゃいましたか…じゃあどうしますかねえ…」

土御門「ちょっと合ってもらいたい人がいるんだけどにゃあ…」

土御門「あ、そうそう、待望の女の子も来てるぜい」

詠矢「…女の子?」

結標「…」

詠矢「あ…えっと…その節はどうも…」

詠矢「結び目サン…だっけ?」

結標「結標よ!!まったく…」

280 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:47 ID:sPRluT+qa.net
結標「あなた、小難しいこと言う割には、あんまり頭良くないんじゃないの?」

土御門「まあまあ、その辺にしとけ結標」

詠矢「お二人さん…お知り合いってことか…」

土御門「結標は仕事の同僚なんだぜい」

詠矢「仕事…ねえ…まあ、色々ツッコミたい所はあるが…丸呑みしとくわ…」

結標「だいたいねえ、あなたが素直についてくれば」

結標「こんな面倒なことにはならなかったのよ?」

詠矢「……はい?」

土御門「その辺もまとめて説明するにゃあ。どうだい、来てくれないか?」

詠矢「そこまで引っ張られたら行かんわけにいかんでしょ…」

土御門「よし、じゃあ決まりだ。早速行こうぜヨメやん」

281 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:53 ID:sPRluT+qa.net
(窓の無いビル)
理事長「よく来たね、詠矢空希君…」

理事長「私は学園都市の統括理事長、アレイスター・クロウリーだ」

詠矢「…あー…ども…」

詠矢「…(浮いてる…しかも逆さに)…」

詠矢「あの、大丈夫ですか?頭に血上ったりしません?」

理事長「君に心配してもらう必要はないよ」

理事長「それとも、私まで論証して見せようという魂胆かね?」

詠矢「いえいえいえいえいえ、滅相もございません…」

詠矢「(やろうと思えば突っ込みどころ満載なんだけどねえ…。やめといたほうがいいだろうな)」

詠矢「えーっと…土御門サン。まだ用件を聞いてないんだけどさ…」

土御門「そうだったな…。統括理事長がヨメやんに話があるそうだ」

詠矢「…なるほど。えー、では、拝聴させて頂きます」

282 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:16:54 ID:Y2RTzafo0.net
http://riceballman.fc2web.com/AA-Illust/Data/YomeyaSoraki.jpg
ご尊顔

283 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:00 ID:jHFKtkpsa.net
理事長「うむ…。君の能力について、一つ忠告があってね」

理事長「論証によって対象の能力を変質させる…極めて特殊な能力だ」

理事長「未知の領域を多く残した能力ともいえる反面…」

理事長「その効果は不確定で、そして不安定だ…。『増幅』については…特にね」

詠矢「…不確定なのは自覚ありましたけど…不安定…ですか…」

理事長「そうだ、むやみに増幅の能力を使えば、どんな影響や反動が出るかも解らない」

理事長「暴走する可能性もある」

詠矢「…」

理事長「そういった、多くの危険をはらむ増幅の論証は、自重してもらいたのだ」

詠矢「…えーっと…まあ」

詠矢「なんというか、意外と普通に忠告なんですね…」

詠矢「ま、理事長サンからの直々のお願いなら、聞かないわけにもいかないでしょうし…」

詠矢「俺もいろいろとヤバイと思ってたところですので…。素直に承ります」

理事長「理解が早くて助かるな…」

284 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:07 ID:jHFKtkpsa.net
理事長「この学園都市には、既に中止されているレベル6シフト実験を企てるものがまだいる」

理事長「私と君が接触したことを知れば、彼らも手を出しづらくなるだろう」

理事長「今回のような件に巻き込まれることは、恐らくもうないだろう…」

詠矢「あ…もしかして…。結標サンが迎えに来た理由って…」

土御門「技術部に不審な動きがあったことは掴んでいた」

土御門「先回りして、ヨメやんを保護しようと回収に行った…らしい」

詠矢「らしいって…土御門サンは知らなかったのかい?」

土御門「結標が直接組織から指示を受けていたらしくてな…。俺は聞いていなかった」

詠矢「じゃあ、さっき言ってた、素直に来てればってのは…」

理事長「君といち早く接触する為に、組織を通じて彼女に動いてもらった」

詠矢「先に接触してれば…、あの研究者も手を引いていたかも…ですか?」

理事長「それでも彼らが実験を強行した可能性も捨てきれないが…」

理事長「中止する可能性も高かっただろうね」

285 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:20 ID:jHFKtkpsa.net
詠矢「…」

詠矢「…いやいやいやいや」

詠矢「なんか俺が悪いみたいな空気ですけど。そりゃ違うんじゃないですか?」

詠矢「そりゃ、案内役の人にちゃんと事情を話とかないと…」

詠矢「俺だって素直に着いてけないっすよ」

詠矢「ただでさえレベル6実験の話を聞いてて、こっちは警戒してるんですから」

理事長「…」

土御門「ははっ…アレイスター。今回ばかりは、お前の秘密主義が裏目に出たようだな」

土御門「ヨメやんの言ってることはもっともだぜ?」

理事長「…そのようだな」

詠矢「…まあ…済んだことですので別にいいですけどね」

詠矢「こっちは、恩人に恩を返せたかなと思ってるんで、結果オーライですし」

理事長「そういってくれると助かる…」

理事長「私からの話は以上だ。君が納得してくれればそれでいい…」

詠矢「はい、まあ…納得はしました」

286 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:23 ID:kZCeBZsSM.net
長すぎ定期

287 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:26 ID:jHFKtkpsa.net
詠矢「ただ、こっちからも一つお願いが」

理事長「なんだね?」

詠矢「俺の『増幅』の力なんですが…」

詠矢「どうしょうもなくヤバくて、それを使わざるを得ない状況になったとき」

詠矢「俺の判断で使わせてもらっていいですか?」

理事長「…それはどんな状況かね?」

詠矢「まあ…かっこつけるわけじゃないですけど…」

詠矢「自分の命とか、この学園都市とか、俺の周りの人たちとか」

詠矢「守りたいものを守らなきゃいけないとき…ですかね?」

理事長「…いいだろう…その時点での判断は君に任せるよ」

理事長「ただ…この学園で私の目が届かない場所はない。そのことを忘れないようにね」

詠矢「わかりました…、ありがとうございます…」

土御門「ヨメやん…言ったねえ…」

詠矢「いや、蒸し返えさんでくれ…かなり恥ずかしいんだから…」

土御門「話は終わったようだな。アレイスター」

288 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:32 ID:jHFKtkpsa.net
理事長「ああ。引き上げてもらって構わないよ」

詠矢「んじゃ、失礼しまっす…」

(とある街角)
結標「…(シュン)」

詠矢「っとと…」

土御門「…よ」

詠矢「ふう…さて、どうするかね」

土御門「解散かにゃあ?」

結標「仕事も終わりだし…いいんじゃないの?それで」

詠矢「んーそうさな」

詠矢「まあ病院もそう遠くねえみたいだし。歩いて戻るか」

詠矢「んじゃ…二人ともまたなー」

詠矢「…(テクテク)」

詠矢「…(ふーむ)」

詠矢「…(ようやく考えがまとまり出したな)」

289 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:39 ID:jHFKtkpsa.net
詠矢「(恐らく…理事長サン最初から俺と接触する気は無かったんだろう)」

詠矢「(俺を連れて来るつもりなら、面識のある土御門サンを使いに出すほうが確実だ)」

詠矢「(わざわざ結標サンを使うのは無理がある…)」

詠矢「(となると、あえて実験をを止める気はなかった…ってことになるな)」

詠矢「(俺の能力では、レベル6が生み出せないことを見越した上でね…)」

詠矢「(実験が失敗に終われば、次に同じ事を考える奴は居なくなる)」

詠矢「(抑止としては、より効果が高いから…ってとこだろうな)」

詠矢「(まあ、いまさら確認も出来んし、口外する意味もねえから)」

詠矢「(この考えは俺の頭の中にしまっとくか…)」

土御門「…ヨメやん…考え事かにゃあ?」

詠矢「うをわっ!!びっくりしたぁ!」

290 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:45 ID:jHFKtkpsa.net
詠矢「あれ、土御門サン、解散じゃなかったっけ?」

土御門「そりゃ、まだ治療中のヨメやんが心配になってねえ」

詠矢「あー、そりゃどうも…」

土御門「それより…随分と考え込んでいたみたいだけど?」

詠矢「いやいや…まあ、色々とあったんで、整理をね…」

土御門「整理…ねえ…」

詠矢「そうそう…」

土御門「それだけか?」

詠矢「…まあ」

詠矢「…あんまり突っ込まんでくれい」

291 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:17:51 ID:jHFKtkpsa.net
土御門「…」

土御門「…ははっ」

土御門「そうだな、そうしとくか」

詠矢「…すまんね」

土御門「なあヨメやん」

詠矢「お、おう!なんでい」

土御門「病院まで送ってくぜい」

詠矢「…いやー、実は場所がよくわからなくてねえ」

詠矢「助かるぜ土御門サン」

292 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:05 ID:K3dR3hsYa.net
(とある中学校)
佐天「…はあ」

下校時間はとうに過ぎた夕暮れ。佐天涙子は、下駄箱で靴を履き替えながら小さくため息をつく。

佐天「(詠矢さん…あれから会えてないなあ…)」

佐天「(あのコンビニに行っていないし…どうしちゃったんだろ)」

佐天「(会って何するってわけでもないけど…)」

佐天「(あのままっていうのもなあ…)」

佐天「…はあ…」

初春「…どうしたんですか佐天さん」

佐天「あ…、初春」

初春「なんだか最近元気ないですねえ」

佐天「えー、っと…そうでもない…よ?」

初春「そうなんですか?ここんとこ支部にも来ないですし…」

佐天「確かに行ってないなあ…。支部…?」

佐天「(そうだ、ジャッジメントなら…何か知ってるかも)」

293 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:11 ID:K3dR3hsYa.net
佐天「初春。あの…さあ。詠矢さんって人、知ってる?」

初春「詠矢さんですか?はい、知ってますよ」

初春「何度かお会いしましたね。お話したことは殆どないですけど…」

佐天「やっぱりそうなんだ…。えーっと…さあ…」

佐天「今何してるのか…知らないかなあ…って…」

初春「詠矢さんですか?…確か…入院されてたみたいですよ?」

佐天「へっ、入院?どして!?」

初春「事件に巻き込まれて…大怪我されたとか…」

佐天「大怪我!?って…だっ…大丈夫なの!!」

初春「えっと、詳しいことは機密事項なんで話せないですけど…」

初春「確かもう退院されたとかで…大丈夫だと思いますよ?」

佐天「…あ…そうなんだ…。よかった…」

初春「っていうか佐天さん…、お知り合いだったんですか?」

佐天「あ…ああ、うん…ちょっとね…へへ…」

初春「…あ、佐天さん、もしかしたら…もしかして…(ニヤニヤ)」

294 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:17 ID:K3dR3hsYa.net
佐天「なによその顔は…」

佐天「なんとなく言いたいことわわかるけど」

佐天「そういうのじゃありませんから!」

初春「えー、ほんとですかぁ?…」

初春「でもどっちにしろ、もう普通に学校行かれてるんじゃないですか?」

佐天「そうか…退院してるんだもんね…(またコンビニ行けば会えるかな)」

初春「あ…(ジリリリリ)予鈴鳴りましたね、ほんとに帰らないと…」

佐天「あ、ほんとだ。じゃ、とりあえず帰ろっか」

あわてて校庭に出る二人。小走りで校門に向かう。

詠矢「お、ちわす」

校門を抜けた瞬間、二人は突然声をかけられる。

佐天「あっ!…詠矢…さん?」

初春「…どもです…」

振り向くと、壁に背を預けた詠矢がそこに立っていた。

295 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:25 ID:K3dR3hsYa.net
詠矢「いやどうも。ストーカーみたいな真似して悪いね」

詠矢「ちょいと佐天サンに話したいことがあってねえ」

詠矢「白井サンから学校の場所を聞いといたんだ」

初春「…えーっと…私は支部に寄らないといけないので」

初春「お先に失礼しますねー(ソソクサ)」

佐天「ちょっと!!初春!」

詠矢「…お邪魔だったかな?」

佐天「え?いえ…そんなことは…」

佐天「実は…私も会いたいなーって、思ってたとこなので…」

詠矢「へえ、そいつなうれしいねえ…」

詠矢「んじゃ、ここじゃなんだし、場所変えようか」

佐天「はい、わかりました…」

296 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:31 ID:K3dR3hsYa.net
とある公園)
詠矢「ここならいいかな」

詠矢「んじゃ、あんまり時間取らせるのもアレなんで、手短に」

詠矢「さて…どっから話したもんかな…」

佐天「…」

詠矢「こないださ、佐天サンを突き放すような言い方しちゃったけど」

詠矢「ちょいと俺の方に事情があってさ」

詠矢「あんまり人と関わっちゃいけない状況でね…。佐天サンにも距離を置いてもらう必要があったんだ」

詠矢「細かいことを説明する訳にもいかなくてね、あんな言い方しちまった」

佐天「…詠矢さんの能力の事…ですか?」

詠矢「まあそうなんだけど…。詳細を話すと佐天サンに必要の無い情報を与えちゃうからねえ」

詠矢「知らないほうがいいよ」

297 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:38 ID:K3dR3hsYa.net
詠矢「まあ、いずれにせよ…」

詠矢「佐天サンが俺に、一定の信頼を寄せてくれていたとしたら」

詠矢「俺のあの言葉はそれを裏切るものだったろう…、佐天サンを傷つけてしまったかもしれない」

詠矢「それは謝りたいんだ…」

詠矢「ゴメンな?」

佐天「…」

詠矢「まあ、何も気にしてないっていうんなら…」

詠矢「自意識過剰のキモイ奴、ぐらいで思ってくれていいからさ…」

佐天「…」

佐天「あの…」

佐天「わたし…難しいことはよくわからないですけど…」

佐天「詠矢さんは、わたしのことを気にかけてくれたんですよね?」

詠矢「…へ?」

詠矢「…いや…そういうことじゃない…けど…?」

佐天「初春に聞きました、何か事件に巻き込まれてたって」

298 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:45 ID:K3dR3hsYa.net
佐天「それで、大怪我したって…」

詠矢「…」

佐天「もしかして私が巻き込まれるんじゃないかって…そう思って…」

詠矢「…」

詠矢「えーっと…ええとね?」

詠矢「その…断じてそうゆう事ではない…と思うんだが…?」

佐天「…ふふっ…いいですよ、じゃあ…」

佐天「私がそう思うのは自由でしょ?」

詠矢「…まあ、それはそうだけど…」

佐天「いいんですよ、それだけで…私は…」

佐天「嬉しいんです!」

詠矢「…そうなんか…、まあ、それが一番佐天サンにとって」

詠矢「一番納得できるんだったら、それでも…」

佐天「もう…また難しいこと言って…」

299 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:18:53 ID:K3dR3hsYa.net
佐天「いいんです!こういうのは」

佐天「理屈抜き、なんですよ!」

詠矢「…」

詠矢「……」

詠矢「ははっ…そうか、『理屈抜き』か…そいつは…」



詠矢「論証出来ねえな…」

2期完

300 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:14 ID:+UdiHydGa.net
350:1[sage]
木山「(詠矢君?…見ない顔だな…)」
2012/05/02(水) 15:43:28.91 ID:4Av1vDTc0

301 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:14 ID:r1q78QNod.net
つまんねぇ人生定期

302 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:22 ID:+UdiHydGa.net
・禁書のSSです
・オリキャラメインです。勝手に設定した能力者が出ます。
・今回は勝手に設定した敵キャラが出ます。
・原作は読んでません。細かい設定はよくわかりません。
・アニメは全話見ました。
・キャラが崩壊してるかも知れませんがご容赦を

303 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:36 ID:+UdiHydGa.net
(とある大学 研究室)

木山「…ふう」

木山春生は、ノートパソコンのキーボードを叩いていた指を止める。

木山「今日はこんなところか…」

木山「最近は根をつめすぎているからな…。たまには早く上がるとしよう…」

彼女が荷物をまとめ始めようとしたとき、扉を軽くノックする音が響いた。

木山「はい…どうぞ…」

??「失礼します…(ガチャ)」

木山「ん?…君は…?」

詠矢「高等部1年…詠矢空希、ってもんです。はじめまして木山先生」

木山「(詠矢君?…見ない顔だな…)」

304 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:44 ID:+UdiHydGa.net
木山「もともと人の顔を覚えるのは得意でないのだが…」

木山「君の顔には全く見覚えがない。正真正銘の初対面のようだな」

詠矢「そうですね…。お会いするのは今日が初めてです」

詠矢「実は先ほどの模擬講義、受講させて頂きまして…」

木山「模擬…ああ、確か今日はオープンキャンパスだったな…」

詠矢「はい…、以前、図書館で学園に関する資料を閲覧しているときに…」

詠矢「先生の論文を読ませて頂きまして…」

木山「ほう…私の論文をね…。まだ高校生だというのに大したものだな…」

詠矢「いえいえ、『読んだ』っていうだけで、内容は殆ど理解できなかったんですけど…」

詠矢「ただ、先生の専攻している分野に、とても興味がありまして…」

305 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:50 ID:+UdiHydGa.net
詠矢「今回の講義に参加させて頂きました」

木山「私の専攻?大脳生理学にかね…?」

詠矢「あ、それもなんですけど…やっぱり…」

木山「…なるほど…何のことかはおおよそわかった…」

詠矢「えー、まあ…AIM拡散力場についてなんですが…」

木山「やはりそうか…アレに興味を持つ者は多いからな…」

木山「どんな風に理解してるかは知らないが」

木山「能力者が無自覚に放出している微弱な力場…」

木山「AIM拡散力場とは、それ以上でもそれ以下でもないぞ?」

詠矢「ええ、わかってますよ…『基本』はそうですよね?」

詠矢「能力者が多数存在ずるこの学園都市では…」

詠矢「その微弱な力場が積層し、強大な力を生む可能性もあると…」

詠矢「先生の論文にはそうも書かれていました」

306 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:19:58 ID:+UdiHydGa.net
木山「…まったく…、君のような手合いは多くてね…」

木山「あれの事を、膨大で無尽蔵なエネルギー源と誤解しているようだが…」

木山「…力の積層には、能力者間で精巧なネットワークを築く必要がある」

木山「強大な力を持つ可能性があると言うだけで…」

木山「そう簡単なものではないぞ?」

詠矢「…いえ」

詠矢「実際に…それが実行されたことが有る以上…」

詠矢「『可能性』だけでは済まされないのではないでしょうか?」

木山「…なに?」

307 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:20:05 ID:+UdiHydGa.net
木山「……何を知っている…」

詠矢「幻想御手(レベルアッパー)事件…。都市伝説としては結構有名な話ですよね?」

木山「質問しているのは私の方だ…。君のブラフを含んだ台詞は気に入らないな」

木山「知っていることを話したまえ」

詠矢「…」

詠矢「これは失礼しました…」

詠矢「ちょいと、友人に恵まれていまして」

詠矢「都市伝説を裏付けるぐらいの情報は、結構入ってくるんですよね…」

詠矢「当の事件の顛末に関しては、一通り聞いています」

詠矢「誰が何のために起こしたのか…ってことも含めてです」

308 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:20:13 ID:+UdiHydGa.net
木山「ほう…そこまで知っているのか」

木山「で…その首謀者である私に、何の用だね?」

木山「そろそろ本題に入ってもらえると助かるが…」

詠矢「…わかりました…では早速」

詠矢「木山先生に、ご意見を伺いたいことがあります」

詠矢「通常では制御することが難しいAIM拡散力場ですが…」

詠矢「能力とは別の手段で干渉し、制御することは可能でしょうか?」

木山「別の方法?」

木山「能力によって生み出された力に…他のどんな方法で干渉しようというのかね?」

詠矢「…魔術ですよ」

木山「…魔術…?」

309 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:20:23 ID:bkQ9jM9O0.net
きもいんだけど
長いし読む気失せる

310 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:20:29 ID:UGtOZspN0.net
なんで江戸っ子なんだ

311 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:20:38.77 ID:GAHRIes4a.net
詠矢「…先日、偶然にもその力に遭遇しました」
詠矢「科学とは全く原理の違う力です」
詠矢「あらゆる物理法則を無視して、現象だけを引き起こすことが出来るようです」

詠矢「そんな力が、AIM拡散力場に干渉するこが出来たとしたら脅威ではないでしょうか?」

木山「…また、唐突な話の展開だな」
木山「あいにく魔術には専門外なのでわからないがね…」
木山「まず、魔術の存在を認めろというのが、私には無理な話だ」
木山「ただ…話によれは、能力と魔術は相容れない力だと言われている」
木山「普通に考えれば、それが『可能だ』という結論には至らないはずだ」

詠矢「やはりそうですか…」
詠矢「ですが…一つだけ…希薄ですが根拠があります」

木山「…聞かせてくれるかね?」

詠矢「…能力と魔術…、双方に対抗出来る『能力』があるとすれば…どうでしょう?」

詠矢「それも、二つも…です」
木山「…」

詠矢「双方が全く異質な力であれば…そのような能力は存在しないのでは?…と思いまして」

木山「…」

312 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:20:44.71 ID:GAHRIes4a.net
木山「あくまで噂のレベルだが…」

木山「魔術と能力、その双方を打ち消す能力があるという話は…聞いたことがあるな」

木山「それが実在するということかね?」

詠矢「ええ…その存在をこの目で確認しました…」

詠矢「その能力が、二つうちの一つで…」

詠矢「もう一つは…『論証によって相手の能力を変質する力』…」

詠矢「俺…、じゃなくて…」

詠矢「私が持っている能力です」

木山「君が…か」

313 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:20:50.51 ID:GAHRIes4a.net
詠矢「はい…。残念ながら、今ここでご披露することはできないですけどね」

詠矢「この二つの能力は、能力にも魔術にも効果を発揮します」

木山「…それは興味深いな」

詠矢「いかがでしょう…私の知っている情報と、考えたことはこれで全てです」

詠矢「いきなり全てを信じてくださいというのは無理でしょうけど」

詠矢「今言ったことが全て真実であると仮定した場合の」

詠矢「先生のご意見をお伺いしたいです…」

木山「…ふむ」

木山「前提が仮定だらけでは、科学的な論考は不可能だ」

木山「ただ、論考ではなく、あくまで私の私的な感想であれば…答えられるが」

木山「それでもいいかね?」

詠矢「ええ、もちろんです」

314 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:20:56.86 ID:GAHRIes4a.net
木山「…いいだろう」

木山「科学と魔術、双方に対抗する能力が存在するというだけでは」

木山「お互いの相違性を否定することは難しいだろう」

木山「だが、定義に穴を開ける一つの可能性であることは…事実だ」

木山「AIM拡散力場に対する、魔術による干渉…」

木山「通常ならありえないその行為だが…、君が得た情報を加味すれば…」

木山「わずかではあるが…可能性は生まれるかも知れないな…」

詠矢「…ありがとうございます」

詠矢「これは、私がたた妄想したことでして…ぜひ専門家の意見をお聞きしたかったのですよ」

木山「変わった男だな…君は」

315 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:20:59.28 ID:PIbNf2x7a.net
ンゴりまくった結果wwww

みたいなやつやな

316 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:02.40 ID:GAHRIes4a.net
木山「妄想の裏づけを取ってどうしようというのだ?」

詠矢「…もし、この干渉が実際に起こせるなら。結構問題だと思うんですよね」

詠矢「魔術側と学園都市は対立関係にあるようですし…」

詠矢「AIM拡散力場は、格好の攻撃対象になるでしょう」

詠矢「出来る可能性があるなら、事前に対策を考えておく必要があると…思いましてね」

木山「対策?…何か手があるというのかね?」

詠矢「いえいえ、それはこれから考えるんですけど…」

詠矢「とにかく、貴重なご意見、ありがとうございました」

木山「では…、私からも質問していいかな?」

詠矢「あ…はい。いいですよ?」

317 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:09.37 ID:GAHRIes4a.net
木山「私は、色々なことに関わり、巻き込まれるうち、一種の人間不信になっているのかもしれんが…」
木山「君のような人間を見ると、どうしても他意を感じてしまうのだ」

木山「詠矢君…君の意図は何だね?」
詠矢「…」
詠矢「私は…ですね。ここに来てまだ日が浅いんですけど…」
詠矢「気に入っちゃいましてね、この学園都市が」

詠矢「友達も沢山出来ましたし、結構…守りたいんですよ。ここを」
詠矢「そのために…微力ながら何か出来ないかなって思いまして」
詠矢「それだけですよ…ええ、マジでそんだけ…です」

木山「…うむ」

木山「…真実だと仮定して聞いておくよ」

詠矢「ありがとうございます」

詠矢「それでは…そろそろ失礼します」

木山「ああ…」

詠矢「…」
木山「…」

詠矢「…あっ…」

木山「どうしたね?」

詠矢「先生…あと一つだけ…質問いいですか?」

318 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:09.60 ID:bkQ9jM9O0.net
>>314
いやだからきもいんだが

319 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:17.60 ID:GAHRIes4a.net
(とあるコンビニ)

詠矢「(ウィーン)よっと…上条サンお待たせー」

詠矢「交代時間だぜっと…お?」

御坂「ちょっと、アンタおつり間違えてるじゃないの!」

上条「え?っと…あれ?」

上条「あ、これは申し訳ありませんお客様…」

御坂「なにやってんのよ!その程度のこと出来ないわけ!?」

上条「…まことに申し訳ありませんでした…こちらになります…」

御坂「…何よ…その不満そうな顔は…」

上条「いえいえ…何も…」

320 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:22.83 ID:GAHRIes4a.net
御坂「…(ジロッ)」

上条「…(ムスッ)」

御坂「…」

上条「…」

御坂「…アンタが間違えたのが悪いんでしょうか!!」

上条「ちょっと間違えただけだろ!大騒ぎすんなよ!!」

詠矢「(あー、相変わらずやってるなあ…)」

詠矢「(っていうか、御坂サンも別の店行けばいいのに)」

詠矢「(わざわざケンカするために来るかなあ)」

詠矢「(まあ、そりゃまあアレなんだろうけどさ…)」

詠矢「(…そろそろ何とかしなきゃいかんかな?)」

詠矢「おーい!!上条サン!!」

321 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:29.26 ID:bkQ9jM9O0.net
>>319
文才もねえしひでえな

322 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:29.79 ID:tSxLMNYAa.net
上条「お、詠矢か!。そろそろ時間だよな?」

御坂「あ…アンタ…詠矢…」

詠矢「やあ御坂サン。最近良く会うねえ…」

詠矢「御贔屓にして頂いてどうもー」

上条「ん?…御坂、お前そんなしょっちゅう来てるのか?」

御坂「えっ!?って…その…帰り道だし…」

詠矢「そうなんかな?でもさあ…」

詠矢「俺が店番してるとすぐ帰っちまうよねえ…」

御坂「…っ!!」

上条「御坂…お前…」

詠矢「上条サンのシフト表でもお渡ししときましょうかね?」

御坂「いっ…いらないわよそんなもの!!」

詠矢「さいですかー」

323 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:36.43 ID:tSxLMNYAa.net
御坂「…帰る!!」

御坂「…(ウィーン)」

詠矢「…なんだかねえ…」

上条「…あいつ…」

詠矢「どした、上条サン」

上条「俺が居るからこの店に来てるんだ…」

詠矢「お?…おう、そうみたいだな」

上条「わざわざ、俺に嫌がらせするために…」

上条「意外と根に持つタイプなんだな…」

詠矢「…」

詠矢「……」

詠矢「期待を裏切らないスペックだな…上条サン」

上条「…え?何の話だそりゃ…」

324 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:42.37 ID:tSxLMNYAa.net
土御門「(ウィーン)どした…御坂が耳まで真っ赤にして出てきたけど…」

土御門「なんかあったのかにゃあ?」

詠矢「お、土御門サンおひさしーって…」

詠矢「って、まあ、いろいろと…ねえ?」

上条「いや、土御門、俺にもよくわからんのだか…」

土御門「…(チラッ)」

詠矢「…(コクコク)」

土御門「…やっぱりカミやんが原因かにゃあ…」

上条「な、なんだよ!何で俺が悪いんだよ!」

土御門「まあまあ、そんな話するために来たんじゃないんだぜい」

土御門「カミやん、ちょっと話があるんだが…時間いいかい?」

325 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:48.95 ID:tSxLMNYAa.net
上条「ああ…もうバイトは終わりだから…いいぜ?」

詠矢「ん、そっか…じゃあとっとと支度するから行ってきなー」

土御門「…そうだ…な、ヨメやんにも聞いといてもらったほうがいいかな…」

詠矢「ん?俺もか?…土御門サンの話ってことは…いろいろヤバそうだねえ」

土御門「まあ、無理にとは言わんがねえ…」

詠矢「なに言ってんだよ、そんな面白そうな話、聞かねえ手はねえっての」

詠矢「是非にって言いたいとこだが…俺はこれからバイトでねえ…」

土御門「いいぜ、じゃあ夜に俺の部屋に集合だ…」

土御門「妹のお茶でもご馳走するぜい」

326 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:52.18 ID:bkQ9jM9O0.net
御坂「…(ジロッ)」

上条「…(ムスッ)」

御坂「…」

上条「…」

御坂「…アンタが間違えたのが悪いんでしょうか!!」

上条「ちょっと間違えただけだろ!大騒ぎすんなよ!!」

詠矢「(あー、相変わらずやってるなあ…)」

詠矢「(っていうか、御坂サンも別の店行けばいいのに)」

詠矢「(わざわざケンカするために来るかなあ)」

詠矢「(まあ、そりゃまあアレなんだろうけどさ…)」

詠矢「(…そろそろ何とかしなきゃいかんかな?)」

詠矢「おーい!!上条サン!!」

327 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:21:54.87 ID:tSxLMNYAa.net
詠矢「おお、噂の属性数え役満の妹さんか…そりゃぜひお会いしたいな」

上条「って、いいのか詠矢。また自分から巻き込まれるようなこと…」

詠矢「巻き込まれる時は、知ってようがいまいが同じさ」

詠矢「どうせなら、知識得ておいたほうがいいさね」

上条「相変わらずだな…お前は…」

客「あのー…」

詠矢「あ、失礼しました!!」

上条「んじゃ、一旦解散だ…また夜にな」

328 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:00.67 ID:tSxLMNYAa.net
(土御門の部屋 夜半)

舞夏「はーい、お茶だぞー」

土御門「すまんな。舞夏」

上条「お、ありがとな」

詠矢「ありがとさんっす。妹サン」

舞夏「なになに、お気になさらずー」

舞夏「でわ、ごゆっくりとですよー」

詠矢「ありゃーまあ、かわいい妹サンだねえ…」

土御門「褒めてくれるのはうれしいがねえ」

土御門「命が惜しかったら、それ以上の感情は持つなよ」

詠矢「…目が笑ってないんですけど…」

上条「言うことを聞いといたほうがいいぞ詠矢…」

上条「土御門は本気だ…」

詠矢「…えっと、あ、そうそう、話ってなんだ?土御門サン?」

土御門「…まあいい、本題に移ろうか…」

329 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:07.10 ID:tSxLMNYAa.net
土御門「実はな…魔術側に不穏な動きがあってな」

土御門「ある術者が、一月ほど前から行方不明になっている…」

上条「行方不明…?」

土御門「ああ、そいつがどうやら、学園都市に向かったらしい…」

詠矢「魔術側っても、範囲が広いな…」

詠矢「また十字教絡みかい?」

土御門「いや…今回は別勢力だ…。俺の古巣からの情報でな…」

土御門「相手の名は『真々田 創(ママダ ツクル)』フリーの陰陽師だ…」

土御門「腕はかなり立つらしいんだが…どこの組織にも所属していないらしくてな」

330 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:13.32 ID:tSxLMNYAa.net
土御門「詳細の情報はわかっていないんだ…」

上条「こっちに向かった理由とか目的とか、わかってないのか?」

土御門「ああ。そいつもわかってない…。そもそも、学園都市に来てるってのが、確定情報じゃないしな」

土御門「何も無ければそれでいいんだが…」

土御門「とりあえず、警戒はしといた方と思ってね」

詠矢「なるほどねえ…。ってまあ、警戒とか言っても」

詠矢「なんともしようがねえわけだが…」

上条「知らないよりはマシだって言ってたのはお前だろ?」

詠矢「あ、そうだったよな…失礼しました」

331 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:22.10 ID:j5JUvg9Ea.net
上条「話はわかった、土御門。俺のほうでも気をつけとく」

上条「何かあったら、お前に報告すればいいんだな?」

土御門「術者がカミやんに接触する可能性も高い」

土御門「よろしく頼むぜい」

土御門「ヨメやんもよろしくだぜい」

詠矢「ん、わかった…」

詠矢「俺みたいな新参者をアテにしてくれて嬉しいねえ」

332 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:30.51 ID:j5JUvg9Ea.net
詠矢「出来る限りのことはさせてもらうぜ」

土御門「よし、話は以上だ…時間とらせて悪いにゃあ…」

詠矢「いやいや、こんな美味いお茶を頂けるなら(ズズッ)」

詠矢「いつでも呼んでくだせえ」

上条「うん…ほんとに美味いよなこれ…(ズズッ)」

土御門「おお、そうか…さすが舞夏だな」

土御門「お代わり持ってこさせるぜい」

土御門「おーい、舞夏ー!」

舞夏「はい、なんでしょうかー」

詠矢「(しかし、このタイミングで魔術側の話か…)」

詠矢「(まさかとは思うが…まさか…ねえ)」

333 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:37.92 ID:j5JUvg9Ea.net
(ジャッジメント177支部)

詠矢「…」

白井「…なんですの」

白井「なんであなたがここにいるんですの!!」

詠矢「ん?いや、ちょっと遊びに来たんだけどさ…」

白井「ここは遊びに来るようなところではございません!!」

詠矢「えー、だって御坂サンだって遊びに来てるんじゃねえの」

御坂「えっ…?」

334 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:44.03 ID:j5JUvg9Ea.net
白井「いやそれは…その…」

白井「お姉さまは特別です!!」

詠矢「じゃあいいじゃん、俺も特別で」

白井「あなたとお姉さまが同じ扱いになるとでも?」

詠矢「そういう差別は良くないなあ…」

詠矢「それにさ、最初にここに来たときに、佐天サンが」

詠矢「思いっきり『遊びに来た』って言ってなかったけ?」

詠矢「ってことは、別に関係者以外立入り禁止でもないわけっしょ?」

白井「…」

白井「余計なこと覚えてますわね…」

335 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:51.79 ID:j5JUvg9Ea.net
詠矢「俺はつまんないことは覚えてるんだよ」

詠矢「まあいいじゃん。ここに来ると色々情報が手に入ってねえ」

詠矢「俺としてはかなりありがたいわけですよ」

詠矢「ま、ちょっと大目に見てくれない?」

詠矢「なんかあったときには、バッチリ協力させてもらうしさ」

白井「…」

白井「仕方ありません…確かに、前例が無いことではありませんし…」

初春「(…すごい…白井さんが折れた…)」

336 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:22:59.11 ID:j5JUvg9Ea.net
詠矢「やーどうもありがとさん」

詠矢「今度来るときはお菓子でも持ってくるよ」

白井「…ご自由に…」

詠矢「んじゃ、自由にするぜー」

詠矢「あ、そうそう、初春…サンだっけ?」

初春「あ、はい…なんですか?」

詠矢「パソコン、得意なんだってねえ…」

初春「ええ…まあ…そこそこ、使えますけど…何か?」

詠矢「いやねえ…ネットでいろいろと検索してるんだけどさあ…」

詠矢「イマイチ必要な情報が集まらなくてねえ…」

詠矢「なんか検索のコツとかあるのかなって」

337 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:05.03 ID:j5JUvg9Ea.net
初春「コツ…ですか?えっと、普通の検索サイト使っても、得られる情報はたいしたことないので…」

初春「巡回系のツールを使ってですね…(カタカタ)」

初春「あ、集めたい情報って、何かあります?」

詠矢「そうだなあ…例えば…」

詠矢「『魔術』とかかな…?」

初春「え?魔術…ですか?…まあ…調べられなくは…ないですけど…?」

338 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:10.90 ID:j5JUvg9Ea.net
白井「ちょっと詠矢さん…」

白井「来てもいいとは申し上げましたが…」

白井「職務を妨害していいとは言いませんでしたわよ?」

詠矢「…コイツは失礼…」

詠矢「そうだよなあ…ジャッジメントさんは忙しいよなあ」

詠矢「(やっぱ簡単に情報は手に入らんか…)」

詠矢「(ま、ここで手に入るような話なら、土御門サンのほうでも掴んでるだろ)」

詠矢「(俺はもう少し気長に構えるかね…)」

白井「初春、あなたも簡単に乗せられるんじゃありませんことよ?」

初春「え…はい、です…」

339 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:26.85 ID:H0GmQx1Na.net
白井「まったく…(ピピピピピ)あら…携帯が…(ピッ)はい」

白井「あら…そちらはいかがですの?…ええ…はい…」

白井「わかりました…すぐに向かいますわ!」

白井「(ピッ)固法先輩からですわ。先ほど現場に向かった事件…」

白井「面倒なことになったみたいですわ。応援に行って参ります」

白井「初春…、バックアップよろしくですわ!」

初春「はい!!」

340 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:32.95 ID:vHuZpRMD0.net
合わねぇなぁ、これは何回読もうとしても合わねぇわ
ほんとに主人公がウザイように書けてるの凄いんだけどウザすぎるよね
叩かれまくったのわかるわ

341 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:34.02 ID:H0GmQx1Na.net
白井「お姉さま!しばしお待ちを。すぐ戻って参りますので」

御坂「あ、うん…気をつけて…ね?」

白井「それでは失礼…(シュン)」

詠矢「はー、ほんと忙しいんだねえ…」

御坂「アンタはヒマそうね?」

詠矢「まあ、そりゃな…」

詠矢「バイトが無ければ、特になんかあるって訳でもないんでね」

詠矢「んで、御坂サンもなんで残ってるのかな?」

342 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:46.72 ID:H0GmQx1Na.net
御坂「黒子待ちよ…」

御坂「なんでも、新しいジェラートの店が出来たんで…」

御坂「一緒に行こうって誘われたの」

詠矢「へえ…今更だけど…普通だねえ…」

御坂「普通じゃいけない?」

詠矢「いやいや、普通が一番っしょ。やっぱ」

御坂「…」

詠矢「(…現在部屋には3人…。ただし一人は職務中)」

詠矢「(事実上二人っきりか…これは…チャンスじゃね?)」

343 :風吹けば名無し:2020/01/16(木) 14:23:52.97 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「…」

詠矢「そういやあさあ…今更だけど」

詠矢「御坂サンってかわいいよなあ…」

御坂「…何よいきなり…」

詠矢「まあ、かわいいっていうよりキレイ系なのかな?」

御坂「なんか…アンタに言われると褒められてるような気がしないわね…」

詠矢「褒めてんじゃないよ。これは客観的事実だ」

御坂「(なんか引っかかるわね…何考えてるんだか…)」

344 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:23:59 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「外見もいいし、頭もいいって聞くし、常盤台のお嬢様だろ?」

詠矢「オマケにレベル5の第三位だ」
詠矢「御坂サンて相当スペック高いよな?」

御坂「どうだかわからないけど…。もしそうだとして」

御坂「それがどうかしたの?」

詠矢「いやいや、だったらさあ…」
詠矢「彼氏とかいるのかなあって…」

御坂「…いないわよ。そんなの…」

詠矢「おお、そうなんか」

詠矢「やっぱりアレかね、スペック高すぎて男どもが寄り付かないのかねえ…?」

詠矢「でもさあ…こう、普通の女の子としてはさ…」

詠矢「気になる人、とかいるんじゃない?」

御坂「えっ?…いっ、いないわよ…そんなの…」

詠矢「(ここだけ律儀にどもるんだな…)」

345 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:07 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「そんなもんかねえ…」
詠矢「やっぱ御坂サンレベルになると、望みも高いのかな?」

御坂「別にそういうわけじゃないけど…」
御坂「だいたい、なんでアンタにそんな話しなきゃいけないのよ!!」

詠矢「そりゃまあそうだねえ…」

詠矢「じゃあさあ、ちょっとテストしてみねえ?」

御坂「テスト?」

詠矢「そうそう、御坂サンがどれぐらい恋愛志向が強いかっていう」

詠矢「心理テストみたいないもんかな?」

御坂「また胡散臭い話ね…」

詠矢「相変わらず信用ねえなあ…」

御坂「アンタが言うと特に信憑性が無いわ」

詠矢「御坂サーン…俺の能力を忘れたわけじゃねえよな?」

御坂「え?でもアンタの能力って、能力にしか効果がないんでしょ?」

詠矢「うん、それはそうなんだけどね…」

346 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:15 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「要するに相手の思考を揺さぶるのが基本だからさ」

詠矢「一種の心理学なんですよ」

詠矢「これでも、結構勉強してるんだぜ?」

御坂「へえ…」
御坂「(…まあ、あながちウソでもなさそうね…)」

詠矢「御坂サンにはさあ…最初に能力を試させてもらった恩もあるし」

詠矢「もしなんかお悩みがあるなら、役に立てればと思ってねえ…」

詠矢「どうかな?」
御坂「…」

御坂「ま、いいわよ…」

御坂「黒子が帰ってくるまではヒマだし…」

詠矢「おうおう、乗ってくれるか」

詠矢「んじゃ早速、目を閉じてくれるかい?」

詠矢「その方が集中出来るからな」

御坂「ん…」

詠矢「んじゃ行くぜ…」

347 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:21 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「じゃあまず、御坂サンの…気になる人がいるなら」

詠矢「その人をイメージしてくれ」

詠矢「最初が肝心なんでね、ここは素直に浮かんだ人を設定してくれよ?」

御坂「…」
詠矢「出来たかな?」

御坂「…(コク)」

詠矢「よし、じゃあ後は俺の言うとおり状況を想像してくれればいいから」

御坂「…」

詠矢「いま、御坂サンとその人の関係は」

詠矢「普通に話せるレベルの友人だが…、それ以上踏み出せてない」

詠矢「お互いに、特別な認識は持っていない関係だ」

御坂「…」

詠矢「そんな感じで、ある意味安定してたんだが…」
詠矢「突然、相手に恋人が出来てしまった」

御坂「…!」

348 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:31 ID:t8tP9ojLd.net
懐かC

349 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:32 ID:s9qlWR6fa.net
詠矢「…(お、反応アリか?)」

詠矢「それはもう非の打ち所が無いカップルで」
詠矢「周囲からも祝福され、二人は幸せそうだ」

詠矢「自分には入り込む余地も無い…」
御坂「…」

詠矢「自分はただ、二人の関係が進展していくのを」

詠矢「指をくわえて見ているしかない…」
詠矢「そんなあるとき、街中でその二人にばったり出くわす」

御坂「…(ビクッ)」

詠矢「だが、二人はこちらに気づいていない」

詠矢「無視しているわけではなく」

詠矢「単純にお互いの会話が楽しくて、御坂サンのことが意識に入ってこない」

御坂「……」

詠矢「正面から、二人は近づいてくる」

詠矢「自分との距離が縮まっていく」

350 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:39 ID:s9qlWR6fa.net
詠矢「二人は目の前を通り過ぎ、やがてすれ違う」
詠矢「それでも二人は自分に気づかない」

御坂「…」

詠矢「二人は、そのままゆっくりと、しかし確実に遠ざかっていく」
詠矢「距離が、開く。遠くへ…」

御坂「…っ!!」

御坂「……」
御坂「……(ジワッ)」

詠矢「(うおっ!泣いた!?)」

詠矢「あー!はい、はい!終わり!!しゅーりょー!!」

御坂「……(グスッ)」

詠矢「(あーびっくりした。まさか泣くとは思わんかった)」

詠矢「御坂サン…アレだね。かなり恋愛志向が強いねえ…」

詠矢「普段はそう興味も無いけど、一旦思うと一途なタイプかな?」

御坂「…そうなの?」

詠矢「そうでなきゃあ、あの程度の想像でそこまでの反応は出ないわなあ」

御坂「…う…」

351 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:40 ID:+1ByxfxKF.net
jでSSスレとかよーやるわ

352 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:47 ID:s9qlWR6fa.net
詠矢「なのでまあ、もし気になるお相手がいるんならさ」

詠矢「もっと素直に自分の思いを告げたほうがいいと思うんだよねえ」

御坂「…でも」

御坂「…素直って…言われても…」

詠矢「そうなんだよな。素直になれって、実際には結構難しいんだよなあ」

詠矢「じゃあ具体的なアドバイスでもしてみようかな?」

御坂「…」

詠矢「コミニケーションの基本は会話だからね」

353 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:24:53 ID:s9qlWR6fa.net
詠矢「とりあえず話し方が重要だねえ」

詠矢「まず相手と会話するときに」

詠矢「自分の口から出る言葉を、一度飲み込むんだよ」

詠矢「それがどんな言葉でもだ」

御坂「…(コク)」

詠矢「で、その飲んだ言葉をもう一度反芻して」

詠矢「本当に自分が相手に対して何を要求しているのか、どうして欲しいのか」

詠矢「それをゆっくり考えてから言葉にするんだ」

詠矢「そうすれば、比較的誤解なく自分の意思が相手に伝わると思うんだよね」

354 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:00 ID:s9qlWR6fa.net
御坂「…うん…」
御坂「…よく…わかんないけど」

詠矢「まあ、大丈夫だよ…、御坂サンなら出来るって」
詠矢「さあて、あんまり長居すると白井サンに怒られるし」

詠矢「そろそろおいとましますかねえ…」

詠矢「えーっと、あそうだ、今日はバイトだっけかな?(ポチポチ)」

詠矢「あ、明日か…今日は上条サンのシフトだったな…」

詠矢「今日は…夜まで一人だなあ…」

御坂「…」

詠矢「まあいいや、俺はその辺ぶらついて帰るかな…」
詠矢「んじゃ御坂サンも初春サンもまたなー」

御坂「…」

初春「…あ、はい、さよなら…です」

御坂「…」
初春「…」

白井「(シュン)…お待たせしました、お姉さま!」

白井「事件の方は、片付けてまいりましたわよ!…?」
御坂「…」

355 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:07 ID:s9qlWR6fa.net
白井「どうなさいました、お姉さま?」

御坂「…ゴメン黒子…今日は帰る…わ」

御坂「また今度埋め合わせするから…ね?」

御坂「じゃ…」

白井「あ、お姉さま!!」

白井「なんですの…、急いで片付けてきたというのに…」

白井「つれないですわねえ…」

初春「…」

白井「どうしました初春?何かありましたの?」

初春「いえ…ただ…」

白井「…なんですの?」

初春「見事なリーディングを見ました…」

白井「…は?リーディング?」

356 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:13 ID:s9qlWR6fa.net
(とある公園)

詠矢「じゅうーいち、じゅうーに…」
街をぶらついていた詠矢は、とある公園にある高鉄棒を見つけ、懸垂をしていた。

詠矢「じゅうーきゅう、にーじゅう…」
詠矢「…ん…く…、にーじゅいち…にじゅに…」

詠矢「よっと…ふう…」

限界を感じた詠矢は、手を離して鉄棒から飛び降りる。

詠矢「まあ、こんなもんか…あんまりやりすぎるのもアレだしな」

詠矢「お、腹筋ベンチもあるな…ついでにやってくか…」

ベンチに体を横たえ、膝を立てると黙々と腹筋を始める。

詠矢「…」

詠矢「…んっと…」
詠矢「よっ…」

佐天「…詠矢…さん?」

詠矢「ん…お?…おろ…佐天サン?」

頭を上下したまま見上げた詠矢の視線に、見知った顔が写っていた。

357 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:17 ID:nDwADuoAa.net
絶対に風化させてはいけない

358 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:20 ID:s9qlWR6fa.net
詠矢「こいつは…奇遇…だねえ…っと…」

佐天「わあ…もしかしてトレーニングですか?」

詠矢「ん…まあ…ね…それなりに…やっとか…ないと…よっ…ねえ…」

詠矢「あ、ゴメンゴメン…もうちょっとで…ワンセット…終わるから…」

詠矢「よいしょっと!…ふう…お待たせ…」

佐天「あ、いえいえ、お邪魔じゃなかったですか?」

詠矢「ん、いや、適当にやってただけだから大丈夫」

詠矢「改めまして、こんちわ…。おひさしだねえ…」

359 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:29 ID:H0GmQx1Na.net
佐天「あ、はい…確かにしばらくお会いしてなかったですねえ」

詠矢「ん…、で、佐天サンなんでここに?散歩かな?」

佐天「えーっと…、ふふっ、実は私もトレーニングなんですよ?」

詠矢「へえ…佐天サンがかい?」

佐天「詠矢さんみたいな体のじゃないんですけどね…」

佐天「能力のイメージトレーニングですよ」

詠矢「…能力の…ねえ…なんでまたこんな所で?」

360 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:37 ID:H0GmQx1Na.net
佐天「…ここは、私が能力の形を見た場所なんです…」

佐天「ここに来れば、そのころのイメージを思い出せるかねって…」

佐天「効果があるかどうか、わからないんですけどね」

詠矢「(レベルアッパー事件か…、思い出したくないこともあるだろうに…)」

詠矢「(何とか能力へのきっかけを作ろうと、一生懸命なんだな…)」

詠矢「へえ…頑張ってるんだねえ…」

佐天「はい、それはももう、頑張ってますよ!」

佐天「…詠矢さんがきっかけを作ってくれたおかげです…よ?」

361 :2019年殊勲打ランキグンwwwwwwwwwww:2020/01/16(Thu) 14:25:43 ID:+1ByxfxKF.net
1 中村剛也 31
2 坂本勇人 30
3 山田哲人 29
4 ビシエド 28
4 大山悠輔 28
6 吉田正尚 27
7 山川穂高 26
7 岡本和真 26
7 丸丸佳浩 26
10ソトソト 25
10村上宗隆 25
10ブラッシ 25
10浅村栄斗 25
10鈴木誠也 25
15デスパイ 24
15ロペスス 24
17森友学園 23
18バレンテ 22
19中田 翔 21
19松田宣浩 21

362 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:43 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「…そいつは…どうも」

詠矢「んじゃ、俺のほうこそ佐天サンの邪魔しちゃいけないんで…」

詠矢「とっとと帰りますかねえ」

佐天「えー、そんなこと言わないで下さいよ!」

佐天「せっかくお会いしたんですから、ちょっとお話していきません?」

詠矢「…」

詠矢「…ああ、そっか…そりゃ、喜んで」

佐天「じゃあ…どこかベンチでも…あれ?」

佐天「誰…だろう…あの人…」

363 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:45 ID:dbPaX2vDd.net
最後まで読んだことない

364 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:53 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「ん?」

佐天の声につられ、詠矢が移した目線に人影が写った。

それは、長い金髪を髪留めでまとめ、透き通るような白い肌を持った少女だった。

佐天「あ、あれ…もしかして…『ソフィア』ですかね?」

詠矢「…『ソフィア』…って…ああ、あの…『神拳』の?」

佐天「あ、詠矢さんもご存知でしたか?」

詠矢「そりゃああの有名な格ゲーのキャラだからね…」

365 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:25:59 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「まあ確かに、服装から風貌までそっくりだな…」

佐天「そうですよねえ…コスプレ?…にしてはちょっと…」」

詠矢「…似すぎてるな…ていうか殆どそのまんまじゃねえか…」

佐天「ほんと…ですね…」

詠矢「(何だこの猛烈な違和感は…。周囲の風景から完全に浮いてる)」

詠矢「(現実感がまるで無い…これは、まるで…)」

佐天「…ゲームの世界から抜け出してきたみたいな…」

詠矢「…だな」

詠矢「ちょっと確かめてくるか…」

佐天「確かめるって…何を…あ、詠矢さん!?」

366 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:06 ID:H0GmQx1Na.net
おもむろに立ち上がると、詠矢はそのまま少女の傍まで移動する。

詠矢「やあ、こんちわ。ソフィアサンって呼べばいいのかな」

少女「…(コク)」

詠矢「なるほど、お話は出来るみたいだねえ…」

詠矢「(なら、ちょいと試してみるか…)」

詠矢「…ソフィアサン…、お美しいねえ…」

詠矢「しかし…俺には綺麗過ぎるように見えるな」

詠矢「メイクや服装、髪形をいくら変えても」

詠矢「人間が本来持っている顔の配置、ボディバランスを変えるには限界がある」

367 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:11 ID:H0GmQx1Na.net
詠矢「あんたが持っている美しさは、完全にそれを逸脱してるんだよねえ…」

詠矢「恐らく、整形したってその姿をかなえるのは不可能だろう」

詠矢「じゃあ、その『美』はどこから生み出されてるんだろうねえ…」

少女「…」

詠矢「現実的には無理なら…異能の力ならどうかな?」

詠矢「あんたのその姿は、何か特別な力によって生み出されてるんじゃないのかい?」

少女「…」

詠矢「(さあ…どうだ?)」

少女「…」

368 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:17 ID:H0GmQx1Na.net
少女「…ふふっ(ニコリ)」

少女は穏やかな笑みを浮かべると、滑るような足取りで何処かヘと走り去る。

詠矢「ちょ…っと待ってくれよ!!」

慌てて後を追う詠矢。だが、その距離を詰めることは出来ない。

詠矢「くそっ!!速いっての!」

何とか離されまいと走る詠矢。だが、直後。

詠矢「なっ!」

詠矢は驚愕の光景に思わず声を上げた。

369 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:25 ID:Cmq29t9aa.net
少女の姿が、空間に溶けるように消えていく。

詠矢「…!!」

思考が止まり、躊躇している間に少女の姿は完全に消失した。

詠矢「(幻覚?…いや、幻術ってヤツか?)」

詠矢「(どうなってるんだ…判断のしようがねえ)」

佐天「はあっ…はあ…詠矢さん!」

同じく、追いかけてきた佐天が、息を切らせながら近づいてきた。

佐天「ねえ詠矢さん!!見ました今の!」

佐天「消えちゃいましたよね!!」

詠矢「ああ、消えたな…見事に」

370 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:32 ID:Cmq29t9aa.net
佐天「これはすごいですよお!ついに見ちゃいました!!」

詠矢「…何の話だい?」

佐天「最近、特に話題になってる都市伝説があるんですよ!」

佐天「『神拳』のソフィアが、何かの能力の影響で実体化してるって!」

佐天「複数の能力者が干渉しあって偶然姿が作り上げられてるとか」

佐天「いろんな噂があるんですよ!!」

詠矢「…ああ、ネットで確かそんな話を見たな…」

371 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:37 ID:Cmq29t9aa.net
佐天「でしょでしょ?何人も目撃者の証言が上がってるんですよ!!」

佐天「きゃー!!私も目撃者になっちゃいました!!」

詠矢「…目撃者…ねえ…」

詠矢「(なんか…派手にヤバそうな雰囲気だな…)」

詠矢「(何が起こってるんだかサッパリだ)」

詠矢「(…後で土御門サンに報告しとくか…)」

詠矢「…」

佐天「…?詠矢…さん?」

詠矢「佐天サン…帰ろう…送ってくぜ…」

佐天「へ?…え…ええ…」

372 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:39 ID:t8tP9ojLd.net
これ書いた奴は当時未成年だったとしてももうとっくに成人しとるやろ
今何してるんやろか

373 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:45 ID:Cmq29t9aa.net
(とあるネットカフェ)

??「ふうむ}
??「だいぶ広がってきてるねえ…(カタカタ)」

??「お、またスレが立ってる」
??「ここは煽っとかないとね!(カタカタ)」

??「さあて、だいぶ時間もかけたし」

??「そろそろ環境も整ってきたと言えるね」

??「式に任せるのも限界かもねぇ…」

??「僕自身が動く時期かな?」

??「…うーん」
??「まあここは慎重に」

??「用意してきた最後の一枚を放ってからにしましょうか…(チャキ)」

店員「(コンコン)お待たせしましたー、オムライスです」

??「あーどうも。ありがとう…」
店員「はい、こちらになります…では…」

??「ふむ…最近は(ムグ)…ネカフェの料理も質が上がったねえ…(ムグ)」
??「さあ、偉大な芸術の完成までもう少しだ…」
??「頑張らないとねえ…(カタカタ)(ムグ)」

374 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:26:52 ID:Cmq29t9aa.net
(とあるコンビニ)

上条「…」

御坂「…」

上条「(なんかさっきからすげえ見られてるんですけど…)」

御坂「(ううぅ…勢いで来ちゃったけどどうしよう…)」

上条「…」

御坂「…」

上条「(俺、またなんかやらかしたか?気に入らないことでもしたっけか…)」

御坂「(な、なんか話す事ないかな…えーっと…えっと…)」

上条「…」

375 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:00 ID:Cmq29t9aa.net
御坂「…」

上条「…なあ、御坂」

御坂「えっ…何?」

上条「俺、またなんかやったか?」

御坂「…へ?」

上条「なんか、言いにくそうにしてるからさ…」

上条「俺がまたなんかやらかして…珍しく文句言うのを遠慮してるのかなって…」

御坂「…ち、違うわよ!なんでアンタはいつもそうやって…」

御坂「(あっ…飲み込むんだっけ…ん…)」

上条「…どした?御坂…」

御坂「(で…考える…えと…)」

御坂「(…そうだ…アイツの話聞いてる時に、急に会いたくなって…それで…)」

上条「…?」

376 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:14 ID:Cmq29t9aa.net
>>372
なろうの方でかいとったりせんかな

377 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:15 ID:J5B3LYKoa.net
詠矢って誰やねん

378 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:22 ID:Cmq29t9aa.net
御坂「違うの…文句とかそんなんじゃなくて…」

御坂「なんか…急にアンタに会いたくなって…さ…」

上条「…」

上条「…俺に?」

上条「(あれ?なんかいつもと反応が違うな…)」

上条「(こういう場合はどう返せばいいんだろうか…)」

上条「…えーっと…会いたいって…そりゃまたなんでだよ…」

御坂「なんでって…理由なんかない…わよ…」

379 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:31 ID:WZVqKO5Oa.net
上条「…ねえって…よくわかんねえな…」

御坂「会いに来ちゃ…いけない?」

上条「…」

上条「まあ…別に、嫌ってわけじゃねえけど…」

御坂「…ならいいじゃない」

上条「まあな…」

御坂「…」

上条「…」

御坂「(か、会話が続かない!どうしよう…)」

上条「(なんだろう…こう、色々と裏を感じてしまうのは被害妄想だろうか…)」

御坂「…」

上条「…」

380 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:37 ID:WZVqKO5Oa.net
御坂「あ、あのさあ!!」

上条「(ビクッ)お、おう。なんだ?」

御坂「なんか…この近くで、ジェラートのお店が出来たらしいんだけど…」

御坂「食べに行かない?」

上条「…」

上条「あー、あの、御坂センセイ?」

上条「もう終わったと思ってたのですが…」

上条「罰ゲームってまだ続行中でしたっけ?」

御坂「…へ?」

御坂「……あんたねえ…、罰ゲームって私と…あっ…」

381 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:44 ID:WZVqKO5Oa.net
御坂「…」

御坂「…んっ(ゴクン)」

上条「(何やってんだこいつは…)」

御坂「…」

御坂「わ、私は…ただ…」

御坂「アンタと行きたい…のよ…」

御坂「ダメ?(ジト)」

上条「…」

上条「(あれ?…)」

上条「(なんか可愛くないか?…コイツ…)」

上条「…まあ…いいぜ…。別に…断る理由もねえし…」

御坂「…ありがと…」

382 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:50 ID:oNHh9W59a.net
切り口も良いしこれ書いた奴なろう辺りで成功してそう

383 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:27:51 ID:WZVqKO5Oa.net
上条「ただ…俺まだバイトだからさ…」

御坂「それは…わかってる…。今日は…夕方までなんでしょ?あとどれくらい?」

上条「えーっと…、あと一時間ちょい…ってとこかな?」

御坂「じゃあ…、待たせてもらって…いい?」

上条「ああ…まあ…いいぜ。そっちに喫茶コーナーに…座ってればいいかと…」

御坂「うん…。あ、っと…この『からあげサン』ってやつもらえる?」

上条「…ん?これか?…えっと…210円になります…」

御坂「じゃあはい…(チャラ)…さすがに何か買わないとマズイでしょ?」

上条「…まいどありー」

店の隅にあるカウンター席に腰掛けると、御坂は唐翌揚げを口に運びながら携帯を開く。

384 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:04 ID:WZVqKO5Oa.net
御坂「(えーっと…どこだっけかな…うろ覚えだから店の位置を確認しとかないと…)」

御坂「…(ポチポチ)」

御坂「…(パク)」

御坂「あ…結構おいしい…(モグ)」

上条「…」

上条「…(おかしい…何かがおかしい)」

上条「…(なぜこんなに平穏な展開なのでしょうか…。後で反動が怖い…)」

上条「(あれ?そういやあ…御坂は何で俺のシフトを知ってたんだ?)」

上条「…?」

上条「…」

上条「…(まあ、いいか…。深く考えるのはやめよう)」

上条「(そんなに悪い気もしねーし…な…)」

385 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:10 ID:WZVqKO5Oa.net
(とある街角)

詠矢「…うん…そうなんだ…消えちまってさ…」

詠矢「俺じゃ調べようがないんでさ…土御門サンに報告しとかないとってね…」

佐天「…」

詠矢「うん…うん…」

詠矢「そっか…じゃあよろしく…」

詠矢「なんかわかったら教えてくれ…んじゃ…(ピッ)」

詠矢「…」

佐天「…お電話終わりました?」

詠矢「(俺の問いかけに反応したってことは…対象には有る程度の意思があったってことだ)」

佐天「でも驚きましたねえ…」

詠矢「(だが、相手が絶対反論に反応したようには見えなかった)」

佐天「ウソみたいに消えちゃいましたよねえ!」

詠矢「(ふうむ…)」

佐天「都市伝説って本物見るの初めてなんですよ!!」

386 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:13 ID:kC0L1w/H0.net
まだやってたんかすごいな

387 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:18 ID:WZVqKO5Oa.net
詠矢「(そもそも能力が通用する相手じゃなかったのか…)」

佐天「あ、そうそう、都市伝説って言えば…」

詠矢「(相手の自我が弱くて『聞く耳』を持っていなかったのか)」

佐天「…で…そこで初春がですね…」

詠矢「(俺にもうちょっと魔術関係の知識があればなあ…)」

佐天「…で、…なっちゃったんですよ!!」

詠矢「(相手は陰陽師だっけか…じゃあアレは式神ってヤツなのかね…)」

佐天「…はは…」

詠矢「(絶対反論が通じないなら…対策を考えとかないとなあ)」

佐天「…」

佐天「…詠矢さん!!」

詠矢「えっ!!…あ、はい?なんだい?」

388 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:25 ID:WZVqKO5Oa.net
佐天「私の話、聞いてました!?」

詠矢「あっ、いやゴメン、聞いてなかった…」

佐天「…」

佐天「…そういう時は普通」

佐天「あわてて取り繕うものじゃなないでしょうか?」

詠矢「いや…、すぐにバレる嘘はつかないことにしてるんで…」

佐天「…」

389 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:33 ID:SSOPNbT5a.net
佐天「…」

佐天「…詠矢さん」

詠矢「はい?」

佐天「私と話しても面白くないですか?」

詠矢「いや…そんなことは決してない…ですけど…?」

詠矢「ちょっと考え事…でね」

佐天「また難しいことですか?」

詠矢「そうだ…なあ…。確かに…難しいこと…だねえ」

佐天「…そうですか…」

佐天「それはそれは、私のどーでもいい話なんかより」

佐天「よっぽ大切そうですもんね!」

詠矢「(あ、こりゃマズイな…)」

390 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:42 ID:4Vuw0Zlza.net
正直能力の設定とか割と面白くて好き

391 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:44 ID:SSOPNbT5a.net
詠矢「ゴメンゴメン、怒らせたなら謝るからさ…」

佐天「むー」

佐天「じゃあですねえ…一つお願い聞いてもらえます?」

詠矢「そりゃあもう…許容できる範囲なら…」

佐天「…えーっとですね、こないだから白井さんたちと話してたんですけど」

佐天「おいしいジェラートのお店が出来たらしくてですね…」

佐天「この近くのはずなんですよ」

佐天「一緒に行ってもらえませんか?」

392 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:50 ID:SSOPNbT5a.net
詠矢「…」

詠矢「いやいや、そんな何のペナルティにもならない内容なら」

詠矢「喜んでお供しますぜ」

佐天「ありがとうございます!ふふっ…」

佐天「えと、確かこっちです!(タタッ)」

詠矢「(しかしいーのかね、結構ヤバイ雰囲気なんだが…)」

詠矢「(まあいいか、ちょっとぐらい大丈夫だろ)」

詠矢「(女の子からのお誘いなんて、俺の一生で何度も無いだろうしねえ…)」

佐天「詠矢さーん!!」

詠矢「ほいほい、ついてきますよ」

393 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:28:55 ID:SSOPNbT5a.net
(とある店)

佐天「あ、ありました、こっちです…あっ!!」

店を見つけた直後、佐天の目にはオープンテラスに腰掛ける男女の姿が飛び込んできた。

佐天「あれは…御坂さん!!」

佐天「男の人と一緒だ!!」

詠矢「お…(早速行動に移したか…意外と早かったねえ)」

佐天「もしかして、デ、デートですか!?」

詠矢「はいはい、とりあえず隠れよう…」

佐天「え?って詠矢さ…(ムギュ)」

394 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:01 ID:SSOPNbT5a.net
詠矢は腰を落とすと同時に、佐天の頭を掴んで植え込みの下に押し込んだ。

詠矢「ほほう…結構いい感じじゃねえの…」

佐天「わー…楽しそうに話してますねえ」

佐天「あれって、彼氏さん!!…ですかね?」

詠矢「いや…『まだ』違うな…」

佐天「えっ!まだ…ってことは!十分脈ありってことですか!!きゃー!!」

詠矢「まあ、そう興奮しなさんな…」

詠矢「アイツは上条サンって言ってな、俺のバイト仲間で友達さ」

佐天「え、じゃあ、お知り合いなんですか…」

詠矢「まあね…。今後の展開がどうなるかは…上条サンにかかってるんだけどねえ…」

佐天「でも、もう十分いい雰囲気ですけど…」

395 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:07 ID:SSOPNbT5a.net
上条「へえ…、そんなことあったんだ。そりゃ面白れえなあ…」

御坂「でしょー?ねー、ふふっ…」

上条「…」

御坂「…」

上条「なあ…」

御坂「…ん?」

上条「御坂とこうやってゆっくり話すのって、初めてじゃねえか?」

御坂「え?そうだっけ?」

上条「もしもし?御坂さん?」

上条「いつも『勝負だー』とか言ってドタバタを仕掛けてくるのはどちらさんでしたっけ?」

御坂「…あー…あはは…、忘れてよ昔の話は…」

396 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:13 ID:SSOPNbT5a.net
上条「昔ってそんな前の話じゃねえだろ?」

御坂「だってさあ…あの時は…」

御坂「私の力がアンタの右手に全く通じないのが…どうしても納得行かなくて…」

上条「俺の右手…か…なんなんだろうな…これは」

御坂「あ…」

上条「ん?」

御坂「溶けてるわよ…」

上条「お、わっ…と!」

上条が左手に持ったコーンから、溶けたジェラートがあふれ出していた。

上条「うわっ、もったいねえ!!」

御坂「そんな、手に付いた分まで舐めないでも…」

上条「いやいや、これを地面に落とすなんて」

上条「上条さんそんなもったいないこと出来ませんよ!!」

397 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:20 ID:SSOPNbT5a.net
御坂「んー、まあ確かに美味しいけどさあ…(パク)」

上条「でもまあ…こうしてるとさあ…御坂も結構『普通』なんだな…」

御坂「何よ…普通じゃいけない?」

上条「いえいえ、上条さん的には全然オッケーですよ?」

御坂「じゃあいいじゃない。普通が一番でしょ?」

上条「…」

398 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:30 ID:ntTUBjKP0.net
すげー久しぶりに見た

399 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:34 ID:nGY+Z6T2a.net
御坂「…」

上条「でもまあ!さすが常盤台のお嬢様だよなあ!!」

上条「美味しい店をご存知でらっしゃる!!(パク)」

御坂「え?…ああ、ここは人から聞いたお店なんだけど…ね…」

御坂「(そういえば、黒子には悪いことしちゃったわね…)」

御坂「(あとでちゃんと謝っとかないと…)…(パク)」

白井「おねえさま!!」

御坂「……あ」

白井「こんなところで何を!!」

400 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:38 ID:nGY+Z6T2a.net
佐天「あ…白井さんだ…」

詠矢「うわ…さすが転移能力者…伏線も無しに現れるなあ…」

佐天「どうしましょう…なんかもめてますけど…」

詠矢「まあ、状況的にそうなるわな…」

詠矢「(御坂サン…、白井サンと約束してたって言ってたもんなあ)」

詠矢「(今上条サンといるってことは、それをすっぽかしたって事だもんなあ)」

詠矢「(そりゃ揉めるわなあ…)」

詠矢「さて…どうしたもんかね…」

佐天「…なんか白井さん暴れだしましたけど…」

401 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:47 ID:nGY+Z6T2a.net
詠矢「あー、やっちゃってるねえ…」

詠矢「御坂サンもなだめるのに苦労してるなあ…」

佐天「と、止めに行ったほうがいいでしょうか!?」

詠矢「佐天サンはともかく、俺が行くとややこしくなるだけだからやめとこう…」

詠矢「お、でた!転移ドロップキック!!」

詠矢「アレ避けられないんだよなあ…」

佐天「…なんか、体験したことあるような口ぶりですね」

詠矢「まあ…いろいろあってね…」

佐天「いろいろ…ですか…」

詠矢「まあとりあえず…状況を見守ろう」

402 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:29:54 ID:nGY+Z6T2a.net
佐天「どんどん被害が広がってますね…大丈夫でしょうか…」

詠矢「…だなあ…、あっ!!」

佐天「あっ!!」

詠矢「これはまずいパターンだ」

佐天「女の人かばおうとして…倒れこんじゃいました!!」

詠矢「そして起き上がろうとするときに胸を触る!!」

佐天「あ…すごい、その通りになった…」

403 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:00 ID:nGY+Z6T2a.net
詠矢「…さすがハイスペックのフラグ体質…」

詠矢「しかもラッキースケベ付きだ…。うらやましいねえ…」

佐天「え…うらやましいんですか…?」

詠矢「そりゃ、まあ…オトコノコ的には、そうでしょ…」

佐天「やっぱり詠矢さんでもそうなんですか…」

詠矢「まあ…ね。お、そろそろオチが付きそうだな」

佐天「オチ?ですか?…あ…」

佐天「御坂さんが…」

詠矢「こっから見てもわかるぐらい帯電してるねえ…」

詠矢「ってことは…」

404 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:06 ID:nGY+Z6T2a.net
御坂「…!!」

御坂「ナニやってんのよ…あんたわぁぁぁあああ!!!(ビリバチッ)」

上条「結局こうなんのかよ不幸だあぁぁぁあああ!!」

405 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:13 ID:nGY+Z6T2a.net
詠矢「…」

佐天「…」

詠矢「とりあえず、退散したほうがよさそうだな…」

佐天「…そ…そうですね…帰りましょっか…」

詠矢「じゃあ、ジェラートはまた今度だな…」

詠矢「約束どおり送ってくぜ」

佐天「はい、ありがとうございます…」」

詠矢「(ありゃまたフォローがいるな…)」

詠矢「(ったく…しょーがねえなもう…)」

佐天「あ、詠矢さんそこ右です…」

詠矢「うい、こっちだな…」

406 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:18 ID:nGY+Z6T2a.net
(学生寮、詠矢の自室)

詠矢「でー…」

詠矢「なんか今日は妙に疲れたなー…」

詠矢は疲れのままに、をベットに体を投げる。

詠矢「んー、飯作るのもメンドクサイなー…(ピピピピ)お…」

詠矢「土御門サンからか…よっと(ピ)もしもし?」

土御門『おう、ヨメやんかい?俺だ、土御門だ』

土御門『連絡もらった場所を早速調べてみたんだが』

土御門『わずかだが、魔術を使用した痕跡があったぜい』

407 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:33 ID:Z1F8AeEla.net
詠矢「そうか…、やっぱり魔術側の仕業だったか…」

土御門『これは俺のカンだが…恐らく使われたのは式神だな…』

詠矢「へえ…、あの陰陽師が作るってヤツかな?」

土御門『ああ…、実に精巧に仕組まれた術だ』

土御門『普通、式神を撃った後には呪術的な痕跡…特に式札が残るもんだが』

土御門『この場所にはその痕跡が無い』

詠矢「ああ、確かに、消えた後には何も残ってなかったな…」

土御門『ここまで完全に痕跡を消すとは…相手はかなり使い手だな…』

詠矢「なるほどねえ…、やっかいな相手だってことか…」

詠矢「ただ、ゲームのキャラを実体化して、何をしようとしてるんだろうな?」

土御門『それは俺にもわからないにゃあ…』

詠矢「そっか…相手の目的がわからんと、動きようもないな…」

408 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:37 ID:Z1F8AeEla.net
土御門『それでな、ヨメやん、俺はしばらく学園を離れて』

土御門『真々田のことを調べようと思う』

土御門『顔も素姓もわからない今のままじゃ、対策の立てようも無いからにゃあ…』

詠矢「そっか…正直いなくなられるのは心細いけどなあ…」

詠矢「逆に、調べられるのは土御門サンしかいねえもんな」

詠矢「こっちは、俺と上条サンでなんとかしのぐよ…」

土御門『よろしくたのむぜい…』

詠矢「あっと、そうだ土御門サン」

詠矢「この話、ジャッジメントに協力を仰いでもいいかね?」

土御門『そうだなあ…あまり公にしたくないことではあるが…』

409 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:42 ID:Z1F8AeEla.net
土御門『大事になった場合、協力してもらう必要があるだろうな』

土御門『判断はそっちに任せるぜい』

詠矢「わかった…、この話は上条サンに伝えとくわ」

詠矢「そっちも気をつけてなー」

土御門『了解だぜい』

詠矢「(ピ)…ふう…また考えること増えたなー」

詠矢「…脳にカロリーを吸い取られてる気分だねえ…」

詠矢「まあいいや…今日は適当に食って寝よう…」

詠矢「なんか、潤いが欲しいねえ…」

詠矢「まあ、望むべくもないか…」

詠矢「ふう…」

詠矢「おやすみー…」

410 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:49 ID:Z1F8AeEla.net
(とあるコンビニ)

詠矢「つーわけで、今話したのがこれまでに起こったことだ」

上条「…なるほど…状況はわかったけど…」

上条「よくわかんねえ話だな?」

詠矢「そうなんだよなあ…せめて魔術系の知識があれば」

詠矢「もう少し相手の意図を読めるかもしれねえんだがねえ…」

上条「そっか、その辺は俺も似たようなもんだしなあ」

411 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:30:56 ID:Z1F8AeEla.net
上条「せめてインデックスがいてくれりゃあなあ…」

詠矢「ほう、知らないキーワードが出ましたね」

詠矢「しかも、いてくれればってことは、そのインデックスってのは人の名前かな?」

上条「ん?ああ、こないだまでうちに居候してたシスターなんだけど…」

上条「魔術に関しては、知らないことがないぐらい詳しくてさ」

詠矢「シスターって…、ここに来てまた女の影かい…」

詠矢「しかも同居してたってのは聞き捨てならないなあ」

上条「女っても、子供だぜ?保護者みたいなもんだろ?」

詠矢「…上条サン守備範囲広いなー」

412 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:01 ID:Z1F8AeEla.net
上条「なんでそっち方向の話になるんだよ!!」

詠矢「そりゃ自然とそうなるだろ…まあいいや…」

詠矢「どっちにしろ、その魔術に詳しい人ってのは今いないわけか」

上条「ああ、今は故郷のイギリスに帰っちまってるんだ」

詠矢「協力は望めないってことだな…まあしょうがねえか…」

上条「いまんとこは、何も起こらないことを祈るだけだな」

詠矢「まあ、そうなっちまうな…」

413 :大橋 ◆CAEU.QT/o6 :2020/01/16(Thu) 14:31:05 ID:/f2MbPjc0.net
糞定期は嫌いやが何個もID変えてまで貼る精神力は評価する

414 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:08 ID:Z1F8AeEla.net
上条「ふぅ…」

詠矢「どした?上条サン。元気ねえな?」

上条「まー、いつものこととはいえ…いろいろ疲れる事があるんですよ…」

詠矢「疲れる…ねえ…」

詠矢「なんか悩みでもあるのか?俺でよかったら相談に乗るぜ?」

上条「…はは、こればっかりはなあ」

上条「人に相談してどうなるもんでもないしなあ…」

上条「ただ上条さんは静かに暮らしたい…それだけなんですよ」

詠矢「…(うむ、気にはなってるようだねえ…。さて、どこを切り口にするか…)」

415 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:15 ID:Z1F8AeEla.net
詠矢「…そういやあさあ上条サン」

上条「なんでせうか?」

詠矢「昨日、ジェラートを召し上がってるトコを拝見したんですが…」

上条「でっ!!…(ドガッシャーン)」

詠矢「おお、盛大にコケたねえ…大丈夫か?」

上条「あ、あのー、詠矢さん?…どの段階からご覧になってたんでしょうか…?」

詠矢「白井サンが現れるチョイ前ぐらいかな…」

上条「なんだよ…見てたんなら助けてくれてもいいだろ…」

詠矢「スマンがねえ…俺には伏線があったんで、多分出ると余計ややこしくなった」

上条「なんだよそれ…薄情なヤツだな」

416 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:27 ID:ewRBQipCa.net
詠矢「まあその話じゃなくてえだな、問題なのは…」

詠矢「同伴してた御坂サンと、結構楽しくお話したって事ですよ」

詠矢「そこんとこどうなんですか?」

上条「どうとか聞かれてもなあ…。」

上条「なんか急に誘われたからさ…まあ…その…流れで…」

詠矢「楽しかったことは否定しないわけだねえ…」

上条「まあ…確かに…いつもとは雰囲気違ったかもな…普通に話せたし」

417 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:33 ID:ewRBQipCa.net
詠矢「へー、交際を派手に否定してた割には…いい感じじゃねえの?」

上条「だからあ!交際って、アイツをそんな風に見たことねえし!」

詠矢「じゃあ、見るようにすればいいっしょ。御坂サンに特別不満でもあるわけかい?」

上条「いや、そういうわけじゃねえけど…んー。流石の上条さんも中学生を相手に…」

詠矢「中学生っても2。つしか違わねえんだろ?なんか問題あるか?」

上条「…んー…」

詠矢「(やっぱ、地味に否定する要素を取り除いてやるのが一番か…)」

418 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:39 ID:ewRBQipCa.net
詠矢「(しかし…メンドクサイなあ…こっちの心が折れそうになるわ)」

詠矢「ま、決めるのは上条サンだけどね…。少しは相手の気持ちも考えてみたらどうだい?」

上条「…」

詠矢「(ウィーン)お、いらしゃいま…せ?」

御坂「…」

上条「…!!」

詠矢「…ち、ちわす…」

御坂「…ちょっと…あんた」

詠矢「え?俺?」

御坂「ちょっと来て!!…(グイ)」

詠矢「わっ!!っと…なになに!?」

419 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:41 ID:WWEWvwMTM.net
長すぎて無理

420 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:47 ID:ewRBQipCa.net
(とあるコンビニ、駐車場)

御坂「…」
詠矢「…」

御坂「…」

詠矢「御坂サン、いきなり引っ張り出してダンマリはねえわなあ…」
詠矢「俺に何の用だい?」

御坂「えっ?…えっとね…あの」
御坂「…私…あの…また…」

詠矢「またやらかしちまったのかな?」

御坂「…(コク)」

詠矢「んで、けしかけた俺に相談に来たと?そんなとこかな?」

御坂「……(コク)」

詠矢「アテにしてくれるのは光栄だけどねえ…」
詠矢「一つだけ確認しておきたいことがある」

御坂「…なに?」

詠矢「相手は上条サンでいいんだよな?」
御坂「……!!!」

詠矢「そこを確認しとかないと話が始められない」

421 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:53 ID:ewRBQipCa.net
御坂「…あ…あんた…知って…(カア)」

詠矢「知るも何もバレバレだってーの」

詠矢「それに、偶然とは恐ろしいモンでね」

詠矢「昨日の件は目撃させてもらいました」

御坂「…えっ!!」

詠矢「いままでは毎度ああゆう顛末だったんだろう」

詠矢「恐らく、あのまま流れて二人に進展は無かった…そんな感じかな」

御坂「…うん…いつも…うやむやになって…」

詠矢「うむ…今度こそそんな展開にはさせたくないなあ…」

詠矢「ちと考える…後で策を送るので…メアド教えてくれんかね?」

御坂「わかった…じゃあ赤外線で…」

詠矢「うい、じゃあまた後でな」

422 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:55 ID:xHus/8jJM.net
VIPでやれ

423 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:31:59 ID:ewRBQipCa.net
(とあるコンビニ)

詠矢「(ウィーン)よっと、いやゴメンゴメン」

上条「…(ジロ)」
詠矢「…なんだよ、怖いな上条サン」

上条「御坂と何してたんだ?」

詠矢「ん?いや、相談ごととかね。いろいろ…」

上条「相談?御坂がお前にか?」

詠矢「おう、そうだよ?意外かな?」

上条「そりゃ…まあ…な」

詠矢「…気になるかい?(ニヤリ)」

上条「いや、別にそういうわけじゃ…」

詠矢「(よしよし、こっちはこっちで進行してるねえ…)」

詠矢「…よし…」

上条「どした?」

詠矢「上条サンさあ、ちとお願いなんだけどね…」

424 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:06 ID:ewRBQipCa.net
(常盤台中学学生寮。御坂の自室)

御坂「…ただいま…」

白井「おかえりなさいましお姉さま…」

白井「…また遅いですわね…。どちらへ行かれてたましたの?」

白井「はっ!!、まさか…また…」

白井「あの殿方と逢引を!!!」

御坂「えっ!、違うわよ…ちょっと…寄り道してた…だけよ」

425 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:12 ID:ewRBQipCa.net
御坂「(昨日の今日で、まともに会えるわけ無いじゃない…)」

白井「ほんとですの?…ならいいんですが…」

白井「昨日の件は驚きましたわ。どうそそのかされたのか存じませんが…」

白井「わたくしとの約束を袖にした上に、まさかあの類人猿と…」

御坂「だからあ!それは何度も謝ってるじゃない…」

白井「やはり、より注意すべきは詠矢さんですわね…」

白井「なにやら吹き込んでいたと初春が証言していますし…(ブツブツ)」

御坂「ちょっと黒子!聞いてるの!?」

御坂「…もう…。(ブブブブ)あ…メールだ…(ポチ)」

426 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:19 ID:rPKGOyv5a.net
御坂「…あ(アイツからだ…なになに…作戦?…)」

御坂「…!!(え!?なに言ってんのよ!そんなことしたらまた大騒ぎに…)…(ポチポチ)」

御坂「…(返信っと)」

白井「…?」

御坂「…(ブブブブ)…(あっ…早いわね)…(ポチ)」

御坂「…」

御坂「……」

白井「お姉さま?どうかなさいまして?」

御坂「…(ふう)」

427 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:24 ID:rPKGOyv5a.net
御坂「…(アイツの作戦に乗るのは気に食わないけど)」

御坂「(今は仕方ない…か…)」

白井「お姉さま?」

御坂「…ねえ黒子」

御坂「今度の週末、確か駅前のショッピングモールでセールがあるでしょ?」

御坂「一緒に行かない?」

白井「あら、お姉さまからのお誘いはうれしいですけど…」

白井「セールと言っても服のでしょう?わたくしたち常盤台の学生は」

白井「お洋服を買いに行ったところで、着る機会がございませんわ…」

御坂「…(う、そう来たか…)」

428 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:24 ID:YPAF5BRy0.net
カメレオン

429 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:30 ID:rPKGOyv5a.net
御坂「…あ、でもインナーとか小物とか、結構欲しいものがあってさあ…」

白井「…!!」
白井「インナー!!インナーとおっしゃいましたですかお姉さま!!」

白井「そう、つまり下着、ラン…ジュぇリーのことですわね!」

御坂「え?あ?…まあ、そうかな?…」
白井「むふふ…そのお買い物にご同行させて頂けると!!」

白井「この白井黒子!たとえ槍が降ろうが酸性雨が降ろうが、かならず同行させて頂きますわ!!」

白井「(これは千載一遇のチャンスですわ!!)」
白井「(ここはさりげないアドバイスで、お姉さまを内側からわたくし色に染め上げて!!)」

白井「…(ムフフフ)」
御坂「黒子…よだれよだれ…」

御坂「じゃあ、また細かい時間は連絡するから…よろしくね?」

御坂「…(こんなので本当に大丈夫かな…)」

御坂「(いろんな意味で…週末が怖い…)」

430 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:32:56 ID:YRX/aFvKa.net
(とあるショッピングモール 週末)

白井「…」
御坂「…」

上条「…」

詠矢「…」

詠矢「やあやあ」

詠矢「偶然だねえ、お二人さん…」

白井「…どどどどど…どー言うことですの!!!」

白井「なんでこの方々がいるんですの!!」

白井「しかも類人猿と詐欺師!最悪の組み合わせですわ!!」

上条「(類人猿って…)」

詠矢「詐欺師はひでえな…白井サン」

詠矢「まあ、いいんじゃねえの?せっかくのセールなんだし」

詠矢「四人で回った方が楽しいぜ?」

白井「誰があなたたちなんかと!!」

白井「今日はお姉さまと水入らずでスウィートな時間を過ごすんですの!!」

白井「邪魔されたくありませんわ!!」

431 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:33:16 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「でもほらさあ、服とか、異性からの見た目とか重要だったりしねえ?」

白井「そんなもの必要ありませんわ!!」

上条「…(なんか張り合ってるなあ)」

御坂「…(ジッ)」

上条「…ん?ああ、御坂…なんかゴメンな?」
上条「今日は白井と二人の予定だったんだろ?」

御坂「…いいの」
御坂「私が頼んだの」

上条「…はい?」

御坂「それより…こないだ…ね?」

上条「お、おう…」

御坂「…ごめんなさい」

上条「えーっと…何の話でせうか…」

御坂「こないだ…またキレちゃって…あんたは悪くないのに…」

上条「ん?ああ、あの時のことか…」
上条「なになに、気にすんなよ。いつものことじゃねえか…」

御坂「でも…いつもこういうことがウヤムヤになるから…」

御坂「今日はちゃんと謝っとかないとって…」

432 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:33:17 ID:SsfsQJUA0.net
落とすな

433 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:33:31 ID:YRX/aFvKa.net
上条「…」
上条「…ん、そ、そうだな…。なかなかいい心がけじゃ…ないか?」

御坂「…ありがと」

上条「…ん」

御坂「…」

白井「コゥラァアア!!!そこお!!お姉さまとなにをお話に!!」

詠矢「はいジャッジメントの白井黒子さん!!」

白井「…!!?」

詠矢「週末のショッピングモールはセールの最終日」

詠矢「人でごった返しております」

詠矢「ここで能力者が暴れたらどうなるか?お分かりですよね?」

白井「…」

詠矢「取り締まるほうが自ら容疑者になるおつもりで?」

白井「…」

白井「…相変わらず」

白井「…口の減らない…」

詠矢「まあまあ…ここは穏便に…ご一緒しません?」

434 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:33:38 ID:YRX/aFvKa.net
白井「…フン」

白井「…ま、付いてくると言うならご自由に!!」

白井「お姉さま、参りましょう!!」

御坂「ちょっと…黒子!!」

詠矢「んじゃ、俺たちも行くか、上条サン」

上条「なあ、詠矢…。俺はお前の買い物に付いて来たんだよな?」

詠矢「いや、それはこの状況を作り出すための口実だ」

上条「…また随分とあっさりお認めになる…」

詠矢「ま、いろいろあってね…」

詠矢「悪いようにはしねえぜ、上条サン…」

435 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:33:55 ID:oib211Qmd.net
最近のなろうよりは面白い事実

436 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:00 ID:YRX/aFvKa.net
(とあるショッピングモール内)

詠矢「…」

上条「…」

御坂「…」

白井「…」
白井「…どこまでついてくるんですの!!」

詠矢「そりゃまあ、ご自由にと許可も頂いたんで…」
詠矢「ついていけるだけ…」

白井「まったく…」
白井「(まあいいですわ、下着売り場には近づけませんでしょう)」
白井「(そこでまいてやりますわ!!)」

詠矢「…(さて…と)」
詠矢「…(チラッ)」

御坂「…!!」
御坂「…(コク)」

詠矢「ところで白井サン」

白井「なんですの?」

詠矢「神拳のソフィアの都市伝説って知ってるかい?」

白井「また藪から某に…」
白井「それがなんの関係がありますの?」

437 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:08 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「俺が聞いてるのは知ってるのか知らないのかってことだ」

詠矢「質問に質問で答えないでもらえるかい?」

白井「…」

白井「初春から、聞いたことありますが…それが?」

詠矢「こないだ目撃してね…実体化したゲームキャラを…」

白井「…まさか…そのようなことが?」

詠矢「見たのは俺一人じゃねえから間違いないさ」

438 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:14 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「それもどうやら…魔術側の人間が絡んでるみたいなんだよねえ…」

白井「…魔術側…?といいますと…この学園に敵対する勢力…」

詠矢「そうなんだよねえ…」

詠矢「今のところまだ実害は起こってないが…」

詠矢「ちとヤバイと思うんだよねえ…」

白井「詠矢さん…どこからそんな情報を?」

詠矢「ん、いや、情報源は詳しくは話せないが…」

詠矢「こないだの事件でいろいろコネが出来てねえ」

詠矢「きっちり信頼できる筋からの話だよ」

439 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:21 ID:YRX/aFvKa.net
白井「…そうですの…。もしそれが本当なら…問題ですわね」

詠矢「ああ…なんでさ、ジャッジメントの方でも警戒しといて欲しいんだよね」

白井「ええ、そういう話ならこちらでも…」

白井「あっ!(キョロキョロ)」

白井「お姉さまは!?」

詠矢「お、どか行っちゃいましたねえ…」

白井「…謀りましたわね…詠矢さん…」

440 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:27 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「ん?俺はただ白井サンと立ち話してただけでさ…」

白井「あなたの言い訳などどうでもいです!」

白井「お姉さま!!(ダッ)」

詠矢「追ってどうするんだい?」

白井「…知れたことを」

白井「あの類人猿の魔の手から、お姉さまをお守りするのです!!」

詠矢「魔の手ってのはずいぶんだな…」

詠矢「…御坂サンの決意を、白井サンは無にするつもりなのかい?」

白井「なんですって?」

441 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:32 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「御坂サンは上条サンに会うためにここにきた」

詠矢「俺はその状況を作っただけに過ぎない」

詠矢「まあ、白井サンに来てもらったのは俺の考えだけどね…」

白井「やはりあなたが黒幕でしたのね…」

白井「お姉さまをそそのかして…一体なにが目的ですの!!」

詠矢「俺は御坂サンの意思に沿ってるだけでさ」

詠矢「ちょいと背中を押してやってるだけでね…」

442 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:38 ID:YRX/aFvKa.net
白井「そんなはずはありませんわ!!」

白井「お姉さまが、どうしてあんな…」

詠矢「白井サン…実はうすうす気づいてるんじゃないか?」

詠矢「御坂サンの気持ちにさ…だからそんなに必死なんだろ?」

白井「…そっ…そんなことは!!」

詠矢「だいたい、白井サンの敬愛する御坂サンって人は」

詠矢「簡単に誰かにそそのかされる人なのかい?」

詠矢「それも俺みたいな『詐欺師』にさ…」

白井「…そっ…それは…」

443 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:44 ID:YRX/aFvKa.net
詠矢「一応確認のために言っとくが」

詠矢「俺の絶対反論(マジレス)は、能力にしか効果が無い」

詠矢「わかってるよな?」

白井「…」

詠矢「俺が能力を使って御坂サンの意思を捻じ曲げてるわけじゃない」

詠矢「すべては彼女の意思…。なら、尊重すべきだと思うけどね…」

444 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:34:56 ID:MHFmbzEEa.net
白井「…」

詠矢「俺の言いたいこと、伝えたいことは以上かな…」

詠矢「白井サンに聞いて欲しくて、今日は来てもらった」

詠矢「騙すような真似して悪かったね…」

白井「…」

詠矢「…んじゃ、俺はお先に失礼するわ…」

白井「…え?…」

白井「帰るのですか…」

詠矢「ん?ま、俺はここにいない方がいいからね」

詠矢「俺は今不可抗力ではぐれたことになっている」

詠矢「下手に上条サンたちに見つかると、せっかくの二人の時間に水を差しちまうからなあ…」

445 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:35:05 ID:MHFmbzEEa.net
白井「…よろしいのですか?」

白井「わたくしがまた…お二人の邪魔をしにいくかも知れませんわよ?」

詠矢「そんときゃそんとき。またフォローの方法を考える」

詠矢「それに、俺がここで白井サンを監視したところで同じことさ」

詠矢「転移能力者を物理的に止めることなんて不可能だしな」

詠矢「それとも…」

白井「…?」

446 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:35:41 ID:MHFmbzEEa.net
詠矢「これから、俺と遊んでくれるっていうなら、喜んで残るぜ?」

白井「…」

白井「…誰があなたなんかと…」

詠矢「まあ、そうだろうね…」

詠矢「んじゃ、帰ると言ったらとっとと帰るぜー」

詠矢「またなー」

白井「…」

白井「……」

白井「…お姉さま…」

白井「わたくしは…」

447 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:35:47 ID:MHFmbzEEa.net
とあるショッピングモール 別階)

上条「あ、あれ?白井と詠矢、どこいったんだ?」

御坂「多分別の階…だと思う」

上条「なんだよ…はぐれちまったのか…じゃあ連絡とって…」

御坂「いいの!そうしてもらったの!」

上条「…って…?」

御坂「…あんたと…その、もう一度二人に、なりたくて…」

御坂「でも、こないだのことがあって…さ、誘いにくくてさ…」

448 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:35:53 ID:MHFmbzEEa.net
御坂「アイツにたのんで…その…作戦…考えてもらったの……」

上条「…アイツって、詠矢か」

御坂「…(コク)」

上条「御坂…お前…」

御坂「…(カア)」

上条「…は、ははっ…なんだよ、そんなに気にしなくても!」

上条「さっきも言ったけどさ、あの程度の騒動、上条さんにとっては日常茶飯事ですよ」

上条「だから…普通に誘ってくれればいいぜ?」

御坂「…うん、ありがと…」

449 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:35:55 ID:4vJFEHu1M.net
>>435
人の褌で相撲を取ってるだけだけどな

450 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:01 ID:MHFmbzEEa.net
御坂「…ふう」

上条「どした?」

御坂「素直って楽ね…」

上条「???」

御坂「変な理由考えなくていいし、自分に言い訳しなくていいし…」

上条「…なにをおっしゃっているのでしょうか…御坂様…」

御坂「へ?え…な、なんでもないわよ!!」

御坂「さ、買い物行くわよ!!」
御坂「ゲコ太パジャマの新作が出ているのよ」
御坂「これだけは絶対おさえとかないと!!」

上条「…はー、さいですか…」

上条が御坂の後を追おうとした刹那

始まろうとしていた二人の時間を引き裂く怒号が、突然響いた。

御坂「…えっ!」

上条「…なっ!」

御坂「なに…今の…悲鳴?」

451 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:08 ID:MHFmbzEEa.net
上条「…まさか!!」

悲鳴は、ショッピングモールの中央を貫く吹き抜けの階下から発せられた。

上条は身を乗り出し覗き込む。

上条「…あれは…!!」

上条「スマン御坂!ちょっと待っててくれ!」

御坂「ちょっと、待ってよ!!」

上条はそのまま手すりを飛び越え、吹き抜けに身を投じる。

上条「…っと…」

一つ下のフロアに着地した上条は、ちょうど問題の対象に対峙する形となった。

上条「…てめえは…」

上条「詠矢から聞いてた通りだ…ほんとにそっくりなんだな…」

そこに立っているのは、長い金髪を髪留めでまとめ、透き通るような白い肌を持った少女。

上条「神拳のソフィア…か!」

452 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:14 ID:MHFmbzEEa.net
(とある街角)

件のショッピングモールから少し離れた街角。

淡々と歩く詠矢の姿があった、

詠矢「(…ふう)」

詠矢「(最大の障害である白井サンは一応押さえといたし)」

詠矢「(とりあえず一仕事済んだ感じかな)」

詠矢「(まあ、うまくいってくれりゃそれでいいが…)」

詠矢「(しかし…上条サン、ここまでやってもどうにもならなかったら)」

詠矢「(本気の上段正拳だぜ…覚悟しとけよ)」

453 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:21 ID:MHFmbzEEa.net
詠矢「…んー」

詠矢「…なんか寂しいねえ…」

詠矢「俺にもなんか浮いた話落ちてねえかなあ…」

詠矢「ま、あるわけねえか…ははっ」

詠矢「適当にぶらついて帰るか…お?」

詠矢「ゲーセン…か」

詠矢「神拳対戦台、絶賛稼働中…」

詠矢「まあ、なんかのヒントにでもなるかな?」

詠矢「安直かもしれんけど、ちょっとよってみるか…」

454 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:29 ID:MHFmbzEEa.net
詠矢「…お?ナンだ…?」

ゲームセンターに向かった詠矢の視界に、一人の人物が写った。

その人物は、大型のUFOキャッチャーを食い入るように覗き込んでいた。

??「…むむ…」

詠矢「(なにしてんだ…この人は…)」

??「甘い…造形が甘い…」

??「特に顔!フィギュアの命だというのに!!」

455 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:30 ID:DEvgixm+r.net
>>449
嫉妬してて草

456 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:36 ID:MHFmbzEEa.net
??「ラインの悪さを瞳の塗装でごまかそうとしている!!」

??「しかもその塗装の出来も悪いときた!!」

??「こんな出来で監修の名を付けられてはたまらないなあ」

??「製作側に苦情を出しておかないと!!」

詠矢「(監修?…??)」

その言葉に反応した詠矢は、近くにはられているポスターに目線を移してみた。

詠矢「(完全新作、ソフィアフィギュア)」

詠矢「(原型師、『御形屋 創一』監修バージョン…?ってなんて読むんだこれ…)」

??「なあ、君もそう思わないか!!」

詠矢「へっ!?(うわびっくりしたっ!)」

457 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:39 ID:yFRSuu8Cd.net
まあこいつが代表として語り継がれてるけど昔はこれと同じようなのがVIPに毎日のように立ってたよな

458 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:43 ID:MHFmbzEEa.net
詠矢「…あ、はあ…よくわかんないですけど」

詠矢「エレメカの景品なんてそんなモンじゃないっすか?」

??「そうだ、もっともな指摘だ。あらゆる商品にはコストがかかる、それはわかる…」

??「だが、それを差し引いても!!このフィギュアには愛が感じられない!!」

??「わかるかね!!愛だよ愛!!」

詠矢「は…はあ…(わかんね

459 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:50 ID:t8tP9ojLd.net
>>372
是非とも今の筆者に朗読してもらいたい

460 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:36:54 ID:MHFmbzEEa.net
詠矢「えっと…もしかして…この人…ですか?」

詠矢は先ほど見たポスターを指差す。

??「ああ、そうなんだよ!僕は原型師の御形屋 創一(ミカタヤ ソウイチ)って言うんだ!よくわかったねえ!!」

御形屋「黙っていても、滲み出る才能は隠せないのかもねえ(ウンウン)」

詠矢「え?…はは…そうみたいですねえ…(独り言聞いてただけなんだけど…)」

詠矢「(これは、あまり関わらない方がよさそうで…)」

詠矢「んじゃ…失礼しまっす…」

会話を断ち切って店の奥へと進む詠矢。

御形屋「髪のまとまり方が…(ブツブツ)」

当の人物は、再びケースの中のフィギュアを覗き込んでいた。

461 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:37:41 ID:05txR2H9a.net
(とあるショッピングモール 吹き抜け)

対象と数メートルの距離を置いて対峙する上条当麻。

上条「…」

相手を睨み付けつつ、周囲に注意を払う。

男「ん…ぐぐ…」

傍らには買い物客らしい男が鼻血を出して倒れていた。

男「な、なんだこの女!いきなり殴りやがった!」

この人物が、先ほどの悲鳴の主であることは用意に想像出来た。

462 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:37:51 ID:zsRsxZK8M.net
案外アニメ化したなろうの作者やってたりしてな

463 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:37:53 ID:05txR2H9a.net
上条「あんた、いいから逃げろ!ヤベえぞ!」

叫ぶ上条を、ソフィアは目を細めて眺め、静かに向き合う。

ソフィア「あなたが…私と…戦うのですか?」

上条「…戦いたくはねえが…」

上条「アンタかこれ以上暴れるなら…止めなきゃな」

ソフィア「…私の意志は私だけのもの」

ソフィア「立ちはだかるというのなら…私は戦う!」

上条「(あれ?…どっかで聞いたような台詞だな…)」

対峙した女性は、体をほぼ水平に、左手を突き出し、右手を鳩尾の近くに構える。

上条「…やるって言うんなら…相手になるぜ(スッ)」

呼応するように右手を突き出す上条。

464 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:03 ID:05txR2H9a.net
ソフィア「はっ!」

突如バックステップ。直後、左手を水平に振り下ろす。

ソフィア「シルバーエッジ!!」

掛け声と共に、左手の軌道がそのまま三日月状の飛来物となり、上条に襲い掛かった。

上条「なっ…!!…んだっ!?…んっ!!(キュイーン)」

咄嗟に右腕でかばう上条。狙い通りなのか、その飛来物は空中で掻き消える。

上条「(右手が…通じた…?ってことは…異能の…力か…)」

客「うわぁぁぁああ!!何だ今のは!?能力者か!!」

遠巻きに状況を見ていた観衆が、ソフィアが出した『飛び道具』に恐怖したのか、蜘蛛の子を散らすように逃げていく。

465 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:10 ID:05txR2H9a.net
周囲は、軽いパニックに陥っていた。

上条「…くっ!!(マズイな…逃げてくれるのはいいが…長引けば騒ぎが大きく…)」

ソフィア「はっ!」

焦る上条を尻目に、今度は一気に距離を詰めてくる。

と同時に、中段の回し蹴りを一閃。

上条「…っ!!(ガシッ)」

腰を落とし、たたんだ腕で相手の足を受け止めると、ガードの下がった顔面へ右の正拳を放つ。

上条「(コイツで…!!なんとかっ…!!)」

ソフィア「…!!(キュイーン)」

466 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:21 ID:05txR2H9a.net
上条の拳か相手の顔へ到達すると、その姿は一瞬で掻き消える。

そして直後、何かが落下したような軽い金属音が床から響いた。

上条「…なんだ…これ…?」

床に落ちていたのは、千円札を一回り小さくしたような金属の板。

拾い上げて見ると、なにやら得体の知れない文字が表面に刻みつけられていた。

上条「これは…魔術の道具か…なんかか…?」

467 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:30 ID:05txR2H9a.net
上条「…ダメだ、まるでわかんねえ…土御門に見てもらわねえと…」

御坂「…ちょっと…アンタ…」

突然賭けられた声に反応して上条が目線を向けると、そこには顔を上気させた御坂美琴が立っていた。

上条「御坂…」

御坂「アンタは…アンタはどうして一人で行っちゃうのよ!!」

上条「んなこと言っても…俺が行かないとヤバくて…」

御坂「違うわよ!!聞いてるのはそんなことじゃない!」

御坂「どうせまたなんか事件に巻き込まれれてるんでしょ?そんなのはすぐわかるわよ!」

御坂「どうして、どうしてアンタは誰も頼らずに一人で行っちゃうのよ!!」

御坂「そうやって突っ走って、後ろで心配してる人の気持ち考えたことあるの!?」

上条「…」

468 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:39 ID:Jz8brieg0.net
今猿さんあるんかな?

469 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:38:47 ID:oib211Qmd.net
匿名ラジオで架空の能力考えるコーナーでほとんどコイツのと同じ能力を恐山が考えてて草

470 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:39:05 ID:05txR2H9a.net
上条「…ダメだ、まるでわかんねえ…土御門に見てもらわねえと…」

御坂「…ちょっと…アンタ…」

突然賭けられた声に反応して上条が目線を向けると、そこには顔を上気させた御坂美琴が立っていた。

上条「御坂…」

御坂「アンタは…アンタはどうして一人で行っちゃうのよ!!」

上条「んなこと言っても…俺が行かないとヤバくて…」

御坂「違うわよ!!聞いてるのはそんなことじゃない!」

御坂「どうせまたなんか事件に巻き込まれれてるんでしょ?そんなのはすぐわかるわよ!」

御坂「どうして、どうしてアンタは誰も頼らずに一人で行っちゃうのよ!!」

御坂「そうやって突っ走って、後ろで心配してる人の気持ち考えたことあるの!?」

上条「…」

471 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:39:20 ID:05txR2H9a.net
上条「…いや、こんなことにお前を関わらせるわけにはいかねえだろ!!」

御坂「…笑わせないでよ…アンタ、私が誰だか知ってるの?」

御坂「学園第三位の能力者…超電磁砲(レールガン)の御坂美琴よ?」

御坂「私より頼りになる人間が、ほかに居ると思う?」

上条「…」

472 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:39:26 ID:05txR2H9a.net
御坂「アンタにとって、わたしは何?ただの知り合いの中学生?」

御坂「わたしはそれじゃ嫌。ただ守られてる女の子じゃなくて」

御坂「アンタと全てを分ち合えるような…」

御坂「そんな…特別な…存在に…なりたい…の…」

御坂「だから…私も…巻き込んで…よ…」

御坂は顔を伏せた。今の自分の顔は、とても見せられるものではなかった。

上条「御坂…」

上条の脳裏に、詠矢から受けた忠告が、順に思い出される。

上条「…」

何かを決意したように拳を握ると、上条は御坂の傍に歩み寄る。

473 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:39:37 ID:ZQsGmwIJa.net
こういうSSにしては臭さがマイルドやな

474 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:39:41 ID:05txR2H9a.net
ぼちぼち一時間規制やな

475 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:07 ID:05txR2H9a.net
上条「…御坂…お前がそんな風に思ってたなんて…考えてもなかった…」

上条「これからは…ちゃんとお前を頼る…それと…さ」

上条「特別の…ってのは、まだよくわかんねえけど…」

上条「お前のこと…もっとちゃんと…見る…からさ…」

上条「だから…顔を上げてくれよ…」

上条は静かに手を御坂の肩に置く。触れた瞬間、御坂の体がびくりと反応する。

御坂「…」

御坂「…わ…わかればいいのよ!!わかれば!」

476 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:16 ID:05txR2H9a.net
上がった御坂の顔には、照れと怒りと安堵が混ぜ合わさった形容しがたい表情が浮かんでいた。

上条「…何だよその顔は…」

御坂「う、うるさっ!!アンタが見せろって言ったんでしょうがあ!!」

御坂は照れ隠しに拳で上条の腹筋を突く。

上条「あいて、…いや、つい…な?ゴメン、悪かったって…」

御坂「で…まずは今の状況を説明してもらいましょうか?」

上条「ああ、わかった。でもちょっと待ってくれ、詠矢に連絡しねえと…」

御坂「なに、アイツも絡んでるの?」

上条「ああ、なんかあったらお互いに連絡することになってるんだ」

上条「よ…(ピ)」


白井「(お姉さま…)」

騒ぎを聞きつけ、白井もまたこの場所に駆けつけていた。

二人の姿を見つけると、反射的に柱の影に隠れてしまったが、そのやり取りは一部始終見てしまった。

白井「(やはり…お姉さまの決意は本物…)」
白井「(お姉さま、黒子は…どうすれば…)」

477 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:24 ID:05txR2H9a.net
(とあるゲームセンター)

詠矢「(えーっと…どの台だっけかな)」

詠矢「(お、あったあった…向かい合わせの対戦台か…)」

詠矢「(誰かやってるねえ…、ちょうど使ってるのはソフィアか…)」

詠矢「(乱入してみるか…、えっと…コマンド覚えてるのは…コイツだっけかな…)」

詠矢は百円玉を台に投じると、使ったことの有るキャラクターを選択する。

詠矢「さあて…」

478 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:32 ID:05txR2H9a.net
詠矢「…(カタカタ)」

詠矢「…っと!(カタッ)」

詠矢「……」

あっという間に詠矢のキャラは追い込まれていく。

詠矢「…!!」

詠矢「(…負けた…。ダメだ全く勝負にならねえなあ)」

詠矢「(いくら久しぶりとはいえ、完敗しちまったなあ…)」

詠矢「(どんなヤツだろ…)」

席を離れると、詠矢は台の反対側を覗き込む。

詠矢「…あ!」

詠矢「初春サンじゃねえの!」

初春「あれ?詠矢さんじゃないですか」

479 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:39 ID:yFRSuu8Cd.net
>>473
文章力が比較的マシな方だしな

480 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:40:47 ID:05txR2H9a.net
詠矢「へー、ゲームとかするんだ…」

初春「ええ、まあそんなにやり込んではいないですけど」

詠矢「やり込んでないのかい?結構強いと思ったけどなあ…」

初春「いえいえ、私なんかぜんぜん、ですよ」

詠矢「そんなもんかねえ…。上には上が…あ、乱入だね…」

初春「あれ、そうみたいですね…」

詠矢「向こうもソフィアか…どれ、お手並み拝見といくかね…」

481 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:41:27 ID:xFmqw1fz0.net
全ルート貼れ

482 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:41:34 ID:05txR2H9a.net
対戦が始まる。相手のソフィアは詠矢よりはるかに善戦し、初春とほぼ互角の戦いを演じるが、やがて追い込まれる。

詠矢「お、頑張るねえ…」

初春「でも、これで、終わりです!(カタカタッ)」

着地に合わせたコマンド技を避けきれず、相手のソフィアは最後の体力を削り取られ地に伏した。

初春「…ふう…」

詠矢「お、勝った勝った…すげえな初春サン」

初春「ありがとうございます!。でも相手の人も結構強かったですよ?」

詠矢「へえ…俺にはもうなにがどうなってるのかサッパリだったわ」

??「いや素晴らしい!!」

筐体の反対側から回り込んできた人物が、二人の会話に割って入った。

483 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:41:35 ID:U605FWupa.net
これ長すぎて最後まで見たことない

484 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:41:42 ID:0Hq3C5FMr.net
台本形式の文章見ると寒気がする
なんなんだろうなこの不快感

485 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:41:56 ID:05txR2H9a.net
御形屋「やあやあ、そっちの君はさっきも合ったねえ」

御形屋「それよりも君、先ほどのソフィアの使い手かね?」

初春「ええ…まあ…そうですけど…」

御形屋「素晴らしい!ただ勝ちを意識しただけの戦いではなく」

御形屋「キャラの特徴や性能を生かして、その能力を最大限に生かそうとしている!」

486 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:42:23 ID:8F2vG7FoD.net
落ちたな

487 :風吹けば名無し:2020/01/16(Thu) 14:42:25 ID:RWtksWUe0.net
>>484
芸人のネタを自分で作ってるやつとか地獄だよな

総レス数 487
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