阪神西「球際に弱い選手が多いし、１つのプレーが軽すぎる。」

風吹けば名無し

＜日本生命セ・パ交流戦：阪神2－3日本ハム＞◇7日◇甲子園

感情を抑え切れなかった。自責点０ながら敗戦投手となった阪神・西はバスに乗り込む直前に足を止めた。

　「誰も言わないから言います。今に始まったことじゃないですけど、球際に弱い選手が多いし、１つのプレーが軽すぎる。
相手の守備を見て何も感じないということはない。自分も含めてワンプレーに気持ちを入れていかないと」。
プロ入り以来、敗戦の責任を常に背負ってきた西が初めてキレた瞬間だった。

Eランプがともる度に、甲子園はため息に包まれた。
1度目は4回。3番近藤の二塁打をさばいた糸井の、セカンド糸原への送球が雨の影響で悪送球に。三進した走者を犠飛でかえされ、先制を許した。
2度目は6回1死一塁。中田の打席で、初球は一塁ファウルフライに打ち取ったかと思われた。だが、マルテが落球。その後、中田には適時二塁打を浴びた。

極め付きは7回。降雨中断を挟んだ直後、ショート北條が難しい打球を逆シングルで好捕。
だが、一塁送球がツーバウンドしてしまい、二進を許した。その後は大田の犠飛で3点目を献上。

「勝負どころでの制球が良かった」と有原を評価したが、そんな相手のエースに敗れたことよりもチームの現状に我慢ならなかった。

　この日の3失策で今季52失策はリーグワースト。併殺を取れないなど記録に表れないミスもある。
投手陣のフラストレーションが相当たまっているのは事実だ。
防御率2.31の力投が白星につながらないイラ立ちも重なったエースは最後に
「ウチのチームはまだ若い選手が多い。もっとがむしゃらにやってほしい」と加えた。

　チームは今日の敗戦で首位広島とのゲーム差は3.0。悲願の優勝ももここが踏ん張りどころだ。
投手と野手の信頼関係が崩れれば、シーズンも終わってしまう。

　≪気持ち分かるが≫
西の発言に阪神・矢野監督は困惑顔ながら
「気持ちは分かるけど、それをカバーするのもエース。西の言うことじゃない」とぴしゃり。
試合後は北條、マルテらの野手陣をコーチ室へ呼び出して反省会を行うなど、首脳陣もチームの立て直しに必死。
指揮官は「みんな分かっているんだから」と自分に言い聞かせるように話した。

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