あの選手は今、元読売ジャイアンツ吉川光夫（みつを）投手（40）の現在に迫る

風吹けば名無し

都内の小さな美術館の中にポツンと置かれた一点の絵、実はこの絵は元読売ジャイアンツの吉川みつを（光夫）画家が描いたものだ。
吉川さんは高校時代、広陵高校で豪速球投手として注目され2006年にメジャーリーガー田中将大の外れ一位として入団した。
入団当初は「カミナリ王子」と呼ばれる程人気があったが当時から制球難が目立ち、打ち込まれる場面が続き統一球時代にしか活躍する事しかできなかった。
2016年にトレードでジャイアンツに入団するも先発としてもリリーフとしても活躍できず2019年4月には一時勝ちパターンに組まれたが毎回炎上した為これが最後の一軍となった。
ある日、二軍でも全く使われず後輩たちからも無視される日々が続き失意の底の中、雨の中を歩いていたところ突然のカミナリが吉川に直撃、一命は取り留めたものの後遺症で全身の神経が焼き切れて口以外動かせなくなり引退を余儀なくされた。
引退後は相田みつをさんみたいになろうと口だけで描く画家になった（口しか使えない画家は星野富弘だが）最初は全く描けなかった次第に形になっていき今では文字を読めるくらい上達した。
作品の【うたれたって　いいじゃないか　とうしゅだもの】は多くのピッチャーに希望を与え、球団のプルペンに飾られている。
吉川さんはインタビューにて「僕みたいな全く使えないピッチャーを使ってくれた巨人に感謝したいです」と笑顔を見せ第二の人生を満喫している。
（写真　吉川みつを作品【2019年6月6 日楽天戦で4球連続ボールを投げたぼく）】