幸運の神様

1 ：風吹けば名無し：2019/01/09(水) 23:41:06.70 ID:cxJhLWU60.net

むかし、むかしあるところに男がいた。

その男は、とある村の長者をやっていた。彼の村は、とても貧しかった。

どうしてかは分からないが、ある日村の土が突然悪くなり、作物の育ちが悪くなった。

そうして、彼の父親のそのまた父親の頃から、もうずいぶんと長い間、村は貧しいままであった。

2 ：風吹けば名無し：2019/01/09(水) 23:41:44.55 ID:cxJhLWU60.net

村で満足な生活をおくる者は、誰一人としておらず長者である男もまた、例外ではなかった。

特に、この年はひどい日照りが続いていて、川の水は干上がり、わずかな作物さえも、枯れてしまいそうなほどであった。

男は蔵にある物を少しずつ売って、やっとのことで飢えをしのいでいた。

3 ：風吹けば名無し：2019/01/09(水) 23:42:04.14 ID:cxJhLWU60.net

ある日、いつものように蔵をあさっていた男は、妙な物を見つけた。

「なんだ、これは。人の形をしているが何の像だ？」

4 ：風吹けば名無し：2019/01/09(水) 23:42:31.05 ID:cxJhLWU60.net

それは、かなり古ぼけた像であった。貧相な顔をした、これまた貧相な体をした爺が、ニヤリと笑みを浮かべている、そんな像である。

だが不思議なことに、その像から男は強い力を感じた。もちろん、男には霊感なんてものはない。

「この像からは、不思議な力を感じる。ひょっとしたら、名のある神様を祭った像なのかもしれない。よし、ここはひとつこの像をきれいにみがいて、きちんとしてあげようじゃないか」

5 ：風吹けば名無し：2019/01/09(水) 23:44:14.33 ID:yKA6mPY7M.net

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