人見哲夫、常識を疑わずベッドで大往生

1 ：風吹けば名無し：2018/12/19(水) 20:31:50.68 ID:lMyfRGQg0.net

「学んでいない、常識を疑って伊那
」「考えることをやめて脳を腐らせている」
意識高い系のそんなうすっぺらい揶揄など気にも留めず、彼はいつも無難で常識的な選択をし続けた。

日本人だらけのつまらない土地への新婚旅行、妻の出産、子供の進学と就職、そして40年勤め上げた会社からの定年退職……。
若い頃は無限に存在するかのように思っていた可能性も、過ぎ去ってみれば案外どうってことのない結果に収束したものである。
だが哲夫に後悔は無かった。平凡ながら堅実な人生を歩み続けた六十余年の結婚生活は、確かに幸せなものだった。
愛妻マリコと子供たちに看取られながら、温かいベッドの上で、リネンのパジャマに身を包み、哲夫は安らかな寝顔で静かに息を引き取った。