坂本弁護士の同僚「死刑のせいで事件の核心部分が闇に葬られた」

風吹けば名無し

横浜市の坂本堤弁護士一家殺害などオウム真理教による一連の事件を引き起こした教祖の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚（６３）らの死刑が執行された６日、
坂本弁護士らの同僚らは、「事件の核心が不明のままだ」と無念さをにじませ、「いち早く違法性を追及した坂本弁護士の志を受け継ぐ」と決意を新たにした。

坂本弁護士が所属していた横浜法律事務所（横浜市中区）は刑の執行を受けて記者会見を開き、同僚だった小島周一弁護士（６２）は、「事件の核心部分が闇に閉ざされたままとなってしまったことを改めて残念に思う」と語った。

同事務所によると、坂本弁護士（当時３３歳）は１９８９年、娘がオウム真理教に入信して家出をした母親から相談を受け、これを機に、「ひたすら教祖の教えだけを正しいとして押し付けるオウム真理教のやり方は絶対におかしい」と、入信者の家族の支援を続けた。
この年の１１月、妻の都子さん（同２９歳）、長男の龍彦ちゃん（同１歳２か月）とともに行方不明となり、殺害された。
　
小島弁護士は、「松本死刑囚は一切事件を語ることなく、謝罪の言葉ひとつ述べることのないままに死刑が執行された。こういう教団がなぜ生まれたのか、きちんと検証して振り返ることがまだまだ進んでいないのではないか」と悔しがった。