ナメられてたまるか！“打倒・斎藤佑樹”に燃えていた虎打線

風吹けば名無し

負けるわけにはいかなかった。阪神が１２日の日本ハム戦（札幌ドーム）を１０―５で制し、借金１ながら２位に浮上した。貧打に苦しんできたうっ憤を晴らすかのように打線が大爆発。
一軍再昇格即スタメンの高山俊外野手（２５）が１号３ランを放てば、中谷将大外野手（２５）も２号２ランを含むプロ初の５打点と大暴れだ。
伸び悩んでいた若手の活躍には、金本知憲監督（５０）も「今は２人とも使いたいが、ポジションは決まっている。そこは競争だから」と、うれしい悲鳴を上げた。

　今季最多タイの１０得点と打線が発奮した裏には“打倒・斎藤佑樹”への強烈な思いがあった。チーム関係者は「こう言っては何だけど相手は前回、二軍でも結果が出ていなかった投手。
確かにうちの打線も打てないから何とかなると思ってぶつけてきたのかもしれないが、さすがに抑えられるわけにはいかない。ナメられるわけにはいかなかったから」と話した。

　斎藤は６日のイースタン・リーグのＤｅＮＡ戦で、４回途中８安打５失点（試合は降雨ノーゲーム）。結果を残しての昇格とは言えず、まるで阪神戦なら…という状況にナインは「抑えられてたまるか！」と燃えたわけだ。

　それでなくても今季は開幕直前にトレードで放出した西武・榎田に３日の対戦で手痛い“恩返し勝利”を献上し、５月２０日の中日戦では松坂に移籍後２勝目を許した。
何かと相手投手に辛酸をなめさせられてきたとあって「これで斎藤にまでやられたらまずかった。ただの１敗以上のダメージが残るところだった…」（球団関係者）。

　１３日に行われる阪神阪急ホールディングスの株主総会を前にしての会心の勝利。何とか浮上のきっかけにしたい。