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清太「どうすりゃいいんだ…」

1 :風吹けば名無し:2018/04/28(土) 03:59:01.88 ID:35rJTG7M0.net
本拠地、日本本土で迎えた太平洋戦争
沖縄戦線で大量虐殺、軍隊も勢いも見せず惨敗だった
日本中に響く国民のため息、どこからが聞こえる「物資が足りないな」の声
無言で息を引き取り始める国民の中、海軍大尉の息子清太は独り防空壕で泣いていた
日清戦争で手にした栄光、お金、土地、そして何より信頼できる条約関係…
それを今の大日本帝国で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ…」清太は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、清太ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい地面の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、畑まで野菜を盗みに行かなくちゃな」清太は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、清太はふと気付いた
「あれ…?大日本帝国民がいる…?」
防空壕から飛び出した清太が目にしたのは、満州まで埋めつくさんばかりの国民だった
千切れそうなほどに国旗が振られ、地鳴りのように大日本帝国の国歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする清太の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「セイタさん、着物を売りに行くぞ」 声の行方を振り返った清太は目を疑った
「に…西宮の叔母さん?」 「なんだ清太、居眠りでもしてたのか?」
「と…東條元総理?」 「なんだ清太、勝手に東條総理を引退させやがって」
「父さん…」 清太は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:節子 2番:お母さん 3番:西宮の叔母さん 4番:昭和天皇 5番:お父さん 6番:清太 7番:東條総理 8番:ルーズベルト 9番:リトルボーイ
暫時、唖然としていた清太だったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつなかった
「勝てる…勝てるんだ!」
節子からドロップを受け取り、火事場を全力疾走する清太、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった…

翌日、三宮駅で冷たくなっている清太が発見され、節子とお母さんは避難場所で静かに息を引き取った

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