2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ファンタジー小説書き始めたからちょっと読んでおもしろそうかどうか見てってくんない?

1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2017/05/16(火) 23:06:23.60 ID:jpR4IhKi0.net
 その老人は、この田舎町にある酒場の奧から二番目の席にいつも座っていた。
 老人と言っても、彼が総白髪だったために常連達が「爺さん」と呼んでいただけで、実際には年寄りだったのか見た目よりも若かったのかはわからない。

 その酒場は冒険者達の溜まり場も兼ねていて、彼らへの依頼の仲介もしていたため、一般人はあまり寄り付かないところだったのだが、老人は、伝説の勇者がその仲間達と共に魔王を倒し
一応の平和が訪れた五年前にフラリと現れ、それから毎日夕方には、窓際の夕日が見える席に座り、冒険者達のバカ騒ぎをニコニコしながら眺めていた。
 新參の冒険者が彼をからかったり食ってかかったりすることもあったが、彼は笑顔を崩さず受け流し、常連達が諌めて治まっていた。

 彼の悠然とした態度から、引退した大物冒険者であるとか、王都の古參兵であったとか、様々な憶測が流れたが、彼は自分の身の上を人に話すことは決してなく、また噂に対しても意に介していなかった。

総レス数 1
2 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver.24052200