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なろう作家「火を使えば料理ができる。知らなかったかい?」

1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2017/05/09(火) 15:33:21.41 ID:HbOAxFIN0.net
しかし、驚いたな。この世界の文化レベルは私の予想を遥かに下回っている。いや、下回ると言うのもだいぶ語弊があるな。
野菜や果物と言った食用植物から合成肉を含有した饅頭を生成する無人工場、その存在は明らかに現代の科学力を越えている。
しかしそれらはあくまで彼らが生じる前にいた、過去の高度な科学文明が残した遺物だ。
今の彼らの文化はさながら古代ローマの文化を継承したヴァイキングと言ったところか。
「カワヅツミ、古代文字を読める貴方にしかできない仕事です」
 村長アテナは蛇のような真ん丸の瞳でこちらを見つめながら、そのふわふわの白い髪を愛くるしく跳ねさせる。
本当にこんなか弱そうなロリータが村長なのだろうか。
「カワヅツミ、貴方の本気を見せてください」
打って変わって副村長ミネルヴァは鷲のような鋭い目つきでこちらを睨みつける。
彼女の強い口調に気圧されて、一瞬どちらが村長かわからなくなってしまう。
と言っても彼女のモフモフした茶髪もとても可愛らしくて良いのだが。
「本気、ってほどじゃないけれど、ね」
 確かに、この世界に来てからただの一度も料理をしたことがなかった。よくよく考えれば合成食料が配給制なのだから食事に困ることなどありえない。
しかしこのカワヅツミ、頼まれたからにはやらなきゃいけない性分である。これがなろう系主人公の辛いところだ。
「ふふ、カワヅツミはね、凄いんだよ。私達の知らないことをなんでも知っているの」
 バステトが猫撫で声でそう言いながらぎゅうっと私の左半身に抱きついてくる。
この娘の馬鹿力もだいぶ凄いと思うのだが、言ったら滅茶苦茶にされちゃう気がするので黙っておこう。
「だいたい料理なんてさぁ、適当に焼いて煮ればいいんじゃないの」
「焼く……? 煮る……? どうやって?」 
「えぇ? そりゃ、こう、火で――」

「――火が使えるなんて……流石カワヅツミ様……」

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