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【悲報】なろう作家、ついに異世界からも追い出される

1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2017/05/08(月) 10:04:28.55 ID:5JjPVbQTp.net
 鏡に映っているのは紛れもない自分の姿。騎士インペラーとしての佐野ではなく、生身の人間の佐野。
 咄嗟に腹部のベルトに触れる。契約者としての証明が――カードがない。
 騎士とモンスター以外の生物はこの世界に存在していられない。あの時確かに神の名を冠するあの男は彼にそう説明した。
 早く、早く元の世界へ帰らなければいけない。元の世界へ戻るべく彼は目の前の姿見に触れた。
「出してくれ……出してくれェッ!」
 彼の行為も虚しく鏡は何の反応も示そうとしない。冷淡な事実に気が付き佐野は絶望する。カードはこの異世界に入る為の一種のパスポートのようなもの。
 カードがなければこの世界に入ることができない。逆に言えば、この世界でカードを失えば、出ることも叶わない。
「友里恵さん! 友里恵さん!!」
 突発的な感情の爆発、不意に鏡に映る自分を殴りつける。打ち砕かれて撒き散ったガラス片が佐野の手を傷つけた。
 騎士の証<カード>を、そして鎧を失った今、この世界ではもう誰も俺を守ってくれない。だが、元の世界の彼女は――佐野は血塗れの手で、手鏡の役割を果たせるサイズのガラス片を拾い上げる。
「友里恵さん!! 出してくれェッ!!」
 満身創痍のまま必死に土手を駆け上がる。豪雨に濡れた泥と草が彼の足を滑らせる。
 彼女はまだ橋の上で俺を待っているはず。彼の予想は当たってはいた、だが――それが幸福をもたらすとは限らない。
「友里恵さんッ! 友里恵さぁんッ!」
 手鏡をかざして世界の向こうの彼女を探し出す。確かに、目の前には彼女がいた。彼女はまだ、彼女の騎士である佐野満を待ち続けていた。
 今、二人は同じ場所にいる。だが、そこには大きな隔たりがあるのだ。決して越えることのできない世界の壁が。
「出してくれっ! 出してくれよぉっ!! 俺は……帰らなくちゃいけないんだっ! 俺の世界にっ!」
 佐野の声は届きはしない。友里恵は彼を見つけられない。例えこの豪雨が止み、嵐が凪いだとしても。
「いやだっ、嫌だ嫌だいやだっ、いやだァッ! 出して……出してェ!!」
 手鏡が彼の手から零れ落ちる。消滅寸前の彼の肉体は、最早その形を留めていられなかった。小さく割れた鏡の奥へ、友里恵は静かに過ぎ去っていく。
「なんで――なんでこうなるんだよ……俺は……おれは……しあわせになりたかっただけなのに――」
 ――そして、また一人、騎士は消えた。

2 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2017/05/08(月) 10:04:54.28 ID:NbFHckCwd.net
トラウマやめろや

3 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2017/05/08(月) 10:04:56.08 ID:Dyyi8Lj6d.net
東方幻夢廻録
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