なろう主人公「病気にしてくるスライム食べたら美味しい」

風吹けば名無し＠＼(^o^)／

　遭遇したのは金色に輝くスライム。
　横幅三十センチくらいの、楕円形のゼリー状の魔物なんだけども、普通は水色か薄緑なんだ。
　赤っぽいのもいるがこの地方では珍しい。
　そして黄金ともなるとこの大陸にはほぼ存在しない。
　何でこんな場所に、しかも三匹も？

「ちゃぷちゅあ」

　中々好戦的らしく、黄色い液体を吐きつけてきた。かかると病気になるやつだ。
　僕は咄嗟に避け、剣を振り下ろす。若干へっぴり腰感は否めないけど両断できた。
　他の二匹も似た要領で倒す。スライムは基本最弱ともいわれる魔物。僕でもどうにかなった。

　……熱いな。
　体中から力があふれる感じがする。これレベル相当上がってるんじゃないの。あとで鑑定してもらおう。
　ちなみに僕は五レベルの雑魚である。

「黄金スライムもやっぱり食べられるのかな」

　スライムは、倒した後に食料としても役立つ。食べてきた物によって味が結構変わるので、スライム牧場なんてのもあるくらい。
　僕は半分になったゼリーの一つを取り、ガプッといく。

「甘ッッッッッ！？」

　まるで蜂蜜のような――
　でももっと上品な味で――
　思わず三口、四口。
　気づくと一個丸ごと食してた。