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初霜「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」 [ひまわり学級]

1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:23:32.08 ID:wdbmrVXv0.net
 特に誰かに目撃されるという事も無く私達は無事提督の自室に着いた。
「汚い部屋だが勘弁してくれ。とりあえずベッドにでも腰掛けてて。」
 汚い部屋と形容したがそこまでの汚部屋という訳でもなくそれなりに整理はされている。提督は奥で軍服を脱いでいる。これからする事を考えると少し不安だが後はなるに任せるしかあるまい。

「…初霜。もうそちらは大丈夫かな?」
「準備」を終え私の隣に座った提督はそう尋ねてくる。
「…はい、準備万端ですよ。」
 その言葉を合図に提督は私を自室のベッドに押し倒した。鍵はかけてあるし、提督の自室なら執務室の様に急に誰かが入って来るという事も無いだろう。

 怖い

 だが、同時に提督と一つになりたいという願望が心に浮かぶ

2 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:23:52.69 ID:OKcs0eyO0.net
毎秒立てろ

3 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:24:11.69 ID:wdbmrVXv0.net
結局私はその願望に忠実になる事にした。

提督の唇と私の唇が重なり合う。彼はフレンチキスで済ますつもりだったのだろうがそうはさせない。
私は腕を回して提督の体を半ば強引に抱き寄せる。彼は一見優男な印象をうけるが腐っても軍人である。
体はがっしりとしている。私の様な小娘一人抱きついたくらいでバランスを崩す事は無かったが、彼は私の行動に驚いたのだろう。
一瞬ひるんだ彼の口内に私はやや強引に舌をねじ込み蹂躙を開始する。
ここまで戦況は提督の有利だったがここらで多少反撃してもいいだろう。

4 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:24:16.07 ID:pDkJH8Le0.net
毎時立てろ

5 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:24:26.84 ID:wdbmrVXv0.net
一瞬ひるんだ提督もすぐに我に帰り迎撃を開始する。
舌を激しく絡ませながら提督は器用に私の服のボタンを外し、ブラをずらして小ぶりな乳房をあらわにする。
そのまま提督は唇を離し左指で左の乳首を、舌先で右の乳首の愛撫を始めた。
先程まで海上で訓練していたし、あまり良い香りはしていないだろうな…と思うがそれは仕方が無い。
それに火薬の匂いなどは既に体に染み付いていて今更洗って落ちる物でもない。
少なくとも重油と火薬と潮の混ざり合った香りが世間一般で言う少女の香りと間逆の物である事は確かだろう。
でも存外提督は特に嫌な顔はしていないのでこれはこれで興奮してくれているのかもしれない。
そんなくだらない事を考えているうちにも提督の愛撫は激しくなってくる。
「んっ、うん、あっ…」
自分でするのとは全く違う感覚に私の嬌声は自然大きくなる。
提督は攻め手を休めず残った右手の指を私の秘部に進出させる。ショーツの中に手を入れ触られてビクンと体が跳ねた。
他人に触られるのは当然初めての事であるので反応も大きくなる。

6 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:24:41.60 ID:wdbmrVXv0.net
「初霜、弄るぞ。」
「はい…提督…初めてなので優しく…」
「了解。」
提督はそう言われた通りゆっくりと私の秘部を触る。割れ目に沿って指を転がし、弄り、確実に私に快楽を与えてくる。
秘部からは早くも愛液が染み出し卑猥にクチュクチュと音を立てていた。
「うっ、ああっ、提督…」
「濡れてきてるな。中に挿れても大丈夫かな…?」
そう言って提督は中指を立てて秘部への挿入を始める。
「待って、心の準備が…」
私も年頃の少女なので何度か自分でした事はあるが、怖くて膣内にまで指を挿れた事は無かった。

7 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:24:56.86 ID:wdbmrVXv0.net
「…肩の力を抜いて、怖かったら目をつぶっておくと良い。」
「はっ、はい…っ、あぁっ、うぅん…」
提督の指が私の膣内に侵入して来た。初めての異物感に戸惑うが、やがてそれは快楽と興奮へと変化していく。
「ああっ…はぁ…提督、気持ち良いです。」
「それは良かった。痛かったらどうしようかと思ったよ。」


しばらく提督の愛撫を受けて快楽と興奮を高ぶらせていた私だが、そろそろ体が火照ってきてしまった。
それに提督の単装砲も興奮して巨大化しており発砲許可を今か今かと待っている様にも見える。
「…提督そろそろお願いします。」
「ああ。その前に初霜も服脱ごうか。多分汚れるだろうし。」
提督に言われて私も服を脱ぐ。

8 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:12.08 ID:wdbmrVXv0.net
「あ、あの、あんまりジロジロ見られると恥ずかしいです。」
「ああ、すまん。初霜が綺麗でつい、な。」
そう言って提督は目を逸らす。今更裸を見られて恥ずかしいも何も無いが服を脱いでる所をねっとり視姦されるのはあまり気分の良い物ではない。

服を脱ぎ終え戦闘を再開する。戦況はこちらの不利だが、まぁこちらは「初陣」だし仕方が無い。
「初霜…もう我慢出来そうに無い。中に入れるぞ。」
「はい。」
そう言って提督は私を押し倒した格好のままで秘部に巨大化した「単装砲」を押し当ててきた。
お互いから分泌された粘液同士が絡み合ってヌチャヌチャと音を立てる。これが私の中に入る事を考えるとなんとも複雑な気分になった。
しばらく粘液同士を絡ませていた提督だったが意を決したのか、ついに肉棒を膣内に挿入してきた。
そして提督は挿入させた勢いのまま私の処女膜を貫く。

9 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:23.74 ID:ZNp9V2Ny0.net
北の文豪定期

10 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:27.42 ID:wdbmrVXv0.net
「ぐっ…くぅっ…痛っ…」
「…すまん、もっと優しくするべきだった。」
「…大丈夫、こんなの戦場での負傷に比べたら…っうん…」
私の秘部からは先程から赤い血が愛液と交じり合って垂れている。初めての時は気持ちよくなれないとは聞いて覚悟はしていたが、
なかなかきつい物がある。だからといって提督に余計な気遣いをして欲しくは無い。
「あっ…くっ…提督…私は大丈夫だから…提督の好きに動いて。」
「だが…」
「いいから…すぐに慣れると思います…だから…」
「…初霜。」
そう言うと提督は私を強く抱きしめてキスをしてくれた。

11 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:38.04 ID:1KJPHk8z0.net
誰も読んでない定期

12 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:42.55 ID:wdbmrVXv0.net
「無理をするなって言ったろう?」
「…提督、心配しないでください。私はこうして提督と一緒になれて嬉しいんです。
だからこれくらい大丈夫です。続けてください…お願いします…」
「…分かった。俺も出来るだけ痛くないようにする。」
「お願いします。」
そう言って提督は行為を再開した。肉体同士がぶつかる音が室内に響く。

13 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:25:57.73 ID:wdbmrVXv0.net
初めは痛いだけだったがやがて慣れてきたのかその痛みも多少和らいできた。
その代わりに提督のモノが私の中を動くたびに膣内で痛みより快楽が占める比率が大きくなってくる。

「うぅっ…あぁ…提督…気持ちいいです。」
「俺もだ…」
「良かった…提督も私で気持ちよくなってるんですね…っうん!」
「…正直言うと、もうこっちも余裕が無くなってきた。」
ピストン運動を続けながら提督が呟く。正直こちらも限界が近づいている。
「私も…イキそう…提督、今日私安全日なんです。だから…中にっ!」
「初霜っ…もう限界だ…」
「はい。提督、いつでも…どうぞ。」
「うっ…くうっ…」

14 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:26:13.22 ID:wdbmrVXv0.net
提督はそのまま私の中に精液を発射した。熱いドロリとした精液が私の子宮に注がれていくのが分かる。
「イクっ…イっちゃう…」
殆ど同じタイミングで私も達してしまった。はぁはぁという二人の荒い呼吸が室内に響いた。

「…もし直撃したら責任は取らせてもらう。」
抱き合いながら提督が呟く。
「…はい…その心構え、立派だと思います。」
「男としてそれくらいは…な。」
上官が部下を孕ませたとあれば色々と問題になるだろうがその時はその時と開き直る事にした。

15 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:26:15.61 ID:no4AyHg20.net
立てたり立てなかったりしろ

16 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:26:28.86 ID:wdbmrVXv0.net
「初霜に渡したい物がある。」
事後、しばらくベッドの中で私は提督と抱き合っていたが、
提督はそう言ってベットを離れ机の中から一つの小さな箱を取り出し私に手渡してきた。
「なんですかこれ?」
「開けてくれれば分かる。」
恐る恐る箱を開けると中には指輪が入っていた。埋め込んである宝石はトパーズだろうか?
「ええっと、これは…いくら何でも気が早すぎませんか…?」
「…そう言われても仕方が無いだろうな。だがそれは結婚指輪じゃないんだ。」
「と、言いますと?」
提督が語ってくれた話をまとめるとこういう事だった。

17 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:26:43.61 ID:wdbmrVXv0.net
何でも少し前に軍で、ある程度錬度が高い艦娘を対象にした強化計画が発動されたらしい。
艦娘の能力にはある程度リミッターが掛けられているがそれを一定値解除してより艦娘を強化する事がその計画だ。
だが安全の為に掛けられたリミッターを外したのでは艦娘にも負担が掛かるし、なにより本末転倒である。
そこで艦娘に無理の無い範囲で安全にリミッターを解除するのがこの指輪の効果らしい。
提督が艦娘に指輪を渡す様を結婚に例えて「ケッコンカッコカリ」などと呼ばれているそうだ。

18 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:26:55.13 ID:wdbmrVXv0.net
「そういう事だからこの機会にと俺は君への告白に至ったわけだ。」
「何故今に告白なのかと思ったらそういう事があったんですか…」
「君への思いは本気だぞ。」
「それくらい提督を見てれば分かりますよ。馬鹿にしないで下さい、私はこう見えても提督より年上なんですよ。」
私の生まれは1933年。今年で81歳である。艦娘の歳の数え方がそれで良いのかどうかは知らないが。
「それはそうと是非とも指輪を受け取ってくれないか?」
「もちろんです、ありがとうございます。ところでこの宝石も元々ついていたものですか?」
受け取った指輪を色々な角度から見ながら私は尋ねる。
「いや、それは俺の注文だ。金に関しては心配するな。それくらいの蓄えはあるし軍隊生活じゃ特に使う機会も無いしな。」

19 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:07.78 ID:wdbmrVXv0.net
「でも加工しても指輪の効果って大丈夫なんですか?」
「その指輪を作った技術部の連中に頼んでしてもらった物だから安心してくれ…
艦娘の誕生日って起工日と進水日と就役日のどれにあたるか分からなかったから
初霜の進水日の11月の誕生石であるトパーズを選ばせてもらった。問題無かったかな?」
私の進水日は11月4日である。正直人間で言う誕生日がその三つの日のどれにあたるかは私も分からない。
「…それに関しては問題ありません。それにしてもトパーズですか…」
トパーズの石言葉は誠実、友情、そして「潔白」。汚された私の名誉の事を思うと偶然と言えばそれまでだろうが悪くない意味を持つ石だ。
「トパーズは嫌いだったか?」
「…いえ、大好きです。」
「それは良かった。早速つけてみてくれないか?」
言われた通り指輪を左手の薬指につける。大きさはぴったりである。そして同時に力が湧いてくるような気がした。

20 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:09.24 ID:DaXZxH4/0.net
オメガ定期

21 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:12.65 ID:u02DtTzAd.net
毎年立てろ

22 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:19.76 ID:wh0AXefya.net
おつちニキ今何してるんやろな

23 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:24.27 ID:wdbmrVXv0.net
「どうですか?」
「うん、似合ってる。初霜は可愛いな。」
面と向かってそんな事を言われると照れてしまう。
私はお返しとばかりに提督に口付けした。



24 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:27.50 ID:Jrv6LHq60.net
未来永劫立てろ

25 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:32.89 ID:UGPXXQWn0.net
いじるぞ

26 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:37.53 ID:C0HCO72N0.net
「汚い部屋だが勘弁してくれ。とりあえずベッドにでも腰掛けてて。」
 汚い部屋と形容したがそこまでの汚部屋という訳でもなく


なんかもうここだけで絶望的に文章力がない
2行の間に「汚い部屋」って何回書いとんねん

27 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:43.92 ID:cSj+BpcK0.net
もち

28 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:27:52.50 ID:sLGjyeNY0.net
>>17
仕事中にケッコンカッコカリって連呼する基地外居て吹いたwwwちな障害者枠で入ってるやつやで
http://imgu2x.net/omNGpbvHR.gif

29 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:02.16 ID:wdbmrVXv0.net
     日本海 某海域
 
 
 陽がとっくに落ちて久しく、半月の薄暗い輝きが煌々と照らす、深夜の海原―――――
 その何処か、海上に停泊している…… 否、“させられている”一隻の不審な船の甲板上を、
 煌々と仄かな輝きが照らし、その場に居る人間達の姿をくっきりと映し出している。
 
 甲板上には、変哲もない荒縄…… 恐らくは本来、漁業に属する用途を想定していたであろうそれで、
 全身を雁字搦めに固く縛り付けられ、指一本動かすことが出来ずにいる男達が転がされていた。
 男達の年齢は20代から50代ほどまで様々、揃いも揃って色褪せた作業着らしき衣服を身に纏っているが、
 明らかに殴打の痕と分かる青タンで顔を腫らし、抵抗する意欲すら奪われてしまった様だ。
 

30 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:05.73 ID:jkez69320.net
神定期

31 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:18.57 ID:UGPXXQWn0.net
ほんま名作

32 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:25.01 ID:wdbmrVXv0.net
 そして、男達にそのような仕打ちを貸したであろう人物の影が、同じく甲板上に二人ほど映し出されている。
 人影は二人共に女性…… それも、まだ高校にすら入学してるかどうか微妙な、10代前半の中学生といったくらいで
 そこそこ良い所の女子校を連想させる、臙脂色のジャンパースカートに青いリボンタイという制服姿に身を包んだ、
 本当に屈強な男性たちを叩きのめしたのはこの娘達なのか?と知らない人達が見れば問いたくなるような、
 一見すれば本当にか弱い少女達という外見だ。
 だが、見る者が見れば、彼女達が不審船の船員たちを“のして”しまったのは、十分当然な光景だと納得するだろう。
 何故ならば、彼女らは砂上の楼閣に築かれた仮初の平和に甘んじている、一般の女子学生などではない。
 そもそも、そんな一般人がこんな不審船に、それも乗員を締めあげる立場で存在する事自体が不自然だ。
 彼女らは“艦娘”。世界各国の 海上交通路シーレーンを荒らしまわる異形の存在、深海棲艦に立ち向かうために
 かつて存在していた艦船の名を襲名し、それを模した兵装を抱えて海を縦横無尽に駆け巡る、
 選ばれた少女達にのみ名乗る事が許された、人類に勝利を齎す守護者たる者達である。

33 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:34.95 ID:CcsuX+6pM.net
引越し先も開示されたのは流石に可哀想

34 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:40.65 ID:wdbmrVXv0.net
 ――――尤も、今現在彼女らが相手にしているのは、海を脅かす存在ではあっても、深海棲艦とはまた違う相手であった。
 違法操業の不審船…… 恐らくは日本国籍ではない近隣国の、ウニやアワビ、ズワイガニなどといった海産物を狙う
 密漁者が乗り込んだ漁船の類である。甲板上には網に掛った海の幸が、海水に塗れたままで転がされており、
 素人目にも密漁者達が現行犯…… 物的証拠を抑えられた上で拘束されていることが理解できるはずだ。
 ここ近年の剣桃太郎内閣以降で強化された法規制に基づくならば、国内において長期の懲役は免れないだろう。
 
 然るに、違法操業船の摘発というのも、海上の治安を守る艦娘としては立派なお仕事の一環ではあるのだが……
 それでも、彼らを締め上げた艦娘……駆逐艦級の兵装に身を纏った少女二人のうち片割れ、
 伸ばした黒髪の内側を桃色に染め上げるという、二色のカラーリングが印象的なアバンギャルドなヘアスタイルをした少女―――
 夕雲型4番艦駆逐艦「長波」の名を襲名した彼女は、甲板上の物的証拠をカメラに収めながらも
 やや不満げな表情を顔色にありありと浮かべている様子だ。
 

35 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:28:56.33 ID:wdbmrVXv0.net
長波「……なぁ、夕雲ぉ」

夕雲「あらぁ、何ですか?」

 長波が物憂げな風に溜め息を吐いたのに対し、傍にいた僚艦にして、同じ夕雲型に属する姉妹艦ネームシップ……
 「夕雲」の名を冠する、長い髪を一本の三つ編みに纏めた少女は、そのやや大人びた端正な顔立ちに
 僅かながら心配げな表情を浮かべ、姉妹艦たる長波の問いかけに返答を返す。

長波「これでもあたしはさぁ、“深海棲艦”とか“霧の艦隊”みたいな 侵略者インベーダー連中の横暴から
    市井の人々の暮らしを守る、俗にいう“仮面ライダー”みたいな? そういうのっぽいことをしたくて艦娘になったんだけどなぁ」

 長波はそう漏らすと、ギッチリ荒縄で拘束されたまま、甲板に転がされた密漁者達の姿を眺める。

36 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:12.39 ID:wdbmrVXv0.net
 隣国より領海侵犯してまで、海の幸による莫大な利益を狙ってきた彼ら……
 犯行現場を、哨戒任務中の長波と夕雲に見咎められ、現行犯で捕縛しまった訳だが、
 実のところ長波らの姿を視認した彼らは、当初はそれで操業を止めたりせず、
 むしろ船に備え付けられていた 突撃銃アサルトライフルで威嚇射撃する等、彼女らに対して嘲笑うかのような態度を取っていたのだ。
 まるで、見た目通りの若い生娘が目撃したところを、恫喝して追い払うかの如く……
 当然ながら、業務妨害と判断された夕雲らに船へと乗り込まれ、船長以下全員が“のされて”しまった訳だが。
 どうも彼らは「艦娘」という存在の実態を深く理解していなかったらしく、彼女らは「海上艦」なのだから
 陸に上げてしまえば普通の娘に過ぎず、屈強な大人数名に刃向うことなど出来やしない……そう思ってた節もあったようだ。
 実際は、彼女ら艦娘はかつての大戦で海に沈んだ「艦」の力と記憶を背負っていると同時に、一人の人間で有る訳で、
 嚮導艦の愛あるシゴキのもと日々修練を重ね、演習や実戦を通じて死線も乗り越えてきた、一端の“ 兵隊ネービー”なのだ。
 お陰で、貴重な弾丸は不審船の動きを止めるための威嚇で僅かに使ったに留まり、あとは舐めて掛ってきた相手を
 腕っぷしと小柄な少女故のフットワークで追い詰め…… そして今に至るという訳だ。

37 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:20.20 ID:S0b6y9of0.net
また君かあ

38 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:26.79 ID:wdbmrVXv0.net
 しかし、長波ら艦娘にとって、本来討つべき不倶戴天の敵は、海上交通網を荒らしまわる人外の異形・深海棲艦だ。
 更に言えば、ここ暫く彼女らは北方や南方など、深海棲艦と艦娘達が日夜拠点を争い拮抗している地域から離れ、
 こうして貨物船などの船舶を護衛する任務に従事するか、もしくは経済水域周辺にて哨戒任務に就くか、
 どちらか二択を日々繰り替えすだけの毎日を送っていたのだ。
 正直、彼女らが活動している地域は、新西暦189年現在で深海棲艦の類が頻発するような地域とはとても言えない。
 曲にも“艦船”としての力を振るえずに鬱屈していたところ、哨戒任務中に怪しげな影と遭遇する羽目になり
 久々に錆び付いた艤装に火を灯すことが出来るかと思えば、相手は深海棲艦では無く、たかが密漁者の漁船……

 犯罪者相手とはいえ、人類を守る為に得た艦娘としての力を、同じ人類に向けざるを得ないという矛盾のジレンマも合わさり
 生来武人かぶれな性分の長波は、その苛立ちを僚艦にして姉妹艦、戦友たる夕雲にも隠すことができずにいた。
 
 

39 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:35.52 ID:Vhcd9WGOa.net
ほなみの愛人ってマ?

40 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:39.54 ID:wdbmrVXv0.net
長波「現実は毎日毎夜の鼠輸送に、暇が出来りゃ、こんなしがない密漁者やチンピラ退治に駆り出される日常。
    幼き日々に図書館で触れ、胸を驚かせたルンガ沖夜戦の再現なんて、夢のまた夢だ…… 正直やってらんねぇよなぁ、全く」
 
 そう言いながら長波は、漁船の甲板に転がされていた突撃銃……恐らくは軍隊辺りから横流しされたであろう
 95式自動歩槍をひょいと拾い上げると、自身の艤装を括り付けている紐に縛り付け、そのまま背負い込む。
 捕縛した海上犯罪者からの武器鹵獲…… そもそも彼らがこうした得物を持ち得ていること自体が違法な訳で、
 それを“没収”の名目で取り上げた所で何を咎められるだろうか。
 生来の武闘派故に行き場のない苛立ちを日々募らせている長波にとって、現状唯一のささやかな趣味でもあった。
 
 そうした不満を顔色にまで露骨に浮かべるにまで至って長波を見かねてか、
 夕雲は我儘な妹に手を焼く姉のような振る舞いで、温和な表情をとって彼女を窘める。

41 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:29:54.81 ID:wdbmrVXv0.net
夕雲「まぁまぁ、そう言わないで…… これだって、立派な艦娘としてのお仕事じゃない。
    前線に出るだけが戦いじゃないですよ。こうやって小さなことでも海の治安を守って、深海棲艦と戦ってる皆が
    後方に安心して力を注げる土台を作ることも、私達が成すべき大事な任務じゃないかしら?」

長波「ケーッ! いや分かってはいるさ。いるからこそ、やりきれないんだよ全く……ふんぬっ」
 
 夕雲に正論をぶつけられてしまった長波は、バツの悪そうな表情を浮かべて頭をポリポリ掻くと、
 甲板に投げ出されている漁網に手を伸ばし、引っ掛かっている 海栗ウニ(当然、密漁されたものだ……)をもぎ取り
 手にトゲが刺さるのも構わず器用に殻を割ると、ワタも取り除かず生殖巣を美味そうに齧り付いた。

42 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:30:30.26 ID:wdbmrVXv0.net
                          アフターフィールドマウンテン                       うち
長波「やっぱ海の幸は美味い…… ま、 あとは野となれ山となれ、だぁ。ちゃっちゃと任務済ませて 警備府に戻るぞー」

夕雲「ふふっ、長波さんは良い子ね。無事に帰ったら、夕雲が夜食でも作ってあげましょうか」
 
 温和な表情に姉の余裕を携えた夕雲の声に、さしもの長波も頬を綻ばせて機嫌を取り直したようだ。
 
長波「おう、いいねぇ。んじゃこの密漁者を、とっとと海上保安庁にでも付きだして……」
 

43 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:30:41.58 ID:wdbmrVXv0.net
 ――――――次の瞬間、突然に大きく揺らいだ海面に翻弄され、船は大きく揺らぐ。
 
 
夕雲「……何!? いきなり海がこんなに揺れるなんて、まさか深海棲艦が」

長波「いや…… 何か違うぞ、これは」

44 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:30:49.21 ID:sVPtdvFU0.net
>>38
同級生にカマホモ変態野郎がいてそいつのアダ名ジレンマやったわ
http://imgol.net/wSDZDU.gif

45 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:31:15.96 ID:wdbmrVXv0.net
 突然の海模様の変化に違和感を抱いた二人は、一瞬この事象の原因として“仇敵”らの存在を連想するも、
 彼女らが今まで関わってきた“それ”の起こす災害とは、本能的な感覚だが違和感が浮かび上がった。
 船舶や海岸線に牙を剥き、無残なまでに貪り食って荒らしまわる深海棲艦のやり口とは違う、例えるならば……
 一隻の船舶を集中的に狙った何者かが、船底を手で揺らして乗組員を攻撃しているかのような。
  
 そして異変から間髪入れず、海面から“黒い影”が一体飛びだし、甲板に縛られた船員に飛びかかる。

黒い影「―――――――――!!!(奇声)」

船員「 ア……  アアアア――――!!」
 

46 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:31:29.68 ID:ztn+OC69a.net
糞定期

47 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:31:32.95 ID:wdbmrVXv0.net
長波「なっ……!?」
 
 長波らが反応するよりも早く、船員の頭は“黒い影”によって食い千切られ、首の断面より鮮血をシャワーのように噴出した。
 甲板に憮然と立ち聳える黒い影…… 月光の灯により鮮明に照らし出されたその姿が、長波と夕雲の眼に焼き付く。
 
 乱入者の正体、それは人型のフォルムをした、それでいて紛れもなく“異形”と形容できる類の存在であった。
 それだけの特徴で有れば、彼女らの“怨敵”とも共通してると言えなくもないが…… 外観は全くと言ってよい程異なる。
 その背丈はゆうに2メートルは越え、一糸纏わぬ体表には夥しいまでの“鱗”を生やし、首元には朱い“鰓”をパクパクさせ、
 手の指の間には“水かき”がある…… 俗な言い方をすれば「半魚人」という風袋の化け物であったのだ。
 

48 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:31:50.97 ID:wdbmrVXv0.net
 両生類の如く出っ張りギョロギョロした眼球、青白い肌…… 何もかもが、“人類”という知的生命体に大して
 恐怖心と嫌悪を抱かせるかのように自然の摂理が仕向けたかのような、悍ましい異形の風貌。
 それらの、今どき三流ホラー映画ですら扱わないような、典型的とも言ってよい正真正銘の醜い“バケモノ”。
 それが今、二人の少女の前で、口元から生々しい鮮血を滴らせて、動物とも人間とも付かない咆哮をした。

半魚人「――――――――GRAAAAAAAAAR!!!!!」
 
 
 長波らは艦娘として、今は前線から外されているものの、これまで 海上交通路シーレーンを荒らす異形の存在を相手に死線も潜り抜けた身であり、
 その相手には、当然ながら怪物染みた外観の持ち主…… 腐った魚が中途半端に手足や歯を生やした不格好なものや、
 フォルムこそ人間に酷似しながらも身体の一部が鉄塊に置き換わってたり、身体の一部が異常に肥大化してたりと
 文字通り“バケモノ”と形容して差し支えない見た目のものが多々存在し、彼女らもまた直接相対してきたのだ。

49 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:31:54.28 ID:wiyht421a.net
毎秒たてろ

50 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:32:07.30 ID:wdbmrVXv0.net
 しかし、目の前の「半魚人」はそれとは何かが違う…… 何と言えばいいのか、その怪物の「存在そのもの」が
 砂上の楼閣ほどしかない人類の“理性”に対し、根底から揺さぶりにかかってくるかのような……
 彼女らは脳裏でもその事実を上手く整理できないまま、そのような恐怖感に心を蝕まれつつある感触を味わっていた。
 
 
夕雲「……な、何これ」

長波「う…… うわああああああああああ!?」
 
 長波はその精神的恐慌を直に感じ取ってしまったか、すぐさま手元に装備していた12.7cm連装砲を構えると
 着弾補正云々を踏まえた計算もせずに発砲…… 半魚人に至近距離で榴弾を直撃させる。
 すぐさま、異形の半魚人は上半身を火達磨にし吹き飛ぶと、もんどりうって甲板上から転げ落ち、海中に落下する。

51 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:32:15.03 ID:aiMDH3n+0.net
カナチまだか

52 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:32:20.58 ID:wdbmrVXv0.net
長波「ハァ…… ハァ…… な、なんだあの化け物、深海棲艦じゃあ…… ねぇよな!?
    撃っちゃったけど…… 船員殺しやがったし問題無い、よな。夕雲?」

夕雲「え、えぇ……」
 
 夕雲は冷や汗を流しつつ、同じ駆逐艦仲間の秋雲が持っていた米国のゲイ・ポルノに
 演出の一環でこのような半魚人の着ぐるみ怪獣が登場していたのを脳裏で一瞬連想するも、
 そんな下らないことを考えている場合でないと考え直し、長波に声をかける。

夕雲「と、とりあえず、この海域から急いで離れましょう。長波、船の操縦は問題無いわよね?
    急いで保安庁にでも合流して、ここでさっきの半魚人が出現したことを報告しないと……」

53 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:32:34.62 ID:wdbmrVXv0.net
 そう夕雲が告げたと同時に…… 再び海が大きくうねり出し、船を揺らす。

長波「うわぁっ!! や、やっぱり只事じゃねぇぞオイ……
    でもさっきの半魚人はやっつけた筈だし、一体何が」

夕雲「ちょ、ちょっと長波、そんなに勇み足は」

 疑念を抱いた長波は甲板の縁に乗りだすと、海を覗き込み…… 目にした光景に絶句する。
 
長波「な…… 何だよ、これ」
 

54 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2016/02/04(木) 22:32:45.93 ID:wdbmrVXv0.net
 船を取り囲む海上には、先ほど海に叩きこんだ“半魚人”と同種であろう、異形の怪人が何匹も待ち構えており、
 鱗に覆われ、粘膜で滑った肌をてらつかせながら、その上半身を海面から付き出していた。
 彼らは一様にその醜い風貌を更に歪ませ、耳まで裂けた口からは名状しがたい、動物の鳴き声とも
 人間の唸り声とも取れない、非常に耳障りな“嘲笑”めいた雑音を不揃いで捲し立てている。
 
 また、それら半魚人に混じるかのように「巨大なザリガニ」と形容できるような怪生物も多数蠢いており、
 長波は一瞬の混乱を経て、その馬鹿でかい甲殻類が、過去に研修生時代に配布された資料に載っていた、
 かつて横須賀に出現し、市民や自衛隊を襲撃して甚大な被害を齎した「レガリス」と呼称される
 甲殻類の突然変異体であることを思いだす。
 
 

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