グリエル「どうすりゃいいんだ…」

1 ：風吹けば名無し＠＼(^o^)／：2014/07/06(日) 18:25:36.83 ID:1r3xUofA.net

本拠地、横浜スタジアムで迎えた阪神戦
先発加賀美が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
スタジアムに響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は１００敗だな」の声
無言で帰り始める選手達の中、キューバの至宝グリエルは独りベンチで泣いていた
キューバで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の横浜で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」グリエルは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、グリエルははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってトレーニングをしなくちゃな」グリエルは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、グリエルはふと気付いた

2 ：風吹けば名無し＠＼(^o^)／：2014/07/06(日) 18:26:11.18 ID:1r3xUofA.net

「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」ベンチから飛び出したグリエルが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの多村だった
千切れそうなほどに旗が振られ、地鳴りのようにキューバの国歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするグリエルの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ユーリ、守備練習だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったグリエルは目を疑った
「セ・・・セペダさん？」 　「なんだグリ、居眠りでもしてたのか？」「ア・・・アンダーソン？」 　「なんだユーリ、かってにアンダーソンを亡命させやがって」
「マシソン・・・」 　グリエルは半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
１番：坂本　２番：井端　３番：グリエル　４番：セペダ　５番：アンダーソン　６番：村田　７番：長野　８番：小林　９番：マシソン
暫時、唖然としていたグリエルだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
亀井からグラブを受け取り、グラウンドへ全力疾走するグリエル、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

翌日、ベンチで冷たくなっているキヨシが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った