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骨壺

1 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:43:15.63 ID:2IG1+XSm.net
貴洋は考えていた。人々のすすり泣く声を聞きながら、貴洋はぼんやりと立っていた。

2 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:43:39.44 ID:2IG1+XSm.net
目の前には、台が置いてあった。焼き場から出されたばかりのその上には、灰にまみれた小さな骨があった。

3 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:44:01.96 ID:2IG1+XSm.net
それは一英の骨であった。あまりに小さく細い骨は、ところどころが崩れ、しかしその形をしっかりと保っていた。膝の節々と、頭蓋骨が黄緑色に煤けている。

4 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:44:24.57 ID:2IG1+XSm.net
「親父、膝悪くしてた、からな」
貴洋の隣、喪服に身を包んだ洋が、震えた声でポツリとこぼした。人の手を借りたがらない頑固な一英は、膝を手術してでもやはり人の手を借りたがらなかった。一人で歩ける。そういいながら病院のベッドで眠っていた姿を見たのはいつか。

5 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:45:00.71 ID:2IG1+XSm.net
その際に埋め込まれたボルトが、まるで一英の意思を表す様に、骨に溶けて焼きついている。
貴洋はぼんやりと考えていた。次いでつぶやいた。なんで頭も黄緑色に煤けているの。

6 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:45:22.76 ID:2IG1+XSm.net
洋は答えなかった。
貴洋はじっと台の上の小さな骨を見つめる。そして一英が誇らしげに語っていた過去を思い出していた。

7 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:45:55.82 ID:2IG1+XSm.net
私は大正九年八月に朝鮮京城市で生まれ、一ヶ月後に広島県を経て東京の田園調布に移り、そこで成長しました。
昭和十三年に東京府立第一商業を卒業、明治大学に入り、十八年九月繰り上げ卒業。同年十月海軍予備学生となって館山海軍砲術学校に入隊しました。

8 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:46:16.36 ID:1DZ5wJPj.net
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9 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:46:19.29 ID:2IG1+XSm.net
四ヶ月の基礎課程を終わって翌十九年三月、恩賜優等賞を受け卒業し、海軍少尉になり、そのさい特別攻撃隊要員に選ばれたのです。

10 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:46:44.26 ID:2IG1+XSm.net
小さい貴洋を膝の上に座らせて朗々と自分を語っていた一英。貴洋は思った。親父は大きい。でも祖父はもっと大きい。単純にそう思っていた。いつか自分も祖父の様に盛大に自分語りするのだと、そう思っていた。

11 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:47:15.20 ID:2IG1+XSm.net
目標たる祖父。その姿が、目の前で転がっている骨とはとても結びつかないのだ。
貴洋はその目に何かが滲み始めたのを感じた。顔を歪ませ、どうにかこらえ様とするものの、変わりなくそれは奥の方から染み出して来ていた。

12 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:47:45.82 ID:2IG1+XSm.net
そうしてえづく貴洋を、ふと誰かが抱きしめた。それは洋の後ろに立っていた厚子だった。涙をこらえる息子の姿に我慢ならなかったのか、その顔を隠す様にして抱きしめた。

13 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:48:17.12 ID:2IG1+XSm.net
ただ唐澤貴洋の顔、その中心は厚子の局部に押しつけられていた。貴洋は懸命に振り回した手足を厚子の腹に足に腰に叩きつける。
いつも通り厚子は下半身を露出していた。その赤黒く発色する肉の間に、貴洋の鼻が挟まれて固定されているのだ。生温かい液体が、粘りながら唐澤貴洋の鼻の穴に流れこんでいく。

14 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:48:41.65 ID:2IG1+XSm.net
貴洋の顔が涙と粘液に塗れていく。窒息する。助けを求めて小刻みに動く血走った目に、洋の姿が映る。
洋もなぜか下半身を露出していた。必死な形相で、その粗末なチンコを猛烈にしごいている。そして次の瞬間、何かが激しく弾ける音と共に、洋のチンコが跳ね上がった。

15 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:49:09.13 ID:2IG1+XSm.net
気づけば、貴洋は解放されていた。鼻から流れ込む空気にむせて地面に転がる貴洋の視界に、後ろに大きく倒れ込んだ厚子の姿が映る。その額からは一筋の血が流れている。
洋はその厚子の姿を前に、粗末なチンコの先から、悲しげに一筋の紫煙をくゆらせて立っている。
貴洋は思わず呟いた。
「か、唐澤洋」
洋はやはり答えなかった。

16 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:49:31.54 ID:2IG1+XSm.net
〜終〜

17 :風吹けば名無し@\(^o^)/:2014/04/16(水) 19:50:55.80 ID:02HkCS6f.net
ほげっ

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