親父が一度だけテレビゲームに本気出したことがあったんだが

風吹けば名無し

俺が幼稚園児の頃の話

俺には兄がいて二人兄弟なんだが、兄が誕生日だかなんだか忘れたけどファミコンソフトを買ってもらったんだ。
タイトルは「魔界島七つの島大冒険」その時はメーカーなんてわかんなかったけどカプコンが出したゲームだった。

兄と二人で長い間魔界島で遊んでたんだけど、幼稚園児には難しくてやっと２つ目のステージをクリアしたところで詰んだ。
それで夕食の時間に兄と「魔界島がもう無理」みたいな話をしてたら、ファミコンなんて興味がなかった親父が「やらせてみろ」とか言い出して、夕飯の後に遊ぶことになった。

いざ親父にやらせてみたら、十字キーがなんなのかも知らなくて、ファミコンのボタンの名前から教えることになったんだが、当然１面の序盤でゲームオーバーになってた。まあ当たり前なんだが。
教えていたら幼稚園児なのでおねむの時間になり、部屋で寝た。

次の日の朝起きてリビングに行ったら親父がまだピコピコやっててビックリした。
俺に気づいた親父は興奮してて、その時は敵の名前がなんなのか知らなかったんだが、デカいレッドアリーマーみたいなのと戦っていた。

トイレに行きたかったんだが、親父が「ファミコンの近くを歩くな、止まっちゃうだろ」って言ったので我慢して見守った。
やっと倒したと思ったらスタッフロールが流れて、親父がソファーに倒れ込んで、「お前たち簡単にあきらめてんじゃないよ」みたいな偉そうなことを言って寝た。
トイレに行き終わったらお袋が起きてきて、いびきをかいてる親父にあきれてた。

親父はそれから先はパソコンで麻雀をちょっと触ったりしてたけど、ゲームに夢中になることはなかった。