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彡(゜)(゜)「ワイはアドルフ・ヒトラー。将来の大物芸術家や」改
- 1 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:14:35.76 ID:ZeoRTRuD0.net
- (´・ω・`)「ボクはアウグスト・クビツェク」
家具職人の息子だ
( ¯灬¯ )「お疲れさん ほれ今月の給料だ」
(´・ω・`)「ありがとう」
( ˙灬˙ )「またオペラを見に行くのか?」
(´・ω・`)「う うん」
( ¯灬¯ )「そうか…まぁ余った時間で何をするかはお前の自由だ」
- 2 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:15:41.62 ID:ZeoRTRuD0.net
- (´・ω・`) .。oO(毎日、機械的に作業をする毎日)
でもボクの人生、こんなのでいいのかなぁ…
楽しみと言えば貰ったお金でオペラを見に行くこと
ま、小遣い程度だから立ち見しかできないんだけどね
あの柱の下が秘密の特等席なんだ
あれ?先客がいる
┃柱┃
彡(゚)(゚)
(;´・ω・` ) .。oO(仕方ない)
こっちの壁にもたれながら見るか
今日の演劇は『魔弾の射手』だ
- 3 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:16:30.47 ID:ZeoRTRuD0.net
- ♬♪♪♪
(´^ω^`) .。oO(ああ〜いい。いい! )
どんな疲れも癒される
本当に…芸術からは勇気を貰えるよ
( ;´-ω-` ) .。oO(でも……)
柱が少し邪魔だなぁ
あいつがいなければもっとよく見えたのに
そういえば前もあいつに場所を取られたような…?
ボクは彡(゚)(゚)←このライバルを観察した
ひときわ青白く華奢な青年は目を輝かせて舞台に夢中になっている
いつもキチっとした身なりでどこか控え目
明らかにボクよりいいとこの家の子みたいだ
- 4 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:17:42.25 ID:ZeoRTRuD0.net
- ブー
( ´-ω-` ) .。oO(休憩だ…もう半分か)
ずっとこの時間を楽しんでいたいのに
(´・ω・`) .。oO(んーそれにしても)
今日の公演は音楽と演出はいいんだけど……
彡(-)(-)「歌手が微妙やな」
Σ( °ω° )
(´^ω^`)「そうそう! 歌手が台無しにしてるよね」
この一言がきっかけ≠セった
(´・ω・`) (゚)(゚)ミ
一九〇四年の十一月。ボクと彼は出会った
- 5 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:18:51.61 ID:ZeoRTRuD0.net
- ボクは彼の飲み込みの早さに驚かされた
理解力の点では間違いなくボクより優れていた
でも、音楽のセンスではボクの方が優っているように思えた
(´^ω^`) (^)(^)ミ
ボクと彼の話題は舞台のことでいっぱいだった
彼とは恐ろしく意見があい、喜びを覚えた
彡(-)(-)(´・ω・`)
でも、彼は自分のことを何一つ話さなかった
なのでボクも自分のことはなにも話さなかった
名無しの関係が続いてしばらく
いつもは劇場でさよならしていたのに
その日は違った。ボクは彼と一緒に帰ることになった
別れ際、彼は名乗った
「アドルフ・ヒトラー」と
- 6 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:20:14.48 ID:ZeoRTRuD0.net
- 『学校』
その単語を聞いたアドルフは怒りを爆発させた
彡(●)(●)「学校なんてところは ナマケ者を作る場所でしかない!!」
彡(゚)(゚)「そんな話より『リエンツィ』について語ろうや」
(´・ω・`)「まぁまぁ そうせっかちにならないで」
どうやらアドルフは学校に行ってないみたいだ
- 7 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:21:16.21 ID:ZeoRTRuD0.net
- (´・ω・`) .。oO(学校か…)
(´・ω・`)「ボクも学校にはいい思い出がないや…」
彡(゚)(゚)「ん どうしてや?」
アドルフはこの一言に興味をもった
だから、ボクは学校でひどい成績だったことを正直に告げた
彡(゚)(゚)「クビツェク…勉強はちゃんとしんとダメやろ」
(。゚ω゚)「えぇ!?」
自分のことは棚に上げて……
矛盾してるよアドルフ………
- 8 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:22:35.63 ID:ZeoRTRuD0.net
- 彡(゚)(゚)「まだ終わらんのか 劇はもう始まっとるぞ」
アドルフは待ち合わせの時間になっても来ないボクを迎えに
仕事場までやってきていた
彼はボクの仕事を煩わしい障害かなにかだと思っているようだ
黒いステッキをグルンぐるんと振り回しながらせかし続けてくる
- 9 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:23:45.20 ID:ZeoRTRuD0.net
- (ꐦ^ω^)「もう少し、待って」
イラっとしながらもボクは不思議だった
どうして彼は暇なのだと
だから何気なく聞いた
(ꐦ^ω^)「アドルフは何か仕事をしてないの?」
彡()()「……」
(´・ω・`)??
彡(●)(●) 「冗談やない!」
(。゚ω゚)!!
彡(-)(-)「お前の言っとる仕事ってのはな…」
彡(゚)(゚)「パンを得るための仕事や!!」
彡(゚)(゚)「そんなもんに時間を盗られるのはあまりに愚かや」
(´•ω•)「えぇ…」
- 10 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:23:53.10 ID:Gpg1pYjq0.net
- 彡(゚)(゚)
,-,っ.彡 と
./,{ヌじ,ヽ只>、 ワイのダンス
〈__>i \V7l | よう見とけや
〉 o | ,!
/ __ハ__ゝ_〉、
/'´ /ヽ \トノ
./ / \ .〉
.| | / /
| | 〈__,/
.|_| t__)
(_)'
- 11 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:24:58.35 ID:ZeoRTRuD0.net
- なにを言ってるんだよ……
食べるために働く
そんなの当たり前のことじゃないか…
( ´-ω-` )……
まあ、きっとアドルフは裕福な家の子なんだろう
(´・ω・`) .。oO(うーん…そうだとしても…)
何でボクみたいな家具職人の子を相手にしているんだろう?
- 12 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:26:47.71 ID:ZeoRTRuD0.net
- 大人しくて受け身がちなボク
相手の立場に感情移入できて順応性がある
対してアドルフは極めて短気で激しい気性
唐突に怒り狂うことがしばしばだ
(´・ω・`)ノ♬〵(゚)(゚)ミ
こんな正反対なボクらだけど芸術という共通の趣味で繋がっていた
ボクが聞き役でアドルフが話す役
舞台ならピッタリな配役だ
- 13 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:28:27.37 ID:ZeoRTRuD0.net
- 彡(゚)(゚)「クビツェク 迎えにきたで」
(´・ω・`; )「うーん ちょっと待って」
彡(゚)(゚)「遅い 始まってしまうぞ」
(´・ω・`)「ごめんごめん 木屑の掃除が大変でさ」
ボクたちは小道を歩いた
彡(゚)(゚)「クビツェク…ワイはいつかこの田舎町から出ていくつもりや」
(´・ω・`)「どこに行くの?」
彡(^)(^)「もちろんウィーンや!」
(´・ω・`)「羨ましいなぁ ボクも……」
(ヽ’ん`)「お? アドルフ! アドルフじゃないか!」
- 14 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:29:10.65 ID:ZeoRTRuD0.net
- (´・ω・`) .。oO(誰だろう…)
ボクらと同じ十六才くらい…アドルフの元クラスメイトかな?
(ヽ’ん`)「最近どうだい? 相変わらず痩せてるねぇ!」
彼はアドルフの上着を親しげに触って、語りかけていた
アドルフは基本的には他人にとても礼儀ただしい
ボクはその紳士的なアドルフを役者アドルフと呼んでいる
今回は素のアドルフと役者のアドルフ
どっちのアドルフかな?
(´・ω・`)チラッ
(。゚ω゚) .。oO(あ!ヤバい)
彼の怒りの導火線に火がついてしまっている
( ; ›ω‹ ) .。oO(くるぞ来るぞ…)
- 15 :風吹けば名無し:2024/05/01(水) 23:30:27.50 ID:ZeoRTRuD0.net
- 彡(•)(•)「そんなこと おまえには関係ないやろ!」
彡(●)(●)「将来の木っ端役人風情が!!」
Σ(ヽ’ん`)「ひっ ひえ」
彡(゚)(゚)「行くで!クビツェク」
(´・ω・`; )「えっ ちょっと いいの…?」
アドルフはボクの腕をつかむと黙って歩き出した
彡(゚)(゚)っ(´・ω・`) 三三3 ((ヽ’ん`))「あわわわわ」
ああ、顔が真っ赤になっちゃって…なんというか…御愁傷様…
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