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三島由紀夫の文章スピードwwuwuuwuwuwuwuwuuwuwuwu

1 :風吹けば名無し:2018/12/17(月) 12:24:38.23 ID:tecYMWzC0.net
月産たったの4万文字

私はひとりの小説家であります。机に向っています。
空中の窒素と酸素を化合させて、ある種の薬品を作る人のように、私はなんにもない空中からなんらかの元素を抽出して、それを文章に固定します。
これをもう十何年も続けているのですが、いまだにその技術には出来、不出来があり、楽々と書けることもあれば、書けないこともあります。
さまざまな肉体的精神的コンディションが私を掣肘し、さまざまな文学的理念や夢や現実が私を押しひしぎ、
一行の文章にも多くの芸術的、社会的、歴史的要請がひっかかり、私の筆を渋滞させます。
よく素人から聞かれることは、あなたの文章のスピードはどのくらいかということであります。
現在一千枚書いている作家もいるそうでありますし、また月三十枚も書けないという人もおります。
一晩に百枚書ける人もいれば、一晩に一枚も書けない人もいます。
故神西清氏の如きは五枚足らずの文章を編集者が催促して、とうとう書き上げるまでに数年間を要しました。
私のことを聞かれると、平均して月百枚という以上には何も言えません。
その百枚のなかには雑文もあり、小説もあり、戯曲もあって、筆の速度も一様でなく、その百枚から平均速度を割り出してもなんにもなりません。
気違いになったかと思うほど感興が湧いて一晩に十数枚も書けることもあれば、一晩坐っていて一枚も書けないこともあります。
たくさん書けても少く書けても別に作家の自慢にはなりません。
谷崎潤一郎氏が『盲目物語』を書いたときには、あの二百数十枚の小説を、ほぼ一日に一、二枚ずつしか進まない速度で、
高野山にこもって書き上げたといいますが、氏の一見流暢な文章が、如何に苦心惨憺して書かれているかがこれでわかります。
三島由紀夫「文章読本」より

42 :風吹けば名無し:2018/12/17(月) 12:47:50.77 ID:OzwMatKUp.net
>>31
自分から数学煽りしてこれはちょっと・・

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