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盲目のチノ「……準備してください」ワイ「は、はい!」
- 1 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 17:59:56.19 ID:5R/Bagsp0.net
- チノ「ワイさんみたいな猿を連れて歩かなければならなくなるなんて」ハァ
ワイ(なんでワイがこんな目に……)
数年前、『盲目の一人娘を世話係も付けずに放置しているのは世間体が悪いのでは』という懸念の声があり、結果、ワイはチノちゃんの身の回りの世話をすることになった
しかしチノちゃんはなんだかワイのことがキライみたいで、いつもいつも鉄杖で叩いてきて、ワイの全身がイタイイタイなのだった
チノ「うっ」ヨロッ
ワイ「し、失礼いたします!」バッ
ワイ「大丈夫でございますか!」
チノ「……なぜ、石のある上を歩かせたんですか?」ギロッ
ワイ「えっ、し、しかし、外ですし、そういうことも……」
チノ「……」スッ
ガツッ、ドゴッ
ワイ「うぶっ!」
ワイ「お、お辞めください!」
チノ「私は、ラビットハウスの長女ですよ! 私の身体に傷でもつけたら、ワイさんはどう償うつもりだったんですか!」ドゴッ、ドガッ
チノ「身寄りのない浮浪者の手でも引いているつもりだったんですか!」
チノ「次やったら殺してやります!」
ワイ(こ、このままだと殺される……)ハァハァ
- 629 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:06.28 ID:u/yRlCrCM.net
- 「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。
「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。
「フィロストラトスでございます。貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません。」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」
「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」
「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。
「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」
「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」
「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」
言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、メロスは走った。メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロスは疾風の如く刑場に突入した。間に合った。
「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉がつぶれて嗄れた声が幽かに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、
「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧りついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。
「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」
- 630 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:08.15 ID:EMczU9pkM.net
- これ原作何?
- 631 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:11.93 ID:5R/Bagsp0.net
- >>602
ゆっくり療養しただけや
別にそんな病院いかなアカン症状はなかったで
- 632 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:18.89 ID:HpVBsqP+M.net
- >>621
ガソリン飲み放題プランとか入ってんの?
- 633 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:20.14 ID:u/yRlCrCM.net
- セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑み、
「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」
メロスは腕に唸りをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。
「ありがとう、友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。
群衆の中からも、歔欷の声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。
「おまえらの望みは叶ったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚な妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」
どっと群衆の間に、歓声が起った。
「万歳、王様万歳。」
ひとりの少女が、緋のマントをメロスに捧げた。メロスは、まごついた。佳き友は、気をきかせて教えてやった。
「メロス、君は、まっぱだかじゃないか。早くそのマントを着るがいい。この可愛い娘さんは、メロスの裸体を、皆に見られるのが、たまらなく口惜しいのだ。」
勇者は、ひどく赤面した。
おしまい
- 634 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:21.21 ID:OG7bgr2ua.net
- >>621
君の言い分はある意味では通じたかもな
ただそれは君が小説家になろうで活動していなかったらの話や
君の全ての言葉は、自分の作品が人気にならないことへの言い訳にしか聞こえんのや
- 635 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:54:51.20 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
会社辞めてどれぐらい経ったんや?
- 636 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:55:15.34 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
ガソリンはいつから飲み始めたん?
- 637 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:55:47.51 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
ガソリン飲むのは病気やから診てもらったほうがええで
- 638 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:55:56.99 ID:CMpHN6LT0.net
- >>630
太宰治の走れメロスや
- 639 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:55:59.09 ID:2CH4DOhy0.net
- そもそもなろうとかゴミしかないのでは🤔
- 640 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:06.19 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
ガソリン男が
- 641 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:25.74 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
ガソリン飲めよ
- 642 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:33.36 ID:XHMPkFaua.net
- 拙者弱くて草
- 643 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:37.40 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
続き
- 644 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:40.38 ID:5R/Bagsp0.net
- >>634
この場合ワイの立場は関係ないやろ
立場でいっても、作者だからこそ理想と違ってプライド捨てた奴が好き勝手やってたらネットでぐらい愚痴零してもええやろ別に
君は何がいいたかってん結局
ワイの言い分をそういう解釈もあるで認めたらそこで終わりやで
- 645 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:45.19 ID:HpVBsqP+M.net
- >>631
書け
- 646 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:45.74 ID:/y0kNsgJd.net
- なんか語りだしてて草
- 647 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:56:58.38 ID:CGFA7KwD0.net
- >>597
ストロング決めてると結構跳べるで
- 648 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:04.46 ID:iQNKGvpEM.net
- ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係りでした。けれどもあんまり上手でないという評判でした。上手でないどころではなく実は仲間の楽手のなかではいちばん下手でしたから、いつでも楽長にいじめられるのでした。
ひるすぎみんなは楽屋に円くならんで今度の町の音楽会へ出す第六交響曲の練習をしていました。
トランペットは一生けん命歌っています。
ヴァイオリンも二いろ風のように鳴っています。
クラリネットもボーボーとそれに手伝っています。
ゴーシュも口をりんと結んで眼を皿のようにして楽譜を見つめながらもう一心に弾いています。
にわかにぱたっと楽長が両手を鳴らしました。みんなぴたりと曲をやめてしんとしました。楽長がどなりました。
「セロがおくれた。トォテテ テテテイ、ここからやり直し。はいっ。」
みんなは今の所の少し前の所からやり直しました。ゴーシュは顔をまっ赤にして額に汗を出しながらやっといま云われたところを通りました。ほっと安心しながら、つづけて弾いていますと楽長がまた手をぱっと拍ちました。
「セロっ。糸が合わない。困るなあ。ぼくはきみにドレミファを教えてまでいるひまはないんだがなあ。」
みんなは気の毒そうにしてわざとじぶんの譜をのぞき込んだりじぶんの楽器をはじいて見たりしています。ゴーシュはあわてて糸を直しました。これはじつはゴーシュも悪いのですがセロもずいぶん悪いのでした。
- 649 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:06.14 ID:P7DpImXDd.net
- >>631
今症状出てるぞ
- 650 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:13.59 ID:iQNKGvpEM.net
- 「今の前の小節から。はいっ。」
みんなはまたはじめました。ゴーシュも口をまげて一生けん命です。そしてこんどはかなり進みました。いいあんばいだと思っていると楽長がおどすような形をしてまたぱたっと手を拍ちました。またかとゴーシュはどきっとしましたがありがたいことにはこんどは別の人でした。ゴーシュはそこでさっきじぶんのときみんながしたようにわざとじぶんの譜へ眼を近づけて何か考えるふりをしていました。
「ではすぐ今の次。はいっ。」
そらと思って弾き出したかと思うといきなり楽長が足をどんと踏んでどなり出しました。
「だめだ。まるでなっていない。このへんは曲の心臓なんだ。それがこんながさがさしたことで。諸君。演奏までもうあと十日しかないんだよ。音楽を専門にやっているぼくらがあの金沓鍛冶だの砂糖屋の丁稚なんかの寄り集りに負けてしまったらいったいわれわれの面目はどうなるんだ。おいゴーシュ君。君には困るんだがなあ。表情ということがまるでできてない。怒るも喜ぶも感情というものがさっぱり出ないんだ。それにどうしてもぴたっと外の楽器と合わないもなあ。いつでもきみだけとけた靴のひもを引きずってみんなのあとをついてあるくようなんだ、困るよ、しっかりしてくれないとねえ。光輝あるわが金星音楽団がきみ一人のために悪評をとるようなことでは、みんなへもまったく気の毒だからな。では今日は練習はここまで、休んで六時にはかっきりボックスへ入ってくれ給え。」
みんなはおじぎをして、それからたばこをくわえてマッチをすったりどこかへ出て行ったりしました。ゴーシュはその粗末な箱みたいなセロをかかえて壁の方へ向いて口をまげてぼろぼろ泪をこぼしましたが、気をとり直してじぶんだけたったひとりいまやったところをはじめからしずかにもいちど弾きはじめました。
- 651 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:17.23 ID:EMczU9pkM.net
- >>638
そういえばそうやったな
- 652 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:23.45 ID:iQNKGvpEM.net
- その晩遅くゴーシュは何か巨きな黒いものをしょってじぶんの家へ帰ってきました。家といってもそれは町はずれの川ばたにあるこわれた水車小屋で、ゴーシュはそこにたった一人ですんでいて午前は小屋のまわりの小さな畑でトマトの枝をきったり甘藍の虫をひろったりしてひるすぎになるといつも出て行っていたのです。ゴーシュがうちへ入ってあかりをつけるとさっきの黒い包みをあけました。それは何でもない。あの夕方のごつごつしたセロでした。ゴーシュはそれを床の上にそっと置くと、いきなり棚からコップをとってバケツの水をごくごくのみました。
それから頭を一つふって椅子へかけるとまるで虎みたいな勢でひるの譜を弾きはじめました。譜をめくりながら弾いては考え考えては弾き一生けん命しまいまで行くとまたはじめからなんべんもなんべんもごうごうごうごう弾きつづけました。
夜中もとうにすぎてしまいはもうじぶんが弾いているのかもわからないようになって顔もまっ赤になり眼もまるで血走ってとても物凄い顔つきになりいまにも倒れるかと思うように見えました。
そのとき誰かうしろの扉をとんとんと叩くものがありました。
「ホーシュ君か。」ゴーシュはねぼけたように叫びました。ところがすうと扉を押してはいって来たのはいままで五六ぺん見たことのある大きな三毛猫でした。
ゴーシュの畑からとった半分熟したトマトをさも重そうに持って来てゴーシュの前におろして云いました。
- 653 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:32.18 ID:iQNKGvpEM.net
- 「ああくたびれた。なかなか運搬はひどいやな。」
「何だと」ゴーシュがききました。
「これおみやです。たべてください。」三毛猫が云いました。
ゴーシュはひるからのむしゃくしゃを一ぺんにどなりつけました。
「誰がきさまにトマトなど持ってこいと云った。第一おれがきさまらのもってきたものなど食うか。それからそのトマトだっておれの畑のやつだ。何だ。赤くもならないやつをむしって。いままでもトマトの茎をかじったりけちらしたりしたのはおまえだろう。行ってしまえ。ねこめ。」
すると猫は肩をまるくして眼をすぼめてはいましたが口のあたりでにやにやわらって云いました。
「先生、そうお怒りになっちゃ、おからだにさわります。それよりシューマンのトロメライをひいてごらんなさい。きいてあげますから。」
「生意気なことを云うな。ねこのくせに。」
セロ弾きはしゃくにさわってこのねこのやつどうしてくれようとしばらく考えました。
「いやご遠慮はありません。どうぞ。わたしはどうも先生の音楽をきかないとねむられないんです。」
「生意気だ。生意気だ。生意気だ。」
ゴーシュはすっかりまっ赤になってひるま楽長のしたように足ぶみしてどなりましたがにわかに気を変えて云いました。
「では弾くよ。」
ゴーシュは何と思ったか扉にかぎをかって窓もみんなしめてしまい、それからセロをとりだしてあかしを消しました。すると外から二十日過ぎの月のひかりが室のなかへ半分ほどはいってきました。
「何をひけと。」
「トロメライ、ロマチックシューマン作曲。」猫は口を拭いて済まして云いました。
「そうか。トロメライというのはこういうのか。」
- 654 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:33.99 ID:OG7bgr2ua.net
- >>644
あるが
一度同じ土俵に立った限り、そこで全力出せない奴が作家気取るなよ
- 655 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:40.95 ID:iQNKGvpEM.net
- セロ弾きは何と思ったかまずはんけちを引きさいてじぶんの耳の穴へぎっしりつめました。それからまるで嵐のような勢で「印度の虎狩」という譜を弾きはじめました。
すると猫はしばらく首をまげて聞いていましたがいきなりパチパチパチッと眼をしたかと思うとぱっと扉の方へ飛びのきました。そしていきなりどんと扉へからだをぶっつけましたが扉はあきませんでした。猫はさあこれはもう一生一代の失敗をしたという風にあわてだして眼や額からぱちぱち火花を出しました。するとこんどは口のひげからも鼻からも出ましたから猫はくすぐったがってしばらくくしゃみをするような顔をしてそれからまたさあこうしてはいられないぞというようにはせあるきだしました。ゴーシュはすっかり面白くなってますます勢よくやり出しました。
「先生もうたくさんです。たくさんですよ。ご生ですからやめてください。これからもう先生のタクトなんかとりませんから。」
「だまれ。これから虎をつかまえる所だ。」
猫はくるしがってはねあがってまわったり壁にからだをくっつけたりしましたが壁についたあとはしばらく青くひかるのでした。しまいは猫はまるで風車のようにぐるぐるぐるぐるゴーシュをまわりました。
ゴーシュもすこしぐるぐるして来ましたので、
「さあこれで許してやるぞ」と云いながらようようやめました。
すると猫もけろりとして
「先生、こんやの演奏はどうかしてますね。」と云いました。
セロ弾きはまたぐっとしゃくにさわりましたが何気ない風で巻たばこを一本だして口にくわえそれからマッチを一本とって
「どうだい。工合をわるくしないかい。舌を出してごらん。」
猫はばかにしたように尖った長い舌をベロリと出しました。
「ははあ、少し荒れたね。」セロ弾きは云いながらいきなりマッチを舌でシュッとすってじぶんのたばこへつけました。さあ猫は愕いたの何の舌を風車のようにふりまわしながら入り口の扉へ行って頭でどんとぶっつかってはよろよろとしてまた戻って来てどんとぶっつかってはよろよろまた戻って来てまたぶっつかってはよろよろにげみちをこさえようとしました。
ゴーシュはしばらく面白そうに見ていましたが
「出してやるよ。もう来るなよ。ばか。」
- 656 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:51.04 ID:iQNKGvpEM.net
- セロ弾きは扉をあけて猫が風のように萱のなかを走って行くのを見てちょっとわらいました。それから、やっとせいせいしたというようにぐっすりねむりました。
次の晩もゴーシュがまた黒いセロの包みをかついで帰ってきました。そして水をごくごくのむとそっくりゆうべのとおりぐんぐんセロを弾きはじめました。十二時は間もなく過ぎ一時もすぎ二時もすぎてもゴーシュはまだやめませんでした。それからもう何時だかもわからず弾いているかもわからずごうごうやっていますと誰か屋根裏をこっこっと叩くものがあります。
「猫、まだこりないのか。」
ゴーシュが叫びますといきなり天井の穴からぽろんと音がして一疋の灰いろの鳥が降りて来ました。床へとまったのを見るとそれはかっこうでした。
「鳥まで来るなんて。何の用だ。」ゴーシュが云いました。
「音楽を教わりたいのです。」
かっこう鳥はすまして云いました。
ゴーシュは笑って
「音楽だと。おまえの歌は、かっこう、かっこうというだけじゃあないか。」
するとかっこうが大へんまじめに
「ええ、それなんです。けれどもむずかしいですからねえ。」と云いました。
「むずかしいもんか。おまえたちのはたくさん啼くのがひどいだけで、なきようは何でもないじゃないか。」
「ところがそれがひどいんです。たとえばかっこうとこうなくのとかっこうとこうなくのとでは聞いていてもよほどちがうでしょう。」
「ちがわないね。」
「ではあなたにはわからないんです。わたしらのなかまならかっこうと一万云えば一万みんなちがうんです。」
- 657 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:52.83 ID:0fgkVMJt0.net
- >>644
とっとと続き書けよ無能
- 658 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:57:59.39 ID:iQNKGvpEM.net
- 「勝手だよ。そんなにわかってるなら何もおれの処へ来なくてもいいではないか。」
「ところが私はドレミファを正確にやりたいんです。」
「ドレミファもくそもあるか。」
「ええ、外国へ行く前にぜひ一度いるんです。」
「外国もくそもあるか。」
「先生どうかドレミファを教えてください。わたしはついてうたいますから。」
「うるさいなあ。そら三べんだけ弾いてやるからすんだらさっさと帰るんだぞ。」
ゴーシュはセロを取り上げてボロンボロンと糸を合わせてドレミファソラシドとひきました。するとかっこうはあわてて羽をばたばたしました。
「ちがいます、ちがいます。そんなんでないんです。」
「うるさいなあ。ではおまえやってごらん。」
「こうですよ。」かっこうはからだをまえに曲げてしばらく構えてから
「かっこう」と一つなきました。
「何だい。それがドレミファかい。おまえたちには、それではドレミファも第六交響楽も同じなんだな。」
「それはちがいます。」
「どうちがうんだ。」
「むずかしいのはこれをたくさん続けたのがあるんです。」
「つまりこうだろう。」セロ弾きはまたセロをとって、かっこうかっこうかっこうかっこうかっこうとつづけてひきました。
するとかっこうはたいへんよろこんで途中からかっこうかっこうかっこうかっこうとついて叫びました。それももう一生けん命からだをまげていつまでも叫ぶのです。
ゴーシュはとうとう手が痛くなって
「こら、いいかげんにしないか。」と云いながらやめました。するとかっこうは残念そうに眼をつりあげてまだしばらくないていましたがやっと
「……かっこうかくうかっかっかっかっか」と云ってやめました。
ゴーシュがすっかりおこってしまって、
「こらとり、もう用が済んだらかえれ」と云いました。
「どうかもういっぺん弾いてください。あなたのはいいようだけれどもすこしちがうんです。」
「何だと、おれがきさまに教わってるんではないんだぞ。帰らんか。」
「どうかたったもう一ぺんおねがいです。どうか。」かっこうは頭を何べんもこんこん下げました。
「ではこれっきりだよ。」
- 659 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:05.10 ID:skXjzPn90.net
- 突然宮沢賢治セレクション始まって草
- 660 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:18.39 ID:BIzvOaOqM.net
- ゴーシュは弓をかまえました。かっこうは「くっ」とひとつ息をして
「ではなるべく永くおねがいいたします。」といってまた一つおじぎをしました。
「いやになっちまうなあ。」ゴーシュはにが笑いしながら弾きはじめました。するとかっこうはまたまるで本気になって「かっこうかっこうかっこう」とからだをまげてじつに一生けん命叫びました。ゴーシュははじめはむしゃくしゃしていましたがいつまでもつづけて弾いているうちにふっと何だかこれは鳥の方がほんとうのドレミファにはまっているかなという気がしてきました。どうも弾けば弾くほどかっこうの方がいいような気がするのでした。
「えいこんなばかなことしていたらおれは鳥になってしまうんじゃないか。」とゴーシュはいきなりぴたりとセロをやめました。
するとかっこうはどしんと頭を叩かれたようにふらふらっとしてそれからまたさっきのように
「かっこうかっこうかっこうかっかっかっかっかっ」と云ってやめました。それから恨めしそうにゴーシュを見て
「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」と云いました。
「何を生意気な。こんなばかなまねをいつまでしていられるか。もう出て行け。見ろ。夜があけるんじゃないか。」ゴーシュは窓を指さしました。
東のそらがぼうっと銀いろになってそこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走っています。
「ではお日さまの出るまでどうぞ。もう一ぺん。ちょっとですから。」
かっこうはまた頭を下げました。
「黙れっ。いい気になって。このばか鳥め。出て行かんとむしって朝飯に食ってしまうぞ。」ゴーシュはどんと床をふみました。
- 661 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:19.24 ID:HpVBsqP+M.net
- >>644
早よ書けって
- 662 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:19.96 ID:pdn+huLN0.net
- 春琴抄定期
- 663 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:32.09 ID:BIzvOaOqM.net
- するとかっこうはにわかにびっくりしたようにいきなり窓をめがけて飛び立ちました。そして硝子にはげしく頭をぶっつけてばたっと下へ落ちました。
「何だ、硝子へばかだなあ。」ゴーシュはあわてて立って窓をあけようとしましたが元来この窓はそんなにいつでもするする開く窓ではありませんでした。ゴーシュが窓のわくをしきりにがたがたしているうちにまたかっこうがばっとぶっつかって下へ落ちました。見ると嘴のつけねからすこし血が出ています。
「いまあけてやるから待っていろったら。」ゴーシュがやっと二寸ばかり窓をあけたとき、かっこうは起きあがって何が何でもこんどこそというようにじっと窓の向うの東のそらをみつめて、あらん限りの力をこめた風でぱっと飛びたちました。もちろんこんどは前よりひどく硝子につきあたってかっこうは下へ落ちたまましばらく身動きもしませんでした。つかまえてドアから飛ばしてやろうとゴーシュが手を出しましたらいきなりかっこうは眼をひらいて飛びのきました。そしてまたガラスへ飛びつきそうにするのです。ゴーシュは思わず足を上げて窓をばっとけりました。ガラスは二三枚物すごい音して砕け窓はわくのまま外へ落ちました。そのがらんとなった窓のあとをかっこうが矢のように外へ飛びだしました。そしてもうどこまでもどこまでもまっすぐに飛んで行ってとうとう見えなくなってしまいました。ゴーシュはしばらく呆れたように外を見ていましたが、そのまま倒れるように室のすみへころがって睡ってしまいました。
次の晩もゴーシュは夜中すぎまでセロを弾いてつかれて水を一杯のんでいますと、また扉をこつこつ叩くものがあります。
- 664 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:42.11 ID:5R/Bagsp0.net
- >>654
なんのたとえやねん
土俵がうんこ塗れやったら愚痴くらい零すやろ
お前は結局自分ルールをワイに強要したいだけやけど、そこに正当性はないんや
- 665 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:44.80 ID:BIzvOaOqM.net
- 今夜は何が来てもゆうべのかっこうのようにはじめからおどかして追い払ってやろうと思ってコップをもったまま待ち構えて居りますと、扉がすこしあいて一疋の狸の子がはいってきました。ゴーシュはそこでその扉をもう少し広くひらいて置いてどんと足をふんで、
「こら、狸、おまえは狸汁ということを知っているかっ。」とどなりました。すると狸の子はぼんやりした顔をしてきちんと床へ座ったままどうもわからないというように首をまげて考えていましたが、しばらくたって
「狸汁ってぼく知らない。」と云いました。ゴーシュはその顔を見て思わず吹き出そうとしましたが、まだ無理に恐い顔をして、
「では教えてやろう。狸汁というのはな。おまえのような狸をな、キャベジや塩とまぜてくたくたと煮ておれさまの食うようにしたものだ。」と云いました。すると狸の子はまたふしぎそうに
「だってぼくのお父さんがね、ゴーシュさんはとてもいい人でこわくないから行って習えと云ったよ。」と云いました。そこでゴーシュもとうとう笑い出してしまいました。
「何を習えと云ったんだ。おれはいそがしいんじゃないか。それに睡いんだよ。」
狸の子は俄に勢がついたように一足前へ出ました。
「ぼくは小太鼓の係りでねえ。セロへ合わせてもらって来いと云われたんだ。」
「どこにも小太鼓がないじゃないか。」
「そら、これ」狸の子はせなかから棒きれを二本出しました。
「それでどうするんだ。」
「ではね、『愉快な馬車屋』を弾いてください。」
「なんだ愉快な馬車屋ってジャズか。」
「ああこの譜だよ。」狸の子はせなかからまた一枚の譜をとり出しました。ゴーシュは手にとってわらい出しました。
「ふう、変な曲だなあ。よし、さあ弾くぞ。おまえは小太鼓を叩くのか。」ゴーシュは狸の子がどうするのかと思ってちらちらそっちを見ながら弾きはじめました。
すると狸の子は棒をもってセロの駒の下のところを拍子をとってぽんぽん叩きはじめました。それがなかなかうまいので弾いているうちにゴーシュはこれは面白いぞと思いました。
おしまいまでひいてしまうと狸の子はしばらく首をまげて考えました。
それからやっと考えついたというように云いました。
- 666 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:45.02 ID:HpVBsqP+M.net
- >>644
続き書け
- 667 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:56.03 ID:Twik14kn0.net
- チノスレでレスバ初めてみたわ
- 668 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:56.77 ID:BIzvOaOqM.net
- 「ゴーシュさんはこの二番目の糸をひくときはきたいに遅れるねえ。なんだかぼくがつまずくようになるよ。」
ゴーシュははっとしました。たしかにその糸はどんなに手早く弾いてもすこしたってからでないと音が出ないような気がゆうべからしていたのでした。
「いや、そうかもしれない。このセロは悪いんだよ。」とゴーシュはかなしそうに云いました。すると狸は気の毒そうにしてまたしばらく考えていましたが
「どこが悪いんだろうなあ。ではもう一ぺん弾いてくれますか。」
「いいとも弾くよ。」ゴーシュははじめました。狸の子はさっきのようにとんとん叩きながら時々頭をまげてセロに耳をつけるようにしました。そしておしまいまで来たときは今夜もまた東がぼうと明るくなっていました。
「ああ夜が明けたぞ。どうもありがとう。」狸の子は大へんあわてて譜や棒きれをせなかへしょってゴムテープでぱちんととめておじぎを二つ三つすると急いで外へ出て行ってしまいました。
ゴーシュはぼんやりしてしばらくゆうべのこわれたガラスからはいってくる風を吸っていましたが、町へ出て行くまで睡って元気をとり戻そうと急いでねどこへもぐり込みました。
- 669 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:58:59.67 ID:HpVBsqP+M.net
- >>644
書け
- 670 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:08.30 ID:AdWvgqQc0.net
- >>632
これ草ァ!!
- 671 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:15.87 ID:BIzvOaOqM.net
- 次の晩もゴーシュは夜通しセロを弾いて明方近く思わずつかれて楽譜をもったままうとうとしていますとまた誰か扉をこつこつと叩くものがあります。それもまるで聞えるか聞えないかの位でしたが毎晩のことなのでゴーシュはすぐ聞きつけて「おはいり。」と云いました。すると戸のすきまからはいって来たのは一ぴきの野ねずみでした。そして大へんちいさなこどもをつれてちょろちょろとゴーシュの前へ歩いてきました。そのまた野ねずみのこどもときたらまるでけしごむのくらいしかないのでゴーシュはおもわずわらいました。すると野ねずみは何をわらわれたろうというようにきょろきょろしながらゴーシュの前に来て、青い栗の実を一つぶ前においてちゃんとおじぎをして云いました。
「先生、この児があんばいがわるくて死にそうでございますが先生お慈悲になおしてやってくださいまし。」
「おれが医者などやれるもんか。」ゴーシュはすこしむっとして云いました。すると野ねずみのお母さんは下を向いてしばらくだまっていましたがまた思い切ったように云いました。
「先生、それはうそでございます、先生は毎日あんなに上手にみんなの病気をなおしておいでになるではありませんか。」
「何のことだかわからんね。」
「だって先生先生のおかげで、兎さんのおばあさんもなおりましたし狸さんのお父さんもなおりましたしあんな意地悪のみみずくまでなおしていただいたのにこの子ばかりお助けをいただけないとはあんまり情ないことでございます。」
「おいおい、それは何かの間ちがいだよ。おれはみみずくの病気なんどなおしてやったことはないからな。もっとも狸の子はゆうべ来て楽隊のまねをして行ったがね。ははん。」ゴーシュは呆れてその子ねずみを見おろしてわらいました。
すると野鼠のお母さんは泣きだしてしまいました。
- 672 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:25.36 ID:BIzvOaOqM.net
- 「ああこの児はどうせ病気になるならもっと早くなればよかった。さっきまであれ位ごうごうと鳴らしておいでになったのに、病気になるといっしょにぴたっと音がとまってもうあとはいくらおねがいしても鳴らしてくださらないなんて。何てふしあわせな子どもだろう。」
ゴーシュはびっくりして叫びました。
「何だと、ぼくがセロを弾けばみみずくや兎の病気がなおると。どういうわけだ。それは。」
野ねずみは眼を片手でこすりこすり云いました。
「はい、ここらのものは病気になるとみんな先生のおうちの床下にはいって療すのでございます。」
「すると療るのか。」
「はい。からだ中とても血のまわりがよくなって大へんいい気持ちですぐ療る方もあればうちへ帰ってから療る方もあります。」
「ああそうか。おれのセロの音がごうごうひびくと、それがあんまの代りになっておまえたちの病気がなおるというのか。よし。わかったよ。やってやろう。」ゴーシュはちょっとギウギウと糸を合せてそれからいきなりのねずみのこどもをつまんでセロの孔から中へ入れてしまいました。
「わたしもいっしょについて行きます。どこの病院でもそうですから。」おっかさんの野ねずみはきちがいのようになってセロに飛びつきました。
「おまえさんもはいるかね。」セロ弾きはおっかさんの野ねずみをセロの孔からくぐしてやろうとしましたが顔が半分しかはいりませんでした。
野ねずみはばたばたしながら中のこどもに叫びました。
- 673 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:33.62 ID:HpVBsqP+M.net
- >>664
うんこ塗れは君の足元やろ
- 674 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:34.72 ID:BIzvOaOqM.net
- 「おまえそこはいいかい。落ちるときいつも教えるように足をそろえてうまく落ちたかい。」
「いい。うまく落ちた。」こどものねずみはまるで蚊のような小さな声でセロの底で返事しました。
「大丈夫さ。だから泣き声出すなというんだ。」ゴーシュはおっかさんのねずみを下におろしてそれから弓をとって何とかラプソディとかいうものをごうごうがあがあ弾きました。
するとおっかさんのねずみはいかにも心配そうにその音の工合をきいていましたがとうとうこらえ切れなくなったふうで
「もう沢山です。どうか出してやってください。」と云いました。
「なあんだ、これでいいのか。」ゴーシュはセロをまげて孔のところに手をあてて待っていましたら間もなくこどものねずみが出てきました。ゴーシュは、だまってそれをおろしてやりました。見るとすっかり目をつぶってぶるぶるぶるぶるふるえていました。
「どうだったの。いいかい。気分は。」
こどものねずみはすこしもへんじもしないでまだしばらく眼をつぶったままぶるぶるぶるぶるふるえていましたがにわかに起きあがって走りだした。
「ああよくなったんだ。ありがとうございます。ありがとうございます。」おっかさんのねずみもいっしょに走っていましたが、まもなくゴーシュの前に来てしきりにおじぎをしながら
「ありがとうございますありがとうございます」と十ばかり云いました。
ゴーシュは何がなかあいそうになって
「おい、おまえたちはパンはたべるのか。」とききました。
すると野鼠はびっくりしたようにきょろきょろあたりを見まわしてから
「いえ、もうおパンというものは小麦の粉をこねたりむしたりしてこしらえたものでふくふく膨らんでいておいしいものなそうでございますが、そうでなくても私どもはおうちの戸棚へなど参ったこともございませんし、ましてこれ位お世話になりながらどうしてそれを運びになんど参れましょう。」と云いました。
- 675 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:43.90 ID:OG7bgr2ua.net
- >>664
自分ルール?読者が望んでいるものを書いて売れる。
そして生活へと繋げて本命の小説を書くのが作家や
舐めるな
- 676 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:47.35 ID:vq/D6bFza.net
- >>619
あく
- 677 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:51.90 ID:QIQQ9E8lM.net
- 「いや、そのことではないんだ。ただたべるのかときいたんだ。ではたべるんだな。ちょっと待てよ。その腹の悪いこどもへやるからな。」
ゴーシュはセロを床へ置いて戸棚からパンを一つまみむしって野ねずみの前へ置きました。
野ねずみはもうまるでばかのようになって泣いたり笑ったりおじぎをしたりしてから大じそうにそれをくわえてこどもをさきに立てて外へ出て行きました。
「あああ。鼠と話するのもなかなかつかれるぞ。」ゴーシュはねどこへどっかり倒れてすぐぐうぐうねむってしまいました。
それから六日目の晩でした。金星音楽団の人たちは町の公会堂のホールの裏にある控室へみんなぱっと顔をほてらしてめいめい楽器をもって、ぞろぞろホールの舞台から引きあげて来ました。首尾よく第六交響曲を仕上げたのです。ホールでは拍手の音がまだ嵐のように鳴って居ります。楽長はポケットへ手をつっ込んで拍手なんかどうでもいいというようにのそのそみんなの間を歩きまわっていましたが、じつはどうして嬉しさでいっぱいなのでした。みんなはたばこをくわえてマッチをすったり楽器をケースへ入れたりしました。
ホールはまだぱちぱち手が鳴っています。それどころではなくいよいよそれが高くなって何だかこわいような手がつけられないような音になりました。大きな白いリボンを胸につけた司会者がはいって来ました。
「アンコールをやっていますが、何かみじかいものでもきかせてやってくださいませんか。」
すると楽長がきっとなって答えました。「いけませんな。こういう大物のあとへ何を出したってこっちの気の済むようには行くもんでないんです。」
「では楽長さん出て一寸挨拶してください。」
「だめだ。おい、ゴーシュ君、何か出て弾いてやってくれ。」
「わたしがですか。」ゴーシュは呆気にとられました。
「君だ、君だ。」ヴァイオリンの一番の人がいきなり顔をあげて云いました。
「さあ出て行きたまえ。」楽長が云いました。みんなもセロをむりにゴーシュに持たせて扉をあけるといきなり舞台へゴーシュを押し出してしまいました。ゴーシュがその孔のあいたセロをもってじつに困ってしまって舞台へ出るとみんなはそら見ろというように一そうひどく手を叩きました。わあと叫んだものもあるようでした。
- 678 :風吹けば名無し:2020/11/02(月) 18:59:58.32 ID:HpVBsqP+M.net
- >>664
電車でうんこ漏らした奴が比喩にうんこ塗れとか使うな
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