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明け方の山月記部 🌖⛰🐅

1 :風吹けば名無し:2019/06/23(日) 04:32:50.16 ID:XQyOrAlU0.net
ほな

93 :風吹けば名無し:2019/06/23(日) 05:09:38.20 ID:XQyOrAlU0.net
 孟丙の弟仲壬は昭公の近侍某と親しくしていたが、一日友を公宮に訪ねた時、たまたま公の目に留とまった。二言三言、その下問に答えている中に、気に入られたと見え、帰りには親しく玉環を賜わった。

大人しい青年で、親にも告げずに身に佩おびては悪かろうと、豎牛を通じて病父にその名誉の事情を告げ玉環を見せようとした。牛は玉環を受取って内に入ったが、叔孫には示さない。仲壬が来たということさえ話さぬ。

再び外に出て来て言った。父上には大変御喜びですぐにも身に着けるようにとのことでした、と。仲壬はそこで始めてそれを身に佩びた。

数日後、豎牛が叔孫に勧める。既に孟丙が亡い以上、仲壬を後嗣に立てることは決まっている故、今から主君昭公に御目通りさせては如何。

叔孫がいう。いや、まだそれと決めた訳ではないから、今からそんな必要はない。

しかし、と牛が言葉を返す。父上の思召しはどうあろうと、息子の方では勝手にそう決め込んで、もはや直接君公に御目通りしていますよ。

そんな莫迦な事があるはずは無いという叔孫に、それでも近頃仲壬が君公から拝領したという玉環を佩びていることは確かですと牛が請け合う。

早速仲壬が呼ばれる。果たして玉環を佩びている。公からの戴きものだという。父は利かぬ身体を床の上に起こして怒った。息子の弁解は何一つ聞かれず、すぐにその場を退いて謹慎せよという。

 その夜、仲壬はひそかに斉に奔った。

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